作品データ
あらすじ
数千年前に赤い目と黒い目を持つ怪物に対して、釈迦が両目を奪ってそれぞれを東西に封印していた。
赤い目を考古学者のキム教授によって掘り出され、血を捧げた事で復活を遂げて7人の肉体に乗り移りながら黒い目を求めていく。
同じ頃、封印された黒い目を守る僧侶が赤い目の動きに気づき、最後に乗り移る処女菩薩を亡き者にしようと急ぐのだった。
登場人物&出演者
・チョンソク/ジョンフン(演:ナム・ダルム)
代表作に『君に泳げ!』、『いつか家族に』などがあります。
プク山の寺で修行している若い僧侶。黙言という無言を貫く修行を2年間して、筆談で会話をしている。
怪物の赤い目が復活して、ハジョン和尚の遺言に従って黒い目を所持してソナ和尚を探す。
駅で黒い目を奪われてしまい、ソナ和尚を見つけると、食べたいモノを食べさせてもらった。
処女菩薩を殺そうとしたソナ和尚の行動を知って、彼女とプク山まで逃げるも罠と知らず。
最後は赤い目に乗っ取られるが、ソナ和尚が命をとして助け、赤い目を元の場所に戻した。
・ソナ和尚/キム・ジンス(演:イ・ソンミン)
代表作に『弁護人』、『KCIA/南山の部長たち』などがあります。
プク山を離れて肉体労働をして生活していた。ハジョン和尚の役目を引き継ぐはずも逃げてしまっている。
実は過去に妻と子供をチョンソクの母親が起こした交通事故で殺され、ずっと恨みを持つ。
事情を知らなかったチョンソクを育てたが、妻と子供の無念を忘れる事ができずに逃げ出す。
チョンソクがハジョン和尚の訃報を聞かされ、赤い目の復活を知って処女菩薩の殺害を敢行。
最後はホテ刑事に邪魔されるが、赤い目を自分に憑依させて、チョンソクに始末させた。
・ハジョン和尚(演:キム・ユジョン)
代表作に『チェイサー』、『ゴールデンスランバー』などがあります。
プク山の寺に住んでいる老齢の僧侶。釈迦に封印された怪物の黒い目を守る役目を引き継いでいる。
赤い目の復活を感じ取るが、すでに体が病魔に侵されており、死期が近いと察知していた。
遺言として役目を引き継いで出て行ったソナ和尚をチョンソクに探すように言いつけた。
翌日に座った状態で亡くなっていて、ソナ和尚を探して行ったチョンソクの前に現れる。
最後は赤い目に乗っ取られたドンジンに遺体を見つけられ、計画が失敗だと言われてしまう。
・ホテ刑事(演:パク・ヘジュン)
代表作に『ファイ/悪魔に育てられた少年』、『ブリング・ミー・ホーム/尋ね人』などがあります。
奇妙な殺人事件の捜査をしている。常にイライラして説明を受けるが、モタモタされるとブチ切れていた。
被害者が被疑者になるような事件に状況が理解できず、死体がまた見つかってキレていた。
過去に自殺しようとしたドンジンを助けたが、目と足が不自由にした事に責任を感じている。
ドンジンが警官を殺した事を信じられず、一度逃げたソナ和尚が犯人としてプク山に向かう。
最後はドンジンを殺したソナ和尚を負傷させ、赤い目に乗っ取られたチョンソクに殺された。
・ドンジン(演:キム・ドンヨン)
代表作に『偉大な願い』、『7号室』などがあります。
自殺しようとしてテホ刑事に助けられた。後遺症で目と足が悪い。妻と子供がいて懸命に仕事をしていた。
実はテホの上司から使い物にならないとしてクビにするべきだと言われるが、事実を知らず。
テホに助けられた恩を感じていて、何かと一生懸命やっていると主張して安心させていた。
女子高校生を追うソナ和尚を見つけるが、実は生贄になるはずの霊能者に騙されて器になる。
最後は赤い目に乗っ取られてプク山まで来るが、瀕死状態だったソナ和尚に殺されてしまう。
・キム教授(演:チェ・ジノ)
代表作に『コンフェッション/友の告白』、『消された女』などがあります。
考古学者。過去に発掘の偽造したせいで学会から追放状態になっている。汚名返上の新たな発掘をする。
インドとパキスタンの国境にある砂漠で金剛経に記された赤い目が封じられた箱を発見する。
大発見だとして学会へ発表しようとするが、誰にも信じてもらえず赤い目の復活をさせた。
実は過去に瞑想クラブを立ち上げていて、赤い目を復活させる為に人を集めていたという。
最後はエランを引き取って育てたが、すべては赤い目を復活させる為の処女菩薩に仕立てた。
・エラン(演:キム・ユジョン)
代表作に『同窓生』、『大好きだから』などがあります。
処女菩薩と呼ばれる怪物の赤い目が黒い目にたどり着く最後の飛び石。赤い目の復活を感じていた。
赤い目に乗っ取られた人間が近くまでやって来るが、魔除けの手段で遠ざけて助かっていた。
その正体は怪物を復活させる為の生贄となって、キム教授に頼まれて自ら命を捧げていた。
すでに幽霊となっていて、霊能者の近くまでいて、すべての様子を俯瞰した状態で見ていた。
最後はチョンソクを器にするべく怪物に協力するが、結局は裏切って砂漠へ戻っていった。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
ジャンルとしてはホラーとなっていますが、実際はサスペンスの部分が多い作品となります。
やはり、韓国の映画というのは基本的にレベルが高く、エンターテイメントしてしっかりと観客を意識しています。
あくまで内容で惹きつける事を主軸に置いているおかげで、どの作品も一定以上の面白さがあります。
そんな本作は世界を破滅に導く怪物の復活を阻む僧侶の奮闘を描くが、雰囲気が最初から最後まで暗いです。
欧米だと全面的にキリスト教を出していくが、本作は仏教が出てくるけど、そこまで主張をさせていないです。
なので、仏教について分からなくても何が起きているのか分かりやすく提示して、主人公たちが何を目指しているのか分かります。
宗教色の強い映画は欧米だと聖書から表現を引用する場合が多いけど、本作は仏教からの引用はそこまでありません。
ちゃんとサスペンスをやっていて、その中で一瞬のホラーを潜ませる演出が上手く、どうなっていくのか気になります。
中盤まで怪物が行動しているのは分かりますが、直接的な行動を見せないので、終盤にかけて姿を現すタイミングが強烈です。
特に怪物が女子高校生に取り憑いた時、無邪気な表情から不気味な笑顔に変わる瞬間のインパクトは絶大でした。
ただ、全体的に説明不足という感じがしていて、怪物がどれほど危険な存在なのか少し説得力に欠けています。
たった一人の僧侶でなんとなる時点で、そこまでの力を持っているのは疑わしいし、やっている事も非常に回りくどいです。
ベースが何かの神話や伝説ならば説得力を持たせる事ができるはずなので、そっちの方に頼っても良かったじゃないかと思います。
あの女子高校生を中心に物語を構築すれば、本作は強烈なインパクトを生み出して、もっと高い評価に繋がっただけに惜しいと感じました。
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