作品データ
あらすじ
チーズ製造会社の社長でスイス大統領でもあるマイリは、自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定し、恐怖政治を敷いて独裁者として君臨していた。
それから20年後、アルプスにクラス年頃の女性ハイジは、禁じられていたヤギのチーズを闇で売り捌く恋人のペーターが見せしめに目の前で処刑されてしまう。
唯一の身寄りだった祖父も山小屋ごと爆破され殺されると、愛する者たちを失ったハイジは復讐の為に戦いへ身を投じるのだった。
登場人物&出演者
・ハイジ/アーデルハイド・マイエンフェルト(演:アリス・ルーシー)
代表作に『Junction 9』などがあります。
主人公。アルプスの村で祖父と一緒に暮らしている。恋人のペーターと大人の関係を楽しんで日々を送っている。
ペーターがチーズの闇取引でクノール司令官に処刑され、気に入られると矯正施設に収容。
同房の筋肉女性にしごかれるも諦めず、独房に入っているとフロイラインが来て彼女を殺害。
脱獄すると大地の守護者によって鍛えられ、パトロール隊を倒して存在を見せるも捕まる。
最後は筋肉女性を打ち倒し、大統領の頭をチーズで吹き飛ばすとクララと残党狩りしていく。
・アルペヒ/アルムおんじ(演:デヴィッド・スコフィールド)
代表作に『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『ワルキューレ』などがあります。
ハイジの祖父。20年前にマイリ大統領のチーズ製造会社に反対運動するが、右目と仲間を失ってしまう。
アルプスの村で孫と住んでいたが、その恋人のペーターと付き合う事に問題があると警告。
ハイジがクノール司令官たちに追われると、反撃しようとして家が燃えて死んだと思われた。
実は火事で死んでおらず立ち直ると、過去に反対活動していた仲間を集めて集団を作った。
最後は祭りを襲撃して大統領を倒すが、チーズに冒されて工場を爆破する為に犠牲となった。
・クララ・ゼーゼマン(演:アルマル・G・佐藤)
代表作に『Letters to Paul Morrissey』、『The Three Wise Men: The Truth』などがあります。
矯正施設へハイジと一緒に移送されるアジア系の女性。小柄で気が弱く、捕まった事に絶望感を持つ。
矯正施設に来ても絶望感を持ち牢屋に入ると、出迎えた筋肉質の女性たちに可愛がられる。
脱獄を目指すハイジを頼っていたが、食事の時に筋肉女性と揉めた事で独房に入れられた。
独房の中でずっとチーズを食べた事で洗脳され、脱獄するハイジについて行かず残された。
最後は祭りで筋肉女性に背骨を折られるが、洗脳が解かれてハイジと残党狩りする事になる。
・ペーター(演:ケル・マツェナ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ハイジの恋人。ヤギ飼いでなぜか黒人。ヤギのチーズを無断で売っていて、成金のような姿になっている。
ハイジとは定期的に会っているが、国の法律を破ってチーズを売っている事を内緒にする。
ヤギから取れたチーズに絶対の自信を持ち、高額で外国人に売って大儲けをしていた。
その外国人が捕まり拷問を受けると、あっさりと名前をバラされてクノール司令官に捕まる。
最後は有無を言わせず、みんなの前でクノール司令官によって頭を吹き飛ばされてしまう。
・フロイライン・ロットワイラー(演:カチャ・コルム)
代表作に『Mademoiselle Paradis』、『父子』などがあります。
矯正施設「キャンプ・アルペンブリック」の施設長。国の為に尽くす女性を育てるべく優秀な人材を育てる。
クノール司令官とは親密な関係であるが、表では他人行儀をして部下にもその姿を見せない。
反抗的なハイジが有望だと聞かされているが、そこまでの逸材じゃないと疑っている。
クノール司令官から大統領が早く使い物になるように言われ、ハイジを説得しようとする。
最後は人骨で武器を作ったハイジに首を刺され、大量出血しながらゆっくりと死亡した。
・シュヴィッツゲーベル博士(演:パスカル・ウリ)
代表作に『厨房で逢いましょう』、『Der Goalie bin ig』などがあります。
矯正施設「キャンプ・アルペンブリック」のチーズ主任研究員。マイリ大統領の指示で新たなチーズを開発する。
矯正施設では新たに入所した女性たちが乳糖不耐症なのか、牢屋へ入る前に検査している。
マイリ大統領との食事会では新しいチーズの開発が順調と話すが、急ぐように言われていた。
ついに新しいチーズが完成し、食べた人間を変異させ命令に従う凶暴な兵士にさせていた。
最後は大統領が殺されるとチーズ売りに変装して脱出するが、残党狩りによって殺害された。
・クノール・モルゲンシュテルン司令官(演:マックス・ルドリンガー)
代表作に『厨房で逢いましょう』、『オルガの翼』などがあります。
スイス軍の最高司令官。20年前に反対運動していたアルペヒたちを銃殺させ、彼の右目を奪っている。
チーズを闇取引するペーターを捕まえ処刑すると、ハイジの強気は有望だとして追いかける。
アルペヒの孫と知って逸材だとして家を燃やし、ハイジを矯正施設へ送って大統領に報告。
フロイラインがハイジに殺され、追い詰めるも自殺したと思い大統領に報告して怒られた。
最後は祭りでハイジを処刑しようとするもアルペヒの銃撃で倒れ、彼女によって殺された。
・マイリ大統領(演:キャスパー・ヴァン・ディーン)
近年の出演作に『ファミリー・プレイ』、『ハント・ロワイヤル』などがあります。
スイスの大統領でチーズ製造会社の社長。自社製品のチーズ以外を禁止し、恐怖による政治を行う独裁者。
20年前の反対運動で権力を確実にして、フランスとチーズの契約をして世界征服を狙う。
シュヴィッツゲーベル博士が開発した凶暴化チーズを称賛し、フランスとの契約に踏み切る。
ハイジが反逆するも捕まえ、祭りの見世物にするが勝利すると、工場へ逃げ出していた。
最後はフランス人を凶暴化させるが、ハイジにケツからチーズを注入され頭を爆破された。
感想
[個人的な評価]
本作はヨハネス・ハートマンの児童文学『アルプスの少女ハイジ』をモチーフにしたアクション映画となります。
この作品はヨハネス・ハートマンとサンドロ・クロプシュタインが共同監督を務めています。
クラウドファンディングを使い、世界19カ国538人から約2億9000万の資金を集め、数年かけて作った熱意のある作品となります。
ベースが児童文学の『アルプスの少女ハイジ』であるが、日本でもアニメシリーズとして有名な作品となります。
しかし、本作はそんなハートフルな物語とはまったく違って、エログロのある18禁とも言えるような濃すぎる内容となっている。
なんと言っても、本作は大手映画会社の影響を受けていないので、やりたい事をやっているからバカ映画ながら愛せるタイプとなっています。
いきなり世界観をぶち壊す反対運動と独裁者による虐殺から始まり、ハイジがペーターと肉体関係であるシーンとやり過ぎと言えるぐらいである。
スイスらしくチーズをメインにしているが、他に時計の国として強調している自虐ネタもまた非常に趣味が悪くて面白い。
ペーターが黒人、クララがアジア系になってポリコレ配慮していると思ったら、どっちの扱いもい酷くて皮肉が効いていました。
さすがに大手の映画会社の影響をまったく受けていない作品だと思わせるようなポリコレを揶揄する感じが良かったです。
話しもメチャクチャでハイジが反撃するまでが少し長いが、まさかの大地の守護者という意味不明な存在で鍛えられる点もインディーズらしい雑な作りでした。
徹底的にやりたい事をやる熱意が伝わってくるところがインディーズのいいところだが、整合性がなくなる点も一つのデメリットでもある。
特にハイジが強くなる展開が雑すぎるので、ここはもう少しちゃんとした演出になれば良かったと思ってしまうところがありました。
何よりスイス人は真面目なイメージを持っているが、本作でぶっ飛んだ感じもまたいい意味でやってくれていました。
オチではまだ続くという事になっているが、ぜひとも続編を作って「ハイジ&クララ」の暴れるアクション映画が観たいです。
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