【トイレの花子さん新章/花子vsヨースケ】VD-107

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作品データ

公開年月 2016/07/12
ジャンル ホラー
原作 都市伝説 『トイレの花子さん』
監督 鳥居康剛
脚本 植田賢
製作 平野貴之、山口奈津子、ほか
製作国 日本
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

修行の旅に出ていた除霊師見習いの雫音は霊に共感しすぎる未熟な部分があって、師匠の美代から注意されていた。
ある日、ふざけて廃校に忍び込んだロックバンドのメンバーであるミカやジョーたちは肝試しをしたが、参加した友人の亜紀が命を落としてしまう。
邪悪な霊の存在を感じ取った雫音は除霊の為に廃校へ向かうが、そこでは強大な闇の力を持つ悪霊が待ち受けるのだった。

登場人物&出演者

雫音(演:志田友美)

代表作に『脳漿炸裂ガール』、『ザクセスヘブン』などがあります。

主人公。除霊師見習い。霊に対する共感が強く、呑み込まれてしまう危険性を持っている。

小学生の時にトイレの霊と友達となり、除霊しに来た美代の弟子となって修行の旅に出た。
除霊の最中でも霊に対し共感してしまい、それに対して偏見を持つ人間に嫌悪感を持つ。
廃校の除霊を拒んだ美代に代わって乗り込むが、強い力に押されるも泉により助けられる。
最後はヨースケと対決し、花子の力を借りて弱まった彼を除霊して美代の元に送った。

村山優弥(演:杉江大志)

代表作に『メサイア/深紅ノ章』、『羊をかぞえる。』などがあります。

ライブに来た若者。なぜか付いてきた姉がマサトと談笑している事に恐縮している。

ジョーの興味本位で廃校までやって来ると、ヨースケという幽霊に会おうとするもできず。
姉が変死してしまい、それが廃校に来た事が原因だと後悔していて除霊師を依頼した。
勝手に除霊をしてくれた雫音と合流して、廃校にいた姉の霊体に呼びかける為にやって来た。
最後は亡くなった姉からのメッセージを受けて、ようやく溜まっていた気持ちを爆発させた。

村山亜季(演:横山ルリカ)

代表作に『喧嘩番長・劇場版/一年戦争』、『アルプス女学園』などがあります。

ライブに来た弟の優弥に付いてきた姉。恐縮する優弥と違いノリノリでメンバーと会話する。

廃校にやって来たが、途中で気分が悪くなってワゴンで待機するタケルと待つ事になる。
待機していると廃校から悲鳴が聞こえ、急いで駆けつけるがそれで変死してしまう。
廃校にやって来た雫音が霊体の彼女と話すが、自分を殺したのがヨースケだと警告した。
最後はヨースケが除霊され、雫音と来た弟にピアノの音からメッセージを送って笑顔となる。

河嶋泉(演:加藤明子)

代表作に『トモダチゲーム/劇場版FINAL』などがあります。

雫音の前に美代が一緒に修行していた弟子。美代から離れてから全国で除霊活動をする。

過去にヨースケを師匠とともに除霊するが、実の息子に情を出した美代のせいで失敗した。
地元に帰っていた師匠の事情を知って、ヨースケの除霊を美代に進めるが協力を拒まれた。
廃校に行った雫音を助けに行った師匠を後から追い、負けてしまう前になんとか救出した。
最後は過去について尋ねた雫音に話しをして、師匠とは違うやり方で活動を続けると宣言。

水峰美代(演:竹内えり)

代表作に『GACHAPON!』、『コープスパーティー』などがあります。

雫音の師匠。除霊師。代々続く除霊師の名前を受け継ぐ。雫音を弟子に迎え入れる。

霊に強い共感を持ってしまう雫音に注意し、悪霊がどんな恐ろしいモノか説明していた。
地元へ帰ってきた除霊をするが、実はその目的は悪霊となった息子を助けようとする。
勝手に除霊しようとした雫音を助けるも情に負けて、泉によって結局は助け出されていた。
最後は雫音と花子の力で弱まったヨースケを迎え、自らの犠牲によって解放した。

マサト(演:深澤恒太)

本作が長編映画デビュー作となります。

インディーズバンドのギタリスト。ワゴンでは弟に付いてきた姉の亜季と楽しく談笑をしていた。

リーダーであるジョーから常に見下され、実力不足を認識しているせいで何も言えずにいた。
優弥の姉が変死してから除霊師を呼ぶなど、彼を心配する常識的な一面を見せていた。
タケルが一緒に東京へ行こうと誘われていたが、それこそ田舎者として切り捨てていた。
最後はライブハウスに現れたヨースケに追いつめられ、悲鳴とともに殺されてしまう。

タケル(演:市原朋彦)

代表作に『ラストゲーム/最後の早慶戦』、『ドロップ』などがあります。

インディーズバンドのベーシスト。ライブ後に談笑するマサトたちを余所にのんびり休んでいた。

廃校での肝試しでは入る事を拒否して、何かあると言ってワゴンで一人待機した。
実は霊感を持っていてヨースケの危険さを察知して、誰にも言わず無責任に待機していた。
夢は東京で大きなライブハウスで演奏する事だが、誘われたマサトに断られてしまう。
最後はライブハウスに現れたヨースケにより、悪霊の力にあてられて悲鳴とともに死亡した。

ミカ(演:多田愛佳)

代表作に『富江/アンリミテッド』、『Xゲーム2』などがあります。

インディーズバンドのボーカル。リーダーのジョーに対して年下でもタメ口を聞ける立場。

廃校での肝試しではジョーの悪い冗談を流し、いちいち今時の若者言葉で反応していた。
美代が除霊を断るとインチキだとバカにするが、雫音の除霊を受けて素直に感謝する。
最後はライブハウスに現れたヨースケに部屋に閉じ込められ、あっさりと窒息死していた。

ジョー(演:淳士)

ロックバンド「SIAM SHADE」のドラマーで、本作が長編映画デビュー作となります。

インディーズバンドのドラムスでリーダー。マサトのギターテクニックを小バカにしている。

廃校で肝試ししようとして、都市伝説の「ヨースケ」を呼び出す遊びを小バカしながらやる。
優弥の姉が変死してから姿を現さない無責任なクズで、ライブに来ないメンバーに苛立つ。
最後はメンバーが集まらずライブ中止を観客に言おうとしてヨースケに首を折られて死亡。

ヨースケ(演:青山和也)

本作が長編映画デビュー作となります。

都市伝説となっている廃校に潜んでいる悪霊。強力な念力を操って生きている人間に干渉。

実は美代の一人息子で、強い霊感を持ちながら優しい心を持っていたせいで除霊師に向かず。
そのせいで悪霊に取り憑かれてしまい、母親と泉が除霊に失敗した事でトイレの悪霊となる。
次々とバンドメンバーを殺害し、雫音が除霊しようとするも強大な力で跳ね返していた。
最後は花子の力を借りた雫音により除霊され、最後は美代の犠牲で悪霊から解放される。

花子さん(演:遠藤未悠)

本作が長編映画デビュー作となります。

雫音の小学生の時、都市伝説であったが実際に友達となった。主に水を操る事ができる。

師匠の地元にやって来た雫音の存在を察知して、悟られないようにずっと付いてきていた。
雫音が廃校にいたヨースケの除霊に失敗し、襲われる寸前に水を使って彼女を助け出す。
またしても廃校へ向かった雫音に姿をハッキリ見せて、ヨースケを圧倒して追い返した。
最後は雫音の命を奪おうとするヨースケと対峙し、彼の暴走を止めようと力を貸した。

感想

[個人的な評価]

評価 :1.5/5。

本作は有名な都市伝説である『トイレの花子さん』がベースとなっています。
そこに神奈川県の都市伝説でもある『ヨースケくん』を加えたオリジナルの物語となる。
近年はジャパニーズ・ホラーではこの「VSシリーズ」が盛んに製作されています。
ひとえに言うならば、『貞子 vs 伽椰子』の成功から味をしめたのだろうと思われます。
ただ、本ブログで何度か書いていると思いますが、この「VSシリーズ」はB級映画においてメジャーなジャンルである。
すでに出来上がった有名なキャラクターを戦わせるという構図は必然的に面白くなります。
なので、こういう作品のストーリーはあくまで対決するキャラクターたちの為に用意されている事がほとんどです。
あとはそれぞれのキャラクターが持っている魅力をどれだけ上手く引き出すかがポイント。
『貞子 vs 伽椰子』では自然な流れで対決に持ち込めていて、きちんと両者の魅力を引き出しているからヒットしたのでしょう。
しかし、その後に製作されている亜流作品は当然のように低予算で質は高くないです。
そんな本作は都市伝説の『トイレの花子さん』がベースだが、物語の大半はマイナーすぎる『ヨースケくん』が中心になっています。
そもそも、本作で初めて知った『ヨースケくん』だが、どうやら相当の脚色をしています。
主人公の除霊師という胡散臭さしかない設定はもう少しなんとかならないのかと思う。
除霊師はウソではないし、ちゃんといると思うが、本作はあまりにも映画的な脚色をしたせいで逆にウソっぽく見えてしまう。
そのクセに現実的な舞台にしているせいで、余計に胡散臭く見えてしまうというのです。
で、肝心の花子とヨースケが対決するシーンは非常に短く、両者が戦う理由もかなりムリのある設定となっている。
やはり、『貞子 vs 伽椰子』が非常に上手く構成されているだけに本作の雑さが目立つ。
主人公の雫音やミュージシャンたちの演技はそこまで酷くないのに、除霊師の師匠や元弟子の演技が下手すぎて萎えました。
本来なら演技の経験が他の若い出演者よりも長いはずなのに、なぜそこまで下手なのかと驚くほどに緊張感を壊している。
こういう「VSシリーズ」は過度な期待をせず、生暖かく見守るのが正しい鑑賞方法だろう。

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