【凶悪】VD-502

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作品データ

公開年月 2013/09/21
ジャンル サスペンス
原作 新潮45編集部編 『凶悪/ある死刑囚の告発』
監督 白石和彌
脚本 高橋泉、白石和彌
製作 鳥羽乾二郎、十二村幹男、ほか
製作国 日本
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

スクープ雑誌「明潮24」に東京拘置所に収監中の死刑囚・須藤から一通の手紙が届く。
記者の藤井は上司から須藤に面会して話しを聞いて来るように命じられ、そこで警察も知らない余罪と首謀者の木村という男の存在を聞かされる。
木村を追い詰めたい須藤の告発に藤井は半信半疑ながら、取材を進めていると彼の話しに信憑性があると気付いていくのだった。

登場人物&出演者

藤井修一(演:山田孝之)

近年に出演作に『ゾッキ』、『新解釈・三国志』があります。

主人公。「明潮24」の記者。認知症となった母親を妻に任せっきりで須藤の事件を取材する。

死刑になる須藤から余罪を聞かされ、「先生」と呼ぶ木村を告発する為に取材する。
当初は上司から取材の許可が降りなかったが、裏付けが取れる資料で記事にした。
須藤に利用された事が分かっても反論せず、母親の存在で妻との離婚危機まで迎えた。
最後は木村が無期懲役で追い詰めると宣言し、母親を施設に入れて妻との離婚を回避。

藤井洋子(演:池脇千鶴)

代表作に『ジョゼと虎と魚たち』、『万引き家族』などがあります。

藤井の妻。認知症となった義母の介護に疲れ、施設に入れるべきと相談してもはぐらかされる。

須藤の取材にのめり込んで遅く帰る修一に対し、同じ行動を繰り返す義母の話しをする。
義母が夜中に食べているのを止めるが、殴られる現場を修一が見ても何もせずに呆れる。
修一の記事に皮肉を言って介護は限界だと言って、離婚届を見せて選択を強く迫った。
最後は修一が母親を施設に入れる事になって、辛うじて離婚だけはせずに留まった。

芝川理恵(演:村岡希美)

代表作に『黄昏流星群/星のレストラン』、『クライマーズ・ハイ』などがあります。

「明潮24」の編集長で藤井の上司。須藤からの手紙か届くと藤井に取材を任せた。

藤井が須藤の取材を続けていたが、よくある事件だとして続行の許可を出さなかった。
勝手に取材していた藤井の主張を受けるが、それより不倫取材を頼んでいた。
資料を揃えて警察に向かうも拒否され、頭に来て藤井に記事を書く事を許可した。
最後はまだ入れ込む藤井に雑誌の売上が上がって、記者としてよくやったと褒めた。

牛場悟(演:じじ・ぶぅ)

代表作に『戦闘少女/血の鉄仮面伝説』、『デッド寿司』などがあります。

「牛場電機設備」の経営者。木村に5000万の借金をしているが、返済できると思っている。

家族から生命保険をかけられ、木村から自殺したように見せかける提案をされてしまう。
木村の下で雑用として働けば借金は返せると思っていたが、須藤に現実を言われる。
最初は仕方ないとして酒を飲まされたが、次第に生きたい気持ちが出て命乞いを始める。
最後は木村によりアルコール度数の高い酒を飲まされ、死ぬと余った時に埋められた。

遠野静江(演:松岡依都美)

代表作に『残穢/住んではいけない部屋』、『万引き家族』などがあります。

須藤の内縁の妻。正式に結婚していないが、須藤との間に星姫という娘がいる。

須藤との信頼関係が崩れた藤井が訪れると、情があって舎弟殺しを後悔していると話す。
娘が隣の部屋にいても平然と須藤と情事をしていて、電話中でも構わずにやっていた。
「先生」とは家族ぐるみの付き合いをしていて、娘にランドセルをプレゼントされた。
最後は死刑となった須田は元気にやっていると藤井に聞かされ、特に悲しむ様子はない。

日野佳政(演:斎藤悠)

代表作に『青い季節』、『図書館戦争』などがあります。

木村から須藤に託された舎弟。まだヤクザの世界に入ったばかりで常にオドオドしている。

須藤のムショ仲間が組長に金を払う問題で、牛場と見張るも居眠りで逃げられる。
実は須藤にさのムショ仲間が金を払ったのはウソと知っていて、黙っていたがバレる。
牛場の死体を木村の持つ土地に埋める時に須藤に脅されると、そのまま逃走してしまう。
最後は須藤と五十嵐に見つかり、恋人が殺され、家に火を放たれて重度の火傷を負う。

五十嵐邦之(演:小林且弥)

代表作に『ビルと動物園』、『ランニング・オン・エンプティ』などがあります。

須藤の舎弟。誰も信用できない須藤にとって一番信頼され、家族ぐるみの付き合いをする。

常に須藤の考えている事を先回りして相手に脅迫紛いに伝え、何かと気遣っている。
家族に見捨てられた牛場の願いで釣り場に連れて行き、須藤の為なら死ねると発言する。
日野の殺人未遂とその恋人の殺害で指名手配となり、昔の仲間に匿うホテルを手配した。
最後は木村の罠にハメられた須藤により、弁解もできないまま呆気なく射殺された。

須藤純次(演:ピエール瀧)

近年に出演作に『ゾッキ』、『ロマンスドール』があります。

死刑囚。元暴力団の組長。「明朝24」に手紙を送って、受け取った藤井の取材を受ける。

首謀者で表に顔が出ない木村を告発するべく、藤井に知っている事をすべて話した。
老人を殺して土地や保険金を巻き上げて儲けていたが、舎弟を殺した事で逮捕された。
藤井の熱心な取材で木村が逮捕されると、自分は生きて罪を償うべきと考え方を変える。
最後は法廷で藤井を利用したと発言し、死刑延長させ、死刑囚ながら懲役20年となる。

木村孝雄(演:リリー・フランキー)

近年に出演作に『騙し絵の牙』、『夏、至るところ』などがあります。

「先生」と呼ばれている不動産のブローカー。須藤と組んで老人を殺害して儲けていた。

弾みで借金を踏み倒そうとした社長を殺すと、須藤に頼んで死体を焼却炉で燃やした。
個人の電気屋から借金があって、返済する為に保険金をかけたジイさんの殺害を受ける。
須藤が指名手配となって励ますが、捜査の手が及ぶ前にトカゲの尻尾切りを敢行した。
最後は藤井の告発で逮捕され、無期懲役となって、いずれ出てくるとして余裕を見せた。

感想

[個人的な評価]

評価 :3/5。

本作は『第37回モントリオール世界映画祭』のフォーカス・オン・ワールドシネマ部門に出品されたいます。
この作品は1999年に実際に起きた凶悪殺人事件『上申書殺人事件』の死刑囚の告発した話がベースになっています。
タイトルがストレートすきると思ったが、これはそのまますぎて文句も言えない。
これまで実話をベースにした作品はたくさんあって、その中でも強烈に記憶に残っているのは『冷たい熱帯魚』となります。
本作はそれに近いような要素を持っていて、人間の命があまりにも軽い扱いに感覚がマヒしてしまうような印象を持たせる。
物語を動かすのは主に三人であるが、事件をすべて明らかにする記者よ藤井に関して、かなり危険な人物のらように思えた。
確かに犯罪を明るみにした功績があるけど、彼の行動理念が自己の正当化にしか見えない。
一度も会った事のない他人の為にそこまでやるのは、目の前にある現実から逃げる為にしか見えなかったです。
そこに正義というモノを盾にした現実逃避にしか感じられず、妻を犠牲にしてまで本来はやる価値がないです。
結局、中途半端に妻を選んだ時点で藤井は記者としての信念は共感できなかった。
物語を動かすキッカケを作った死刑囚の須藤は人を信用できない性格で、これは彼の育ってきた環境のせいだろうと思う。
人殺しを日常的なモノに捉え、仲間を大事に思っている点ではソシオパスの要素がある。
現に裏切った仲間をとことん追い詰めるのは、執着からの短絡的な行動だろう。
そして、本作における「凶悪」を示す木村は正真正銘のサイコパスだと思います。
普段は人の良さそうな雰囲気を出すが、その裏では計算高く人を利用して儲けていく。
この三人、藤井を演じる山田孝之、須藤を演じるピエール瀧、木村を演じるリリー・フランキーは演技とは思えないほどリアルです。
この三人だけで物語が面白くなり、更に重苦しく胸糞な雰囲気を出していました。
ただ、『冷たい熱帯魚』ほどのインパクトがなかったので、そこら辺は惜しいと感じた。

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