作品データ
公開年月 | 2021/10/08 |
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ジャンル | サスペンス |
原作 | なし |
監督 | レガス・バヌテジャ |
脚本 | レガス・バヌテジャ |
製作 | アジス・ディビョ、アディ・エカタマ |
製作国 | インドネシア |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
ジャカルタで大学に通うスールは、マタハリ劇団に所属してウェブを担当していた。
ある日、マタハリ劇団は演劇祭で優勝し、京都のコンクールの参加権を得て、翌日には脚本家で金持ちの学生ラマの家でパーティをしていた。
スールは次の日、パーティからどうやって自宅に戻ったのか覚えておらず、奨学金の面談へ行くと、酔い潰れた自分の姿がSNSに出回っていると知るのだった。
登場人物&出演者

代表作に『Rompis』、『Kukira Kau Rumah』などがあります。
主人公。女子大学生で「マタハリ劇団」でウェブを担当している。コンピューターサイエンスを専攻している。
ラマの家でパーティに行くと、泥酔した姿がSNSに拡散され、結果的に奨学金も失ってしまう。
両親にも家から追い出され、自分のせいじゃないと信じて、アミンの家で犯人探しをしていた。
タリクを疑うも無実と知って信用を失い、ラマが犯人でアミンが協力していた事でブチ切れる。
最後はファラたちの協力で証拠を集めるも失敗するが、めげずにコピーをバラ撒いて戦った。

代表作に『悪魔に呼ばれる前に』、『ASIH 2』などがあります。
夫とともに「バカロ食堂」を営んでいる。営業中は接客などをして、何もしない夫の代わりに働いている。
娘が「マタハリ劇団」で楽しんでいる事を認めていて、コンピューターに詳しい事に感心する。
遅く帰ってきた上にSNSで泥酔した姿、それで奨学金が打ち切られた事に心底ガッカリする。
娘が必死に被害を訴えても何も言えなかったが、帰りに実際に何が起きたか知って理解した。
最後は診療所に娘を連れていき、誰よりも信じて父親はなんとかすると話して家へ戻った。

代表作に『Behind 98』、『Paranoia』などがあります。
妻とともに「バカロ食堂」を営んでいる。営業中はスマホで何かの番組をずっと鑑賞している。
娘が「マタハリ劇団」でムダに時間を使っているとして、辞めるべきだとずっと考えている。
ラマの家でパーティがあって、仕事の面接だと言われるが、肌の露出が多いと注意していた。
娘が被害を訴えても聞く耳を持たず、弁護士とやって来たラマに対して必死に謝罪してしまう。
最後は娘がラマに謝罪する動画を見守り、特に声をかける事なくさっさと家に帰っていった。

代表作に『May the Devil Take You Too』、『Cadet 1947』などがあります。
女子大生。以前は「マタハリ劇団」に写真を担当していた。今は辞めて男遊びしている噂が目立つ。
写真のコピーをする為にアミンの印刷屋へやって来て、彼が酒を持っていると遊びに来ていた。
両親に追い出されて一緒に住んでいたスールの存在に気づくが、直接何も言わずに見逃した。
実は過去にスールと同様にラマに裸の写真を撮られるが、誰も真剣に聞いてもえずにいた。
最後は同じ被害に遭ったスールに協力し、ラマの悪事を暴くコピーをバラ撒いて仲間を集めた。

代表作に『Danur 3: Sunyaruri』、『Cadet 1947』などがあります。
印刷屋をやっている。スールとは友人で何かと相談される。以前は論文を売って金儲けをしていた。
「マタハリ劇団」が京都行きが決まると、スールに誘われてラマの家で行うパーティに行った。
泥酔したスールと一緒に帰ろうとするも拒否られ、一人で帰るも彼女のSNS拡散を知らない。
実はラマにコピーした女子大生の写真を渡していて、彼のインスピレーションを手伝っていた。
最後はスールたちと縁を切られて、コピー機を持ち出されてラマの悪事を暴露する協力をした。

代表作に『マルリナの明日』、『グンダラ/ライズ・オブ・ヒーロー』などがあります。
「マタハリ劇団」で監督を担当している。誰よりも劇団を大切に思っていて、大きな家族であると認知している。
京都行きが決まってラマの家でパーティをすると、新人のスールに酒を勧めて楽しんでいた。
スールがSNSの被害を訴えると、親身となって原因を探ろうとしてみんなに協力を仰いだ。
監視カメラから疑われたタリクが無実と分かり、スールに対する不信感を持ってしまう。
最後はスールたちがバラ撒いた証拠のコピーを見て、ラマを殴り倒し、劇団の崩壊に号泣した。

代表作に『恋に落ちない世界』、『Letter from Death』などがあります。
「マタハリ劇団」で製作責任者を担当する。スケジュール通りに物事が進むように何かと忙しく動き回る。
ラマの豪邸でパーティでイッキ飲みゲームの指名をして、そのせいでスールに疑われてしまう。
監視カメラで確認して無実が明らかになると、尻拭いをする事にブチ切れてその場を立ち去る。
実はスールと同じく被害を受けていて、ラマが犯人でも訴えられないとして頭を抱えていた。
最後はブルハンがラマのグルだと判明し、悪事を暴く為にスールたちのバラ撒きを手伝った。

代表作に『The Queen of Black Magic』、『At Stake』などがあります。
「マタハリ劇団」で脚本を担当している。実家が金持ち。常に冷静で新人のスールに優しく接している。
京都行きが決まり家でパーティを開催するが、泥酔したスールの姿が拡散されて協力をする。
監視カメラで疑われたタリクの姿を見せ、納得ができないスールにリモコンを手渡していた。
その正体はインスピレーションを得るべく、女の子を無意識にさせて背中の写真を撮っていた。
最後は金の力でスールたちを封じ込めようとするが、証拠をバラ撒かれてアングンに殴られた。

代表作に『One Day When the Rain Falls』、『Jokowi』などがあります。
タクシードライバー。ラマの豪邸で行った「マタハリ劇団」のパーティで泥酔したスールを家まで送り届けた。
SNSの写真を拡散した犯人を探すスールに突き止められ、話しを聞く為に会社から呼ばれた。
すぐに会社へやって来て1時間も停車したのはタイヤのパンクで、雨の中で交換をしたという。
実は秘かにラマの悪行をスマホで撮っていて、疑ったスールたちに奪われて証拠にされる。
最後はラマが部下を引き連れて診療所に来て助け出され、スマホを燃やされて証拠を隠滅した。
感想
[個人的な評価]
本作は『第26回釜山国際映画祭』のニューカレントコンペティションで上映されました。
この作品はレガス・バヌテジャ監督にとって長編映画デビュー作となります。
現代のインドネシアにおける男尊女卑が未だに続いていて、女性はどんな仕打ちを受けても男性に負けてしまう。
主人公の家族が典型的な姿で、父親が家の中で一番力を持っていて、何をしても母親は止める事ができません。
イスラム教がほとんど占めるインドネシアなので、飲酒や女性が肌を露出する事について非常に厳しいようです。
なので、本作がアメリカだったらハッキリと主人公はレイプされた展開になるが、残念ながら本作は裸を写真で撮られたのが限度になっている。
それでも、違和感を持つ主人公が自らSNSに泥酔した姿を拡散したワケじゃなく、誰かの仕業として信じて貫き通したのは印象的です。
インドネシアの女性はそういう声を上げるのは難しいようなので、本作は少しでも問題を提議させる為に演出していました。
少ない証拠からSNSに写真を拡散した犯人を突き止めるが、お金の力で封じ込められそうになったが、それでも一歩も引かない主人公の強い意志が感じられました。
ただ、個人的に問題の出発点が主人公の軽率な行動であって、完全に身から出た錆だとしか言えない原因に同情はできません。
確かに泥酔して意識がない状態で裸の写真を撮られるのは許されないが、そのような状態になったのは自分のせいである大前提を棚上げにしています。
この出発点をもう少し一方的で不可抗力の結果ならば同情できるが、劇団の新人でみんなを振り回す姿は傲慢の自己中にしか見えなかったです。
被害に遭った女性が信念を曲げずに戦う姿は素直に素晴らしいが、原因が身から出た錆ではバランスが非常に悪いと感じました。
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