作品データ
あらすじ
1987年7月のサン・セバスチャン修道院、アモルト神父はローマ教皇から直接依頼を受け、憑依されたある少年の悪魔祓いに向かう。
少年の変わり果てた姿でアモルト神父自身の過去を語るのは、病気ではなく悪魔の仕業だと確信して本格的な調査に乗り出す。
アモルト神父は古い記録にたどり着くと、中性ヨーロッパでカトリック教会が異端者の摘発と処罰の為に行ってきた宗教裁判と修道院の地下に眠る邪悪な霊を知っていくのだった。
登場人物&出演者
・ガブリエーレ・アモルト神父(演:ラッセル・クロウ)
近年の出演作に『クレイヴン・ザ・ハンター』、『史上最高のカンパイ!戦地にビールを届けた男』などがあります。
主人公。ヴァチカンの主席エクソシスト。神学者で法律家であり、記者としても記事を自由に書いている。
勝手に悪魔祓いをした事で公聴会に呼ばれ、都合の悪い記事を書いた事で糾弾されていた。
ローマ教皇から取り憑かれたヘンリーの悪魔祓いを託され、相手が本物と分かって取り組む。
過去の罪を告白してエスキベルによって赦されるが、ヘンリーを助ける為に犠牲を選んだ。
最後はエスキベルの祈りが通じて悪魔を倒し、ヴァチカンから次なる悪魔祓いを引き受ける。
・トマース・エスキベル神父(演:ダニエル・ゾヴァット)
代表作に『イット・フォローズ』、『ドント・ブリーズ』などがあります。
スペイン人の司教。修道院を修復する作業現場に来て、アメリカから来たジュリアたちに挨拶をした。
ヘンリーが取り憑かれ対応するも役不足で、ガブリエーレ神父が来てサポートをしていた。
過去に結婚寸前までいった恋人がいたが、彼女よりも神を選んだ事から後悔をしている。
ガブリエーレの告白を聞いて罪を赦し悪魔に挑むが、太刀打ちできず追い込まれてしまう。
最後は取り憑かれたガブリエーレを見捨てず悪魔を倒し、二人で残りの悪魔祓いをしていく。
・ヘンリー・バスケス(演:ピーター・デソウザ=フェイオニー)
本作が長編映画デビュー作となります。
ジュリアの息子。1年前に父親を亡くしたショックから一切口を利かなくなるが、体調面は問題がない。
地下室で隠し部屋を見つけた事で悪魔に見つかり、そのまま取り憑かれて自傷行為をした。
しゃべれるようになっていたが、暴言を吐いていて、病院の検査では精神疾患と診断される。
徐々に顔も変異してガブリエーレたちを弄び、姉までを仲間にして一緒に取り憑かれていた。
最後はガブリエーレの犠牲で悪魔が体から出て、ヴァチカンのおかげでアメリカへ帰った。
・エイミー・バスケス(演:ローレル・マースデン)
代表作に『サバイブ/極限死闘』、『ハンガー・ゲーム0』などがあります。
ジュリアの娘。1年前に父親を亡くしているが、それ以上にアメリカからスペインに来た事に不満を持つ。
母親から弟の面倒を見るように言われるが、無視するが、取り憑かれた事で焦ってしまう。
壁から叩くような音を聞いてビビってしまい、悪魔の力でパニックとなって助けを求めた。
ガブリエーレたちが悪魔と戦っていく中で取り憑かれ、彼の犠牲で勝機を取り戻していた。
最後はガブリエーレの犠牲で悪魔が出て逃げ出し、ヴァチカンのおかげでアメリカに帰った。
・ジュリア・バスケス(演:アレックス・エッソー)
代表作に『セーラ/少女のめざめ』、『ドクター・スリープ』などがあります。
アメリカ人。夫を亡くし、唯一の財産であるスペインの修道院を修復して生活費を得る為に子供たちとやって来た。
息子が父親の死でショックを受けて一切しゃべれなくなり、原因が分からない状態にある。
取り憑かれた息子がしゃべって喜ぶが、異変に気付いてエスキベル神父に助けを求めていた。
ガブリエーレがやって来ると、本物の悪魔に取り憑かれた事で必死になって信仰心を持つ。
最後は娘も取り憑かれるがガブリエーレに助けられ、ヴァチカンのおかげでアメリカに帰る。
・ルムンバ司教(演:コーネル・ジョン)
代表作に『ターミネーター2018』、『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』などがあります。
ヴァチカンに所属する黒人の司教。ヴァチカン内で記事が問題になっていたガブリエーレの唯一の味方となる。
ガブリエーレが勝手に悪魔祓いした公聴会の前に彼の前に来て、味方をすると宣言していた。
公聴会では一方的に責められていたガブリエーレに対し、擁護する意見を出して助けた。
ローマ教皇が倒れてベッドで治療を受ける間、なんとか回復を願ってベッドで見守っていた。
最後は枢機卿の休暇に入って代わりに昇格して、ガブリエーレに悪魔祓いを頼んでいた。
・ローマ教皇(演:フランコ・ネロ)
代表作に『続・荒野の用心棒』、『ガンマン』などがあります。
カトリック教会のローマ教皇。ガブリエーレを主席エクソシストに任命した張本人。病気を患っている。
体が弱っているが気力は衰えておらず、悪魔が存在を確信してガブリエーレに任せている。
スペインの修道院でヘンリーが取り憑かれたと知り、ガブリエーレに悪魔祓いを頼んでいた。
ガブリエーレが悪魔祓いをしている間、過去の書物を探っていたが全部塗り潰されていた。
最後は倒れるもガブリエーレたちが悪魔を葬り去り、立ち直って二人に悪魔祓いを任せた。
・アスモデウス(声:ラルフ・アイネソン)
代表作に『ハリー・ポッター』シリーズ、『ウィッチ』などがあります。
「地獄の帝王」で天から堕ちた天使の一人。ジュリアたちが引き継いだ修道院の地下墓地に封印されていた。
過去に魔女裁判が行った時代にエクソシストに取り憑いて、暗黒時代を主導していたという。
ヴァチカンから派遣された監督官があらゆる封印を施し、失敗して共に封印されてしまう。
修復工事で解放されて心の傷を持つヘンリーに取り憑いて、ガブリエーレを指名していた。
最後は名前を知られるもガブリエーレに取り憑くが、トマースの活躍で地獄に戻された。
感想
[個人的な評価]
本作は実在する悪魔祓いのガブリエーレ・アモルトの実話を原作にした作品です。
この作品は『ガンズ&ゴールド』や『オーヴァーロード』で知られるジュリアス・エイヴァリーが監督を務めています。
キリスト教による悪魔祓いというテーマは長らく映画で扱われ、特に『エクソシスト』のヒットで一つのジャンルとして確立しました。
それ以降、似たような作品が多く作られてきましたが、正直言って似たりよったり新鮮味がほとんどないと思っています。
何よりテーマがキリスト教のカトリック教会の話しなので、それ以外の宗教や無宗教の人間にとって馴染みがありません。
特に日本人は無宗教の人間が多く、キリスト教の傲慢さが生み出したジャンルという個人的な認識があります。
自分たちが世界の中心という自負心があるキリスト教のファンタジーで、個人的には信じられる部分がほとんどありません。
ですので、現実に起きたと言われてもファンタジーの物語であり、キリスト教の傲慢さにどれだけ付き合えるかだと思っています。
しかしながら、本作はラッセル・クロウの存在が非常に大きく、彼だからこそ退屈なキャラクターを魅力的に仕上げています。
エクソシストというと、清廉潔白で真面目な人物が多い印象だが、少しくだけたラッセル・クロウのキャラクター作りは良かったです。
物語としては『エクソシスト』とほとんど変わらないですが、そこはラッセル・クロウだからこそ退屈させない存在感があったと思います。
どうやらすでに続編が決まっているので、これは当然の流れであって、シリーズ化するだけの説得力がある良作でした。
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