【スランバーランド】VD-811

作品データ

あらすじ

11歳の少女ニモは、小さな島の灯台で大好きな父親と一緒に暮らしていたが、海の遭難で帰らぬ人となっていた。
落ち込むニモに気の合わない叔父との新しい生活や学校に馴染めず孤独を深める中、大きなシルクハックを被ったツノを生やした奇妙な男が現れる。
フリップと名乗った男はニモが生まれる前の父親の事を知っており、なんでも願いが叶うという宝探しに夢の世界スランバーランドへ旅立つのだった。

登場人物＆出演者

・ニモ（演：マーロウ・バークリー）

代表作に『スピリテッド』などがあります。

主人公。11歳の少女で父親のピーターと灯台で暮らしている。自宅学習をしながら物語や船の乗り方を教えてもらっていた。

父親が海の事故で死亡してしまい、叔父のフィリップと住むも夢の中でフリップに出会う。
スランバーランドの真珠を手に入れれば父親に会えるとして、フリップと冒険の旅に出る。
フリップが現実世界でフィリップだと知り、真実を語るも見捨てられて一人で真珠を探す。
最後は父親と再会を果たし、目覚めたフリップを新たな父親として認めて楽しく暮らしいた。

・フリップ（演：ジェイソン・モモア）

近年の出演作に『スイートガール』、『DUNE/デューン 砂の惑星』などがあります。

夢の国で長年に渡って無法者をしている。立派な角と悪臭を持ち、以前はピーターと大冒険を繰り広げていた。

夢の国にやって来たニモに接触すると、ずっと探していたお宝の地図を強引に要求していた。
現実世界に帰っておらず夢の中で生き続けるが、長くいたせいで記憶をすべて失っている。
ニモから現実世界では冴えない男だと言われてしまい、戻る事を拒否して見捨ててしまう。
最後はニモの危険を知って駆けつけ、真珠で目覚める事でフィリップと一人の人間となった。

・フィリップ（演：クリス・オダウド）

代表作に『ガリバー旅行記』、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』などがあります。

ニモの叔父でピーターの弟。ドアノブなどを売る会社の社長。兄とは疎遠な状態で一度もニモと会った事がない。

ピーターが海での事故で亡くなってしまい、遺言から姪のニモを引き取る事になっていた。
独身で子供との接し方が分からず、傷心のニモとどうやって会話すればいいのか分からない。
つまらない人生のせいで兄と疎遠になったと話すが、実は夢の国にフリップを置いていた。
最後はニモが一人で灯台に向かって助けに行き、フリップと統合してワイルドな男となった。

・ジャマール（演：クリス・デシルバ）

代表作に『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』、『マイ・スパイ』などがあります。

ニモが通う事になった学校の男子クラスメイト。初めて学校に通う事になったニモに色々と説明していた。

リサイクル、模擬国連、陶芸、即興演奏、ローンボウリングなど多数のクラブに所属する。
キノコ部で様子を確かめに地下室で寝ていたニモを見つけると、事情を聞いて黙っていた。
結局、ニモの行動について疑問を持ち、スクールカウンセラーに話して居場所をバラした。
最後は大冒険から帰ってきたニモが現実世界に向かい合い、友人の一人として仲良くなった。

・グリーン（演：ウェルチェ・オピア）

代表作に『The Bad Education Movie』、『When Love Happens Again』などがあります。

潜在意識活性局のエージェント。通称“ドリーム・コップ”と呼ばれ、他人の夢を荒らす無法者を逮捕している。

30年に渡ってフリップを追っているが、なかなか捕まえられず何度も逃げられてしまう。
フリップたちが油断したところでようやく捕まえ、ニモも知っていて現実世界へ帰していた。
脱獄したニモとフリップたちを追いかけるが、結局はガチョウに乗った二人に逃げられる。
最後は真珠の伝説が本物だと知ってニモを認めて、彼女を見逃して後始末の為に立ち去った。

・ピーター（演：カイル・チャンドラー）

近年の出演作に『ゴジラvsコング』、『ミッドナイト・スカイ』などがあります。

ニモの父親。灯台の守り人。ニモが幼い頃に妻を亡くし、男で一人で育てて過去の冒険話や船の乗り方を教えている。

娘とは非常に仲が良く、寝る前に友人のフリップと宝探しに出た冒険の話しを毎回していた。
沿岸警備隊から要請を受けて、荒れる海に出るも翌日に事故死したとして娘に伝わっていた。
伝説の真珠を手に入れた娘によって蘇り、灯台で再会を果たして二人での時間を過ごした。
最後はフリップが目覚めた事を知って、覚悟を決めた娘に弟を任せるとして笑顔で別れた。

感想

［個人的な評価］

本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品はウィンザー・マッケイのコミック『夢の国のリトル・ニモ』が原作となります。
Netflixの映画というのはオリジナルがほぼ全滅しているような状態ですが、本作のように原作付きの作品もあります。
ただ、金をかけているワリに当たりというのは少なく、今回はジェイソン・モモアが出ているという事で鑑賞してみした。
しかし、Netflixという事で金をかけているが、元々の原作が面白い事もあるが、実写映画化としても上手くいっていました。
注目していたジェイソン・モモアのコミカルな動きは面白く、現実世界での地味な男と正反対でインパクトが強かったです。
そして、何より本作で大きな収穫を得たのは主人公であるニモを演じたマーロウ・バークリーという若き女優の存在でしょう。
将来が楽しみになるほどの美形であり、進む道さえ間違えなければ、確実にハリウッドを代表する可能性を秘めている魅力を持っていました。
本作では父親を亡くした少女として登場しているが、仲の良さから失った悲しみと、現実世界から夢の国に依存していく心理状態が伝わってきます。
主人公は自宅学習をしていたせいで世間とはあまり関わらなかったが、実は父親の教育こそが社会で生きていく為だと知った点も良かったです。
何より本作では新たな人生を歩む為、一度も会った事がなかった叔父との関わりと夢の国での関わりを上手く繋げていたと思います。
平凡な男だった叔父がそうなった理由と、主人公が夢の国で大冒険を繰り広げる相棒との関係性の設定が非常に秀逸で効果的と感じました。
もっと世界観としての設定が深いだろうが、あくまで本作はアドベンチャー映画として小難しい事を潔く切り捨てた判断も良かったと思います。
さすがに続編を作るのは難しいかもしれないが、ジェイソン・モモアとマーロウ・バークリーがまた演じるなら作って欲しいと思いました。