作品データ
あらすじ
1986年のマカオ、大衆食堂「八仙飯店」の店主であるウォン・チーハンは、二人の女性店員と忙しく店を切り盛りしていた。
ある日、潮干狩りの親子が海岸で切断された人の手足を発見し、マカオ警察はそれらが袋に包まれていた事から殺人事件として捜査を開始する。
一方でウォンは店を売ろうとするも前店主の同意書がなく、売れない状況の中で麻雀のイカサマに腹を立てた彼は相手を撲殺するのだった。
登場人物&出演者
・ウォン・チーハン/チャン・ジーリョン(演:アンソニー・ウォン)
近年の出演作に『淪落の人』、『ザ・スリープ・カース』があります。
主人公。八仙飯店の店主。元従業員で前店主から店を譲り受けるが、売りに出そうとする。
前店主の同意書が必要で売れず、イカサマを雇った店員に見られ、殺して肉饅頭にした。
警察から事情聴取を受け、何か話したレジ係をレイプしてから肉饅頭にしてしまう。
実際は香港で放火殺人をして、イカサマで前店主の一家を殺して勝手に店を手にした。
最後は追い込まれ自白するが、起訴させない為に自殺して事件はお蔵入りにした。
・アボー(演:エミリー・クァン)
代表作に『ヴィクティム』、『双子』などがあります。
マカオ警察の女性刑事。軍服のような服装で女らしさはなく、先輩たちに小バカにされる。
海辺で発見された切断された手足の調査や指紋取りなど、イヤな仕事を押し付けられる。
切断された手の指紋から身元が判明するが、先輩たちに黙ってリー部長に注意された。
ウォンが捨てたゴミから前店主一家のパスポートを見つけ、彼が殺した証拠を見つける。
最後はウォンが前店主一家を人肉饅頭にしたと聞き、みんなと同じくその場で吐いた。
・キングコング(演:キングコング・ラム)
代表作に『タクシーハンター』、『コールド・ウォー/香港警察墜ちた正義』などがあります。
マカオ警察の刑事。アボーよりも年上だが、他の先輩にとって年下でいつも頭を叩かれる。
海辺で切断された手足の調査にアボーを向かわせるが、先輩に行くように言われていた。
アガウたちが持ち帰った八仙飯店の肉饅頭を誰よりもおいしいと言って何個も食う。
自殺未遂で入院したウォンを見張るが、油断して逃げられそうになるも再度捕まえた。
最後はウォンが前店主一家を人肉饅頭にしたと聞き、みんなと同じくその場で吐いた。
・ロバート(演:エリック・ケイ)
代表作に『レジェンド・オブ・ドラゴン』、『孟波』などがあります。
マカオ警察の刑事。サングラスにタンクトップと、自慢の筋肉を見せつつ、女に目がない。
リー部長が連れてくる女に話しかけて、毎度じっくりと体を見ながら親しげに会話する。
八仙飯店から持ち帰った肉饅頭を気に入って、リー部長に勧めるも断られてしまう。
アボーと見張りをして、ゴミの中から前店主一家のパスポートを見つけて喜んでいた。
最後はウォンが前店主一家を人肉饅頭にしたと聞き、みんなと同じくその場で吐いた。
・アガウ(演:パクマン・ウォン)
代表作に『狼の烙印』、『野獣捜査隊』などがあります。
マカオ警察のベテラン刑事。同僚の中で一番年上だが、誰よりもサボろうと権限を使う。
海辺で切断されたの調査をアボーたちに任せるが、リー部長に言われ急いで現場に行く。
リー部長が登場する度に捜査の進捗を聞かれると、毎度のように言い訳をしたごまかす。
油断したキングコングたちのせいでウォンが逃げるが、足を捻挫しながらも捕まえた。
最後はウォンが前店主一家を人肉饅頭にしたと聞き、みんなと同じくその場で吐いた。
・リー部長(演:ダニー・リー)
代表作に『ブラッド・ブラザース』、『レジェンド・オブ・ドラゴン』などがあります。
マカオ警察の刑事部長。いつも女を職場に連れ込み、自慢しながら仕事の進捗を聞いている。
実際はやり手で部下から憧れており、サボっている彼らに優しい言葉で注意する。
海辺で見つかった切断された手足と、八仙飯店の前店主が行方不明を結びつけていた。
ウォンに尋問で何か怪しいと感じ取って、部下たちに彼を監視させて見事に逮捕をした。
最後は暴力でウォン自白させるが、起訴する前に自殺され、結局は取り下げてしまう。
感想
[個人的な評価]
以前から知っていた作品ですが、なかなか鑑賞する機会に巡らまれなかったが、ようやくその時がやって来ました。
カルト的な人気を誇る香港映画だが、イメージとしては『冷たい熱帯魚』に近い強烈なエログロな演出が際立っていました。
奇しくも本作も『冷たい熱帯魚』と同じく実際に起きた事件を元ネタにしていて、そのような人間が実在していた事に驚かされる。
多分、この作品を観た後だと、しばらく肉まんは食べられない人がいると思います。
それぐらいに生々しい解体シーンと、ひき肉にする過程で嫌悪感すら与えられる。
しかも、それを商品として売ってみんなおいしそうに食べるシーンに不快感も覚えてしまう。
なんと言っても、香港のアカデミーで主演男優賞を受賞したアンソニー・ウォンの怪演です。
強烈なインパクトを与える鬼気迫る表情が素晴らしく、受賞しただけの説得力があります。
ただ、本人は一番嫌いな作品と公言しており、そのせいで似たような役ばっかりがオファーされていたようです。
とにかく、邪魔をするなら殺すというサイコパス的な行動が恐ろしく、何より躊躇いが一切ないのは凄まじい。
悪事がバレてもなんとか逃げようとする執念だけじゃなく、絶対に起訴を受けない為に自殺を図る行動力は本当にコワイ。
しかしながら、当時のマカオ警察もいくら相手が殺人鬼とは言え、暴力で自白をさせようとするところにも問題を感じてしまった。
さすがに殺人鬼への同情を持たないが、どう考えてもやり過ぎな印象でした。
シリーズ化されていますが、多分、この一作目が一番面白いだろうと思います。
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