作品データ
公開年月 | 2021/02/26 |
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ジャンル | アクション/ファンタジー |
原作 | 『封神演義』(モチーフ) |
監督 | チャオ・ジー |
脚本 | モー・チュアン |
製作 | シー・ルー |
製作国 | 中国 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
3000年以上前の世界で絶大な権力を振るった東海龍王の息子・三太子を倒し、百姓を守る為に自ら命を絶った少年神のナタ。
現代、ナタはバイク好きな好青年のリ・ウンショウとして生まれ変わり、仲間と充実した日々を送っていた。
東海龍王の息子・三太子の生まれ変わり三公子が、ナタに前世で殺された恨みを晴らそうと、ウンショウの命を狙い始めるのだった。
登場人物&出演者

代表作に『白蛇:縁起』、『Gui bao zhi bao xiao chuang yu zhou』などがあります。
主人公。改造したバイクでレースをする青年。生活費の為に密輸している。父親と険悪な関係となっている。
年下の友達であるカーシャと常に行動し、同じくバイクレースに参加する蘇君竹に憧れる。
三太子にバイクを取られそうになって、ナタの力を覚醒させるカーシャをケガさせた。
六耳瀰猴に力を操れるように訓練を受けると、死んだ父親の復讐する為に東海龍王を襲撃。
最後はナタに覚醒して東海龍王を倒し津波を止めると、カーシャや蘇君竹と平穏に暮らした。

代表作に『Dark Truths』、『スペース・スウィーパーズ』などがあります。
町で医者をしている女性。雲祥たちが参加するバイクレースに参加してライバルとなっている。
レースで雲祥が勝利して話しかけられると、素直に「おめでとう」というが立ち去った。
三太子に襲われて重傷を負った雲祥たちを助けるが、カーシャの足を仕方なく切断していた。
多くの命を助ける為に医者となるが、助けられない命の方が圧倒的に多い現実に直面する。
最後は東海龍王の人質になるも自力で脱出し、無傷で乗り切って雲祥たちと平穏に暮らす。

代表作に『The Silver Moonlight』、『Found Footage』などがあります。
雲祥を慕っている年下の少女。両親を幼い頃に亡くしていて、雲祥たちと一緒に育っている。
バイクレースに出場する雲祥を応援するが、蘇君竹に憧れる事に対して嫉妬をしていた。
普段は舞台で歌を歌っているが、水を送るパイプが壊れたせいで客入りが今ひとつとなる。
雲祥と家に帰る途中で三太子に絡まれると、力を使われた事でバイクから転倒して足を切断。
最後は町を襲う津波を雲祥が止めて、義足でありながらもバイク乗りとして人生を楽しむ。

代表作に『ママと私のグローイング・プラン』、『Today Has Been Weird』などがあります。
雲祥の兄。密輸取締局に勤めている。別の町に住んでいたが、ワザワザ遠くから戻ってきた。
父親と雲祥の仲が悪いと分かっていて、なんとか二人の間に入るも結局は仲違いしたまま。
三太子に襲われた雲祥に東海龍王が詫びの金を持ってくるが、拒否されて慌てて謝罪した。
東海龍王の放った刺客に追われる雲祥の問題に巻き込まれ、大ケガを負って入院してしまう。
最後は車椅子の状態になって町を津波が襲うが、雲祥に助けられて無事に生還を果たした。

代表作に『白蛇:縁起』などがあります。
独特の仮面を被っている白髪の飄々とした男。雲祥のバイクを改造する腕を認めてやって欲しいと頼み込む。
三太子の襲撃を受けた雲祥を見つけると、カーシャとともに蘇君竹がいる病院まで連れた。
回復した雲祥から質問を受けると、バイクを改造する条件に力の制御を手伝うと約束した。
東海龍王から雲祥を殺すように依頼されるが、遠くの前世に助けられた恩で無視した。
最後はナタとなった雲祥の力を認めると、改造してもらったバイクを一時的に貸してくれた。

代表作に『ナタ/魔童降臨』、『アナザーワールド/イジゲンノカイブツ』などがあります。
徳興グループの御曹司。四大勢力として自負し、気に入ったモノはすべて自分のモノになる傲慢さを持つ。
ひと目で雲祥のバイクを気に入って買い取ろうとしたが、拒否された事でブチ切れていた。
バイクを手に入れようと力づくで奪う為に力を使うが、結果的に雲祥の力を目覚めさせた。
脊髄に機械を埋め込んだ事で記憶をなくしていて、父親から事実を聞いて恨みを持った。
最後は雲祥を倒そうと父親に許しをもらい、龍王に変身するもあっさりと倒されてしまう。

代表作に『Roco Kingdom 3』、『四渡赤水』などがあります。
徳興グループに仕えている秘書。3000年前から東海龍王に従う。古今東西のあらゆる知識を持っている。
ケガを負って病院にいた雲祥たちの前に来ると、詫びの印となる金と名刺を渡していた。
六耳瀰猴がなかなか雲祥を倒せない状況になって、やって来るとその正体を説明していた。
三太子が雲祥を倒そうと意気込むが、以前ナタの生まれ変わりを倒したとして出向いた。
最後は覚醒した雲祥によるナタの炎を防ぎ切れず、そのまま焼かれて部下に運ばれるも死亡。

代表作に『Mo er zhuang yuan bing shi ji』、『Tu zi zhon de huo hu li』などがあります。
徳興グループの会長。四大勢力の一つであり、圧倒的な財力で他の町よりも統制を取っている。
過去に転生したナタによって息子の三太子を殺され、機械を使ってなんとか復活させている。
雲祥がナタの転生だと知ると、あらゆる手段を使って力に覚醒する前に排除しようとした。
実は町の水をすべて奪って保管していたが、強大な力を手に入れる為に行っていたという。
最後は雲祥を圧倒したが、主人公補正によるチートな覚醒によって体を約つかされて死んだ。
感想
[個人的な評価]
本作は中国で大ヒットした『白蛇:縁起』のスタジオ「追光動画」が4年かけて製作された作品となります。
この作品は中国がアニメ映画を本気で作った意気込みがあって、圧倒的な世界観で登場人物たちが派手に立ち回ります。
ベースとなっている『封神演義』を現代風にアレンジしていますが、基本的にその世界観や登場人物を知らないと迷子になってしまう。
実際に『封神演義』を知らない状態で鑑賞したので、途中で語られる専門用語は一度では覚えきれません。
何より、あくまで設定として出しているだけで物語に直接関わってくるモノは意外に少なくて身構える意味はあまりなかったです。
ストーリーはどこかで見たような展開であるけど、そこはゼイタクな資金を使ったCGの動きは非常に滑らかである。
アメリカにはピクサーとドリームワークスがあって、日本にはジブリがあるように、中国には追光動画と言えるぐらいの技術を感じました。
近年の中国ではド派手なCGを使った武侠ファンタジーが多く作られているが、そのほとんどが粗悪で質が非常に悪いです。
アニメに関しても中国はそこまで本気でクォリティを求めていないモノが多いけど、本作に関してはしっかりとやっています。
複雑な専門用語さえ無視すれば、単純に映像だけでも楽しめるし、戦闘シーンにも中国らしい派手な演出があります。
ただ、意外にもシリアスな物語でチートな能力を持つ主人公以外の周りにいる人間は基本的にリスクを追っている。
特に主人公を慕う妹的なキャラクターが片足を失くすシーンなんか、とてもアニメ映画とは思えないほど重たいです。
他に主人公の父親は犠牲になったり、兄も車椅子状態になるなど、決して爽快感のあるような内容ではない。
あとは悪役の立ち位置についてですが、凶悪なシステムを作り上げて安定させているのはいいが、崩壊するのは呆気ないです。
主人公に倒される運命にある三太子もあっさり倒れるし、ボスである東海龍王も覚醒されて呆気なく倒されている。
映像や世界観は確かにスゴイだろうが、それを支えるストーリーは今ひとつで、特に主人公のキャラクターに魅力が感じられなかった。
本作は「封神演義」が好きな人ならば楽しめるが、まったく知らない人にはちょっとついて行けない部分が多かったです。
それでも、今後はストーリーをもっと万人受けにすれば、ピクサーやドリームワークス、ジブリに並ぶほどのアニメ映画は作れると思います。
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