作品データ
あらすじ
精神を病んだ父親ジェフリーによって深い森の山小屋に置き去りにされた幼い姉妹。
5年後、二人だけ奇跡的に生き延びていた姉妹は、ジェフリーの弟ルーカスによって発見される。
ルーカスと恋人のアナベルに引き取られた姉妹は、空想の存在である“ママ”を作って生き延びていた事にドレイファス博士を興味を持つのだった。
登場人物&出演者
・アナベル(演:ジェシカ・チャステイン)
近年の出演作に『AVA/エヴァ』、『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』などがあります。
主人公。ルーカスの恋人。バンドマンでベーシストを担当する。経済的に厳しくてもルーカスとの子供を望んでいた。
ルーカスが5年間も姪たちを探している事を協力し、見つかると一緒に住む事を決意した。
ママのせいでルーカスが昏睡状態になると、彼の養育権を守る為に姪たちとの暮らしを続行する。
行方不明となったドレイファス博士の資料を読み漁り、ヴィクトリアとリリーと打ち解けた。
最後はルーカスと連れ出された姉妹を見つけ、ママからヴィクトリアだけを助ける事になった。
・ルーカス/ジェフリー(演:ニコライ・コスター=ワルドー)
代表作に『ブラックホーク・ダウン』、『キング・オブ・エジプト』などがあります。
ヒロイン。アナベルの恋人でジェフリーとは双子の弟。イラスレーターとして働くも収入が少ない。
5年間も行方不明だった兄や姪たちを探し、経済的な負担を強いられながらもようやく見つける。
ドレイファス博士の提案で姪たちと一緒に住むが、ママによって昏睡状態にされてしまう。
病院で発作を起こすとともに兄から娘たちを助けるよう言われ、退院して山小屋に向かった。
最後はアナベルと合流して姉妹を探し、ママに倒され、目を覚ますとリリーがいなくなっていた。
・ヴィクトリア(演:ミーガン・シャルパンティエ)
代表作に『赤ずきん』、『バイオハザードⅤ/リトリビューション』などがあります。
ジェフリーの長女。メガネをかけている。父親の暴走を理解しないまま車で連れ出されていた。
父親がママによって連れ出されてしまうと、妹のリリーと5年間も森の家で住んでいた。
5年後に見つかってルーカスとアナベルに引き取られ、言葉を思い出しながら社会性を取り戻す。
当初は妹と同じくママに従っていたが、献身的なアナベルによって心を動かされていく。
最後はママに崖まで連れ出され、アナベルの母性に同調し、消えた妹が蝶々になったと知る。
・リリー(演:イザベル・ネリッセ)
代表作に『ジェニーの記憶』、『IT/イット THE END“それ”が見えたら、終わり。』などがあります。
ジェフリーの次女。自分で歩けない赤ん坊。姉のヴィクトリアと同様に何も知らず連れ出されていた。
父親がママに連れ出されると、姉とともに森の家で5年間も暮らして四つん這いで歩いていた。
5年後に見つかってルーカスとアナベルに引き取られ、姉と違って話せなくても意思疎通が可能。
ママを一番だと考えて一緒に遊んでいたが、アナベルの優しさに触れて少しだけ心を開いた。
最後はママに崖まで連れ出され、姉と一緒に行こうとするもできず、消えて蝶々となった。
・ジェラルド・ドレイファス博士(演:ダニエル・カッシュ)
代表作に『エイリアン2』、『トリプルX:再起動』などがあります。
5年後に見つかったヴィクトリアとリリーの精神分析を担当する。親権を持つルーカスたちの味方になる。
経済的に厳しいルーカスたちの為に家を用意し、定期的にヴィクトリアの精神分析をしていた。
ヴィクトリアの言葉に意味を見つけると、独自にママと呼ばれる存在について調査を進めていた。
協力を得てママの正体がイーディスだと知って、ヴィクトリアから狙われている事を知った。
最後は直接話しをしようと山小屋にやって来るが、一方的に襲われて行方不明となってしまう。
・ジーン(演:ジェーン・モファット)
代表作に『フラッシュバック』、『アーバン・レジェンド/死霊都市伝説』などがあります。
ジェフリーの妻の姉。ヴィクトリアとリリーたちが見つかると、ルーカス相手に親権の争いをしていた。
ルーカスがずっと姪たちを探していた事を認めていたが、彼らの経済能力を疑っていた。
結果的にルーカスが親権を持つ事になり、裁判の決定に従うも何かあったら親権を狙っていた。
アナベルが姪に虐待を加えていると考えて、証拠を手に入れようと家に入って写真を撮る。
最後はママに取り憑かれ、ヴィクトリアとリリーを山小屋の崖に連れ出し、肉体が朽ちて死亡。
・ママ/イーディス・ブレナン(演:ハビエル・ボテット)
代表作に『REC/レック』シリーズ、『獣の棲む家』などがあります。
壁の中に住んでいる女性の幽霊。山小屋にやって来たヴィクトリアとリリーを間接的に面倒を見ていた。
アナベルたちに姉妹が優しくすると嫉妬して、様子を探っていたルーカスを昏睡状態にした。
ジーンに乗り移って姉妹たちを山小屋の崖まで連れ出し、自分の世界へ持っていこうとする。
その正体は精神を病み、赤ん坊を連れ出す時に修道女を殺し、逃げる時に崖から飛び降り自殺。
最後はアナベルから亡くした赤ん坊を渡れる諦めず、リリーだけを自分の世界に連れて行った。
感想
[個人的な評価]
本作はアンディ・ムスキエティの短編映画を基に長編映画として製作されました。
この作品はアンディ・ムスキエティが原作、監督、共同脚本と製作を務めています。
なんと言っても、本作はあのギレルモ・デル・トロの目に止まって、彼が製作総指揮の下で製作された作品となります。
物語としては二つの要素を持っていて、まずは幼い姉妹が山小屋で5年間も生き延びていたという展開があります。
これは実際に小さい子供が動物に育てられた事実があって、それを参考しているだろうから、説得力が生まれると思います。
ただ、もう一つの要素として育てたのは動物ではなく、物理的な影響を持てる女性の幽霊という点が大きく違う。
欧米での幽霊や悪霊は日本とは違い、直接的な接触を可能にする場合が多く、本作はまさにそのような設定になっています。
強い恨みやこの世への執着から幽霊が悪霊となって悪影響を及ぼす事は稀じゃないが、本作はそれ以上の母性というのもテーマになっています。
幽霊が赤ん坊を求めた結果、迷い込んだ姉妹を自分の子供として扱うが、そこに生きた人間が邪魔をして暴走を始めてしまう。
当初は乗り気じゃなかった他人の主人公が徐々に母性を発揮し、結果的に片方だけを現世に留める事になりました。
残念ながら妹の方は連れて行かれてしまったが、これはお互いにとっての結末として良かったのかもしれない。
単純な悪霊というところに終わらず、そうなってしまった女性の悲劇が説明され、それでも生きた人間が引き止める構図には納得できると思います。
主人公を演じたジェシカ・チャステインが黒髪になっていますが、やっぱり華やかな赤毛の方が好きだと感じました。
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