作品データ
あらすじ
ある特殊な施設で育てられ、8歳の時に逃げ出したジャユンは記憶を失っていて、助けてくれた酪農家の娘として暮らしていく。
それから10年後、頭に異変を感じるようになったジャユンは、その手術費用と経済状況の厳しい養父母の為に賞金目当てのオーディションを受ける。
しかし、テレビ番組でジャユンはあるマジックを披露した事から、謎の男たちに追われる身になってしまうのだった。
登場人物&出演者
・ク・ジャユン(演:キム・ダミ)
代表作に『2017同名異人プロジェクト』、『マリオネット/私が殺された日』があります。
主人公。8歳まで特殊な施設で育つ。脱走してから酪農家を営む夫妻の娘として暮らす。
経済的に厳しい養父母の為にオーディション番組に出ると、合格して有名人になる。
ミスター・チェやペク博士に見つかり、怪人や魔女に連れ出されるが、実は全部演技。
養母の為に薬を渡し、本社を襲撃して大量に入手すると、各地で新たな情報を得る。
最後はペク博士の妹を探し出し、見つけた仲間と根本的な治療を望んでいると話した。
・ミョンヒ(演:コ・ミンシ)
代表作に『映画チーズ・イン・ザ・トラップ』、『The Battle: Roar to Victory』がある。
ジャユンと同じ高校に通う親友。父親が警察官だが、何度か無断で外泊して隠している。
ジャユンの才能を認めていて、オーディション番組に応募させて、合格して一緒に喜ぶ。
英語を話す怪人に泣かされたジャユンを心配して、周りに注目させて追い払っていた。
ジャユンを殺しにミスター・チェの部下が来るが、あっさりと片付けられて呆然とした。
最後は養父母がいた病室に来たジャユンと会えず、窓の外から手を振られて応えた。
・ク(演:チェ・ジョンウ)
代表作に『俺たちの街』、ヨンガシ/変種増殖』があります。
酪農を営んでいる。施設から逃げ出したジャユンを見つけ、そのまま娘として育てる。
病気で体が動かなくなり、代わりに牛の世話をするジャユンに任せられないと話した。
認知症が進行する妻はどうにもでしず、ジャユンに任せて牛の世話で気を紛らわせる。
実は建築家で息子と孫を失い、アメリカから韓国に戻って酪農をしていた過去を持つ。
最後は施設から帰還したジャユンの正体を知っていて、薬を求める娘の帰りを待つ。
・ク夫人(演:オ・ミヒ)
代表作に『私の生涯で最も美しい一週間』、アンティーク/骨董洋菓子店』などがあります。
酪農を営む夫を支えている。成長したジャユンを愛するが、認知症を患っている。
ほとんどの時間を寝室で過ごすが、学校から帰ってくるジャユンの事だけは覚えている。
認知症が進行していき、ついにジャユンの事を忘れてしまい、過去の出来事を話した。
実は夫とともにアメリカで暮らしていたが、息子と孫が死んで韓国に帰ってきていた。
最後はジャユンが持ってきた薬で症状が和らぐとして、クが受け取ってくれていた。
・英語を話す魔女(演:ダウン)
代表作に『アンダードッグ/二人の男』、『Justice High』などがあります。
英語を話す怪人と一緒に行動する少女。常に睨みつけるような視線で飴玉を口に含む。
施設の関係者を始末する為に赴くが、退屈しのぎに彼の家族を殺して時間潰ししていた。
ジャユンを施設に連れて行く時、優れた力を持つと聞いていて軽く挑発していた。
ペク博士がジャユンの記憶を呼び起こすが、すべて計画だと知って怪人と止めに行く。
最後はミスター・チェの部隊を全滅させ、ジャユンに挑むも歯が立たず頭を潰された。
・英語を話す怪人(演:チェ・ウシク)
代表作に『ムルゲ/王朝の怪物』、『パラサイト/半地下の家族』などがあります。
ジャユンと同じ特殊な施設で育った。ジャユンが脱走して追うも結局は捕まっていた。
オーディション番組に出たジャユンに接触するが、彼女に記憶がなくて一時は引いた。
その正体は遺伝子操作された人間で、脱走したジャユンを止めようとしてケガを負う。
ミスター・チェの部下を全滅させたジャユンの元に行き、施設まで連れて行った。
最後はジャユンの計画だと発覚して挑むが、レベルの差で太刀打ちできずに殺された。
・ミスター・チェ(演:パク・ヒスン)
代表作に『ムルゲ/王朝の怪物』、『王と道化師たち』などがあります。
特殊な施設の警備責任者。顔に無数の傷跡がある。ペク博士のキツイ言葉も気にしない。
脱走したジャユンは野垂れ死ぬとペク博士に言われるが、長年に渡って探していた。
実は遺伝子操作される第一世代の試作品であるが、副作用で右手が黒ずんでいた。
上層部からジャユンを始末するように言われ、施設に来た彼女や仲間の抹殺を敢行。
最後はペク博士を殺害し、ジャユンを殺そうとしたが、あっさりと返り討ちされた。
・ペク博士(演:チョ・ミンス)
代表作に『嘆きのピエタ』、『ヴィーナス・トーク/官能の法則』などがあります。
特殊な施設を管理している責任者。遺伝子操作して優れた人造人間を作っていた。
レベルの違うジャユンを最高作品だと自負していたが、脱走されるも自滅すると話す。
怪人や魔女を使って施設の関係者を抹殺し、ジャユンを連れ帰るように指示していた。
ジャユンの記憶喪失はすべて演技で、薬を求めていた彼女に騙されて提供させられた。
最後はミスター・チェが助けに来ると思ったら、話しの邪魔だとして殺されてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は『のむコレ2018』にて上映された作品となります。
『新しき世界』で知られるパク・フンジョンが監督、脚本、製作を務めています。
まったく前情報ない状態で鑑賞したので、当初の予想では魔女の話だと思っていた。
しかし、実際はまったく違う内容で、中盤まで主人公は素朴で養父母思いで平凡な女子高生というイメージが自然に感じられた。
期待していた魔女の要素が全然出てこないので、後半はどういう風にやっていくのか気になりました。
それで、ようやく主人公の過去を知る人物が出てくるが、それでも全容が掴めない。
そうしているうちに、主人公を追い詰めるような展開になると、それまでの雰囲気を一気に変える一瞬の残酷なアクションが発動する。
ただ、それでも主人公の素朴さというイメージが強いので、二重人格じゃないかと考えた。
しかし、物語が進んでいくと、本作で主人公が怪物のような存在が単なる揶揄じゃないと分かる瞬間から色々といい意味で崩壊した。
とにかく、主人公を演じるキム・ダミの演技が物語やキャラクターを支えているも分かる。
韓国映画というのは実力主義だと分かるような使い分けの演技で、依然として素朴さを持ちながらも残酷すぎる笑顔が凄まじい。
設定として遺伝子操作された人造人間は使い古されたネタだが、安易に使わず、多くの時間をミスリードに持っていたのは勇気と思い切りの良さが素晴らしいと感じた。
このキャップとキム・ダミの演技力で、微妙なタイトル以上の面白さかありました。
しかも、二部作構成となっていて、本作はあくまで次に繋げる作品だと判明します。
大体の場合は壮大な序章になってしまうが、本作はギャップを使った手法で単体でも面白く仕上がっていると感じました。
丁寧に主人公の正体を描いてくれたので、次の作品を期待させるだけの効果がありました。
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