作品データ
あらすじ
1941年、諜報員のビル・サマーズとその従者ジェフは、行方不明となったウェインライト海軍大将を捜索するべく、マックが機長を務める飛行機でカリブ海へ向かう。
嵐で遭難してラジオ放送の電波をキャッチして島に不時着し、一同はウィーン出身のサングレ博士と妻アリス、姪のバーバラと遭遇する。
サングレ博士の正体はスパイであり、ブードゥー教の司祭タマハの術を使い、捕まえた海軍大将から情報を手に入れようとするのだった。
登場人物&出演者
・ジェファーソン・“ジェフ”・ジャクソン(演:マンタン・モアランド)
代表作に『死体に殺された男』、『Captain Tugboat Annie』などがあります。
ビルの執事で黒人。ビビリな性格で常に目を見開いている。飛行機でウェインライト大佐を探す事に危惧していた。
飛行機が島に不時着して墓の上で目覚めると、その不気味さをずっとビルたちに主張する。
サングレ博士から差別的な扱いを受け台所に行くと、ゾンビに遭遇するも見間違いにされる。
知りすぎたせいでサングレ博士の催眠術でゾンビにされるが、召使いの言葉から元に戻った。
最後は儀式を行っていたサングレ博士をビルと邪魔し、二度とゾンビにならないと誓った。
・ビル・サマーズ(演:ジョン・アーチャー)
代表作に『月世界征服』、『楽しき我が家』などがあります。
アメリカの諜報員。マッカーシーや執事のジェフと消息を絶ったウェインライト大佐を飛行機で探していた。
燃料がなくなって飛行機が島に不時着すると、サングレ博士の屋敷を見つけて助けてもらう。
ジェフがずっとゾンビの存在を主張するも信じず、マッカーシーが襲われてようやく信じた。
バーバラが伯母を催眠術で元に戻そうとする現場を勘違いし、マッカーシーが死んだと知る。
最後はジェフと儀式の邪魔をしてマッカーシーたちを助け出し、大佐から事情を聞いていた。
・ジェームズ・“マック”・マッカーシー(演:ディック・パーセル)
代表作に『Gガン』、『西部の顔役』などがあります。
アイルランド人。飛行機のパイロット。消息を絶ったウェインライト大佐を探すべく、ビルたちと海上を飛んでいた。
飛行機の燃料が尽きて島に不時着すると、サングレ博士の屋敷に助けを求めて泊めてもらう。
ジェフがゾンビの存在を主張をしていたが、ビルと同じく実際に見ておらず信じなかった。
台所まで確かめるとゾンビに襲われ、飛行機の無線も盗まれると島を探すも捕まってしまう。
最後はゾンビにされるもビルの言葉でサングレ博士を倒し、銃弾を受けるも軽傷で生還した。
・バーバラ・ウィンスロー(演:ジョーン・ウッドベリー)
代表作に『三面記事の女』、『タイム・トラベラーズ』などがあります。
サングレ博士の姪。オーストリアから一緒に亡命している。サングレ博士に隠れてブランデーを飲んでいた。
マッカーシーたちを紹介されると、いつ出ていくのかと態度の悪い質問をして拒絶していた。
伯母がブードゥーの術にかかってしまい、密かに催眠術を使って元に戻そうと企んでいた。
その現場をビルに見つかって勘違いされると、ゾンビとなったマッカーシーを見つけた。
最後は大佐の情報を得ようと魂を乗り移る器にされるが、ビルたちの乱入によって助かった。
・アリス・サングレ夫人(演:パトリシア・ステイシー)
本作が長編映画デビュー作となります。
サングレ博士の妻。心の病気を患っている。虚空を見つめるような視線で、意思のないような状態で歩き回る。
ビルたちを出迎えたサングレ博士たちの前に来ると、一切の言葉を発さずに紹介されていた。
夜な夜なビルたちの部屋にやって来て、警告する為に2つとないイヤリングを置いていった。
実は大佐から情報を引き出す為に器として使われるが、失敗したせいで意思を奪われていた。
最後はビルたちに危険を知らせようとするが、力尽きて彼らに死んだ状態で発見された。
・ミクロス・サングレ博士(演:ヘンリー・ヴィクター)
代表作に『ホワイト・シャドウ』、『我れ若し王者なりせば』などがあります。
オーストリアから亡命して島に家族と住んでいる。召使いを多く所有し、亡命している身の為に島から出られない。
心の病気を患った妻の治療を行っているが、同時にゾンビの研究をするも秘密にしている。
ゾンビを探し回っているジェフを警戒していて、実際に彼を催眠術にかけて黙らせていた。
実は捕まえた大佐から情報を引き出そうとしたが、失敗して妻の心を壊すも続けていた。
最後は姪を使おうと儀式を行うが、ビルたちの邪魔とマッカーシーの裏切りで勝手に死んだ。
感想
[個人的な評価]
本作は『アカデミー賞』にて作曲賞の劇・喜劇映画音楽賞にノミネートされています。
この作品は『デビル・バット』、『殺人鬼の巨像』などで知られるジーン・ヤーブローが監督を務めています。
あのアカデミー賞にノミネートされるほどの作品という事で期待はしていなかったが、特に秀でて面白いという作品ではなかったです。
上映時間も1時間ちょっとなので、やれる事はほとんどなく、登場人物も多いせいでストーリーも非常に薄かったです。
1941年の映画なので仕方ない部分でもあるけど、主人公やヒロインの立ち位置が曖昧で視点がずっとブレています。
本作で最も活躍していた執事のジェフの視点に固定すれば物語として一貫性があって、もっと分かりやすくなっていたと思います。
ただ、時代として黒人が主人公となる事は絶対にないので、そのせいで中途半端な立ち回りとなって作品全体に影響を与えました。
女優陣たちも華を添える為だけに出ている感じで、必然性がなくて誰でもいいというキャラクター性の薄さも逆効果でした。
役割が分散しているのも失敗であり、登場人物が多せいでラストは強引すぎる苦しい解決になっているのも本作を象徴していました。
同じコミカルな内容のゾンビ映画である『ゴースト・ブレーカーズ』の場合、視点がハッキリしていたから対比すると分かりやすいです。
本当は黒人の執事を主人公にしたかっただろうけど、時代がそれを許さなかったという感じが伝わるゾンビ映画となりました。
それにオマケ程度に使われるブードゥーゾンビも単なるギミックで、適当すぎる扱いもまた本作の中途半端さを象徴していました。
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