作品データ
あらすじ
ロンドンの骨董屋ジョージは休暇旅行でエドナが運転する車に事故を起こされてしまう。
ジョージはエドナの車に乗って彼女の姉が住む田舎に向かうが、その道中で不気味な男に襲われる。
だが、その男はすでに死んでいる浮浪者で、二人は害虫の攻撃性を刺激して互いに殺し合わせる超音波発生機の実験だと知るのだった。
登場人物&出演者
・ジョージ(演:レイ・ラヴロック)
代表作に『ガラスの部屋』、『バニシング』などがあります。
主人公。骨董屋を経営している。立ち寄ったガソリンスタンドでエドナにバイクを壊される。
すぐに休暇の場所に行きたい為、図々しくエドナの車に乗って運転をして向かう事になる。
マーティンが何者かに殺されてしまい、その容疑者となって事件に巻き込まれてしまう。
エドナと墓場で原因を調べるも襲われると、自力で脱出するも無能な警察に逮捕された。
最後は病院でゾンビ化したエドナを焼き殺すが、マコーミックに射殺され蘇って殺害した。
・エドナ(演:クリスチーヌ・ガルボ)
代表作に『荒野の墓標』、『新・青い体験』などがあります。
ヒロイン。姉がいる片田舎へ向かう。ガソリンスタンドでジョージのバイクを壊してしまう。
弁償を買って出るが、図々しいジョージに車を運転されてもなんとか姉のところに着く。
道中で襲ってきた男が姉の夫を殺した犯人だと主張するが、警察はまったく相手にされず。
ジョージと原因を調べる為に墓場で襲われ、姉の家でもマーティンに襲われて病院に移送。
最後はゾンビとなったケイティたちに襲われ、ゾンビとなってジョージに焼き殺された。
・ケイティ(演:ジャニーヌ・メストレ)
代表作に『凶弾』、『Lenin…The Train』などがあります。
エドナの姉。写真家の夫によって軟禁状態が続く。その原因はヘロインの常用だと判明する。
妹が来るという事で迎えの準備を始めるが、実際は病院へ強制的に入院させられようとした。
ヘロインを摂取しようとした時にガスリーが現れて襲われるが、マーティンに助けを求める。
結果的にマーティンは殺されてしまい、その犯人としてマコーミック警部が決めつけられる。
最後はエドナの様子を見に行くが、ゾンビとなったマーティンに襲われて自身もゾンビに。
・マーティン(演:ホセ・ルイス・リファンテ)
代表作に『Cabezas cortadas』、『The Adventures of Baron Munchausen』などがあります。
エドナの夫。写真家。ヘロインを常用している妻とは険悪な仲で彼女を軟禁状態にしていた。
なぜかケイティの裸を撮った写真を多く保持していて、近くの自然の写真も撮っていた。
ガスリーに襲われるケイティを助けるようとするが、怪力の前に抵抗できず殺される。
ジョージと落ち合うエドナを襲うが、必死の抵抗で車に轢かれて警察により病院へ運ばれる。
最後は死体を次々と蘇らせてケイティを襲い、エドナも襲うがジョージに燃やされて死亡。
・クレイグ(演:ジョルジョ・トレスチーニ)
代表作に『赤い影』、『Ravanello pallido』などがあります。
マコーミック警部の部下。以前はスマートな体型だったが、今は少し太って禁煙している。
警部から証拠品の見張りを任されていたが、ジョージたちによってフィルムを盗まれた。
怪しいと最初から疑うマコーミック警部の命令で、墓場に向かったジョージたちを監視する。
動く死体となったガスリーに襲われるジョージたちを助け、管理人の部屋に避難していた。
最後は外に落とした無線で連絡を取ったが、ガスリーたちに捕まって内臓を食われて死亡。
・マコーミック警部(演:アーサー・ケネディ)
代表作に『ハイ・シェラ』、『ミクロの決死圏』などがあります。
ケイティの夫が何者かに殺された事件でやって来る。妻のケイティが犯人だと決めつける。
その場に偶然居合わせた無関係のジョージを容疑者にするなど、権力を振りかざしイヤな男。
なんとか自分たちで証拠を掴もうとするジョージたちを監視して、証拠品を取り上げる。
ようやくジョージを捕まえると、部下を殺した決めつけて暴力を振るうも逃げられてしまう。
最後は病院にいたジョージを射殺してホテルに帰るが、蘇った彼にあっさりと殺された。
・ガスリー(演:フェルナンド・ヒルベック)
代表作に『みどりの壁』、『グレート・ウォリアーズ/欲望の剣』などがあります。
ケイティたちが住む田舎でホームレスをしていた男。一週間前に川に落ちて溺死している。
姉の家に向かっていたエドナの前に突然現れると、無言に襲おうとするが途中で諦める。
次にヘロインを摂取しようとしたケイティの家に現れ、写真を撮っていたマーティンを殺害。
墓場へ死体の確認に来たジョージたちを襲い、自分の血を使って死体を次々と蘇らせる。
最後は追い詰められたジョージに火を付けられ、全身に炎が燃え移って二度目の死を迎えた。
感想
[個人的な評価]
本作は日本にとって最初に上陸したゾンビ映画となります。
ジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』は日本での公開が見送られていたようです。
ゾンビ映画のパターンを完成させたのはジョージ・A・ロメロ監督ですが、それ以降も多くのゾンビ映画が作られてきました。
本作はその中の一本ですが、日本ではジョージ・A・ロメロ監督の作品が公開されず、事実上劇場で日本初のゾンビ映画となります。
その為、当時はまだ「ゾンビ映画」の認識が定着されておらず、大ヒットした『エクソシスト』と似たような扱いとなっている。
邦題も「悪魔」が付いている事で動く死体というよりは、幽霊や悪霊の類として認識されていたと思います。
そんな本作はイタリアとスペインの製作でありながら、舞台はイギリスの片田舎で、もちろんですが全編英語となっています。
本作のゾンビはクラシック型でゆっくりと迫ってくるが、常人では太刀打ちできないほどの怪力を発揮しています。
更にタイトルが示すように墓場で仲間を増やしていき、典型的なクラシック型として数の暴力で迫ってきます。
ちゃんとカニバリズムが用意されているが、全体的に大人しい構成で激しい描写はあまりなく、静かな中の恐ろしさを描いています。
主人公たちは殺人犯の正体が動く死体だと分かっている一方、警察はまったく信じずに彼らをイカレた連中だと決めつけるところも印象的です。
映画では良く警察は無能だと言われているが、本作はまさにその典型的なパターンでした。
自分たちは正しくて他は間違っているという固定概念の塊で、主人公たちが懸命に警告しても無視する姿にはイライラさせられる。
ただ、ラストではしっかりと警察にもしっぺ返しを食らってくれるのでストレスはそこできちんと発散されます。
現代では多くのゾンビ映画が作られているが、本作のようなクラシックな作品は逆に新鮮な気分にしてくれる良作でした。
リンク
コメント