作品データ
公開年月 | 2021/09/24 |
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ジャンル | サスペンス |
原作 | なし |
監督 | クォン・オスン |
脚本 | クォン・オスン |
製作 | チョン・ヨンウク、イ・スンニョン |
製作国 | 韓国 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
お客様相談センターで手話部門を担当するギョンミは、自分と同じく聴覚に障碍のある母親と二人暮らしをしている。
ある日、ギョンミは仕事帰りに母親と待ち合わせしていると、駐車場から血を流す若い女性を見つけると、連続殺人鬼のドシクに捕まる。
ギョンミはドシクから逃げ出し、非常ベルを鳴らし管制センターからの問いかけが聞こえず、そこへ妹を探しているという男が現れるのだった。
登場人物&出演者

代表作に『リトル・フォレスト』などがあります。
主人公。聴覚障碍者。コールセンターで手話専門として働いている。母親も聴覚障碍者で二人暮らし。
母親をチェジュ島への旅行に誘い、迎えに行った時にソジョンがドシクに襲われる瞬間を見る。
犯人の顔が分からずドシクが妹を探していると言われ、一緒に警察へ行くと彼が犯人と知る。
家に帰ってからドシクが侵入して逃げ出し、道中で車から出たソジョンを助けて街へ駆け出す。
最後は自らドシクに刺されて彼を危険人物にして警察が射殺し、チェジュ島への旅行を叶えた。

代表作に『殺人者の記憶法』シリーズ、『はちどり』などがあります。
娘のギョンミと同じく聴覚障碍者。仕立て屋で働いている。ちょうど給料日で通常よりも3倍ももらっていた。
ちょうど娘から一緒にチェジュ島への旅行に誘われ、給料を見せびらかそうと急いでいた。
食事しようと先に降りて娘を待っていたが、殺人鬼に追われる娘と再会して警察署へ行った。
妹を探していたドシクをすぐに怪しいと疑うと、バレた彼から脅迫を受けるも娘を助けた。
最後は街へ逃げた娘を追い、ドシクが危険人物として警察に射殺され、チェジュ島に旅行へ。

代表作に『殺人者の記憶法』、『未成年』などがあります。
ジョンタクの妹。両親を亡くしていて父親と母親代わりとなった兄の厳しい態度に毎回振り回される。
デートの為に露出の多い服装で出かけようとして、それを見た兄に止められて仕方なく変えた。
帰り道にドシクが狙って腹部に重傷を負うと、ちょうど通りかかったギョンミに助けを求める。
自力で車から這い出して逃げていたギョンミと遭遇し、兄に連絡して無事に病院へ運ばれた。
最後は後遺症なく腹部のケガが完治して、ギョンミたちとチェジュ島への旅行を楽しんだ。

代表作に『ゴールデンスランバー』、『緑豆の花』などがあります。
警備員として働く元海兵隊。両親を亡くしていて妹のソジョンを心配のタネとして厳しく接していた。
デートに出かけようとしたソジョンの服装を見て、露出が多いとして注意してお金を渡した。
帰ってこない妹を失敗して街に繰り出し、警察署でギョンミが見かけたと知って聞いていた。
ドシクが殺人鬼だと判明するも反撃したせいで勘違いされるが、ギョンミのピンチを助け出す。
最後はギョンミを襲おうとしたドシクを突き飛ばして倒し、チェジュ島に一緒に旅行をした。

代表作に『コンジアム』、『ガール・コップス』などがあります。
連続殺人鬼。バンに様々な服を用意して、夜道を一人で歩く若い女性だけを狙って快楽殺人を楽しんでいた。
ソジョンを狙って重傷を負わせるが、ちょうどギョンミに目撃されて彼女を激しく追撃した。
ギョンミが聴覚障碍者だと知って妹を探す兄として登場し、警察署でジョンタクと揉めて出た。
警察署でギョンミの住所から家に侵入し、殺そうとするも失敗して街まで追いかける事になる。
最後はギョンミが自ら刺されて警察に危険人物と認知され、逆ギレするも射殺されてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は『第20回ニューヨークアジアン映画祭』、『第25回ファンタジア国際映画祭』にて正式出品された作品となります。
この作品は監督と脚本を務めるクォン・オスンにとって長編映画デビュー作となります。
邦題から分かるように本作は主人公が殺人鬼から逃げ回る内容になるが、そこには少しだけ複雑な事情を含めています。
まず、主人公が聴覚障碍者という大きな特徴を持っていて、音を一切聞く事ができないというハンデを持っています。
ただでさえ、世の中を様々な音に包まれているが、聴覚が使えないというのは生きていく上で大きなハンデだと思います。
しかし、聴覚障碍者はそのハンデを思わせないほど努力して健常者と同じぐらい普通に生活している人が多いです。
通常の生活をする分には問題ないだろうが、本作のような特殊な状況になってくると、このハンデは大きな問題となってきます。
聴覚障碍者の多くは音が聞こえないだけじゃなく、言葉を発する事ができない場合もあって、本作の主人公はまさにそうなる。
そうなってくると、他人との意思疎通が手話以外だと筆談になるが、緊急事態になるとそんな事はできない。
なので、目で見える状況でしか伝えられず、連続殺人鬼はサイコパスで知能が高いから、逆手に取られてしまうところがありました。
普通なら悲鳴を上げれば状況が簡単に伝わるけど、主人公はそれができず、人が多い街に出ても助けてもらうどころか危険人物にされてしまう。
ここら辺のなんとも言えないイライラを募らせる部分であり、本作における最大の魅力だと言える演出だと感じました。
あと、関係ない事ですが、韓国女優はみんなキレイな方ばっかりだが、本作の主人公を演じたチン・ギジュは可愛らしさをプラスしていました。
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