作品データ
あらすじ
育ての親が何度も変わる複雑な家庭環境で育ったクロビスは、成人してから都会で贋作を描いて売る詐欺師をしていた。
手を組んでいた大物政治家の裏切りで金をすべて奪われ、逃げようとした矢先に疎遠となっていた義理の妹ロハネと再会を果たす。
ロハネが失ったトレーラーを取り戻す為にクロビスは仕方なく協力するが、その度にトラブルに巻き込まれるのだった。
登場人物&出演者
・クロビス(演:マルクス・マジェーラ)
代表作に『Vai que Cola: O Filme』、『Um Tio Quase Perfeito』などがあります。
主人公。母親が幼い頃に離婚して家を出ていくと、そこから次々と親が変わって、最終的にロハネの両親に収まる。
成人してから独り立ちしていき、画家を志望するも贋作しか作れず、金持ちを騙して売っていた。
大物政治家を騙したせいで告発され、逃げようとして妹のロハネと再会して一緒に行動していく。
あらゆる詐欺を働いて大金持ちになるが、ロハネのせいですべてを失って逮捕されてしまう。
最後は司法取引でロハネの罪を被り、18ヶ月の服役を経て、妹の下でウェイターとして働く事に。
・ロハネ(演:サマンタ・シュムーツ)
代表作に『I’m Rich』、『Vai Que Cola 2 – O Começo』などがあります。
クロビスの義理の妹。様々な家族に引き取られ、心を開こうとしなかったクロビスが唯一許した。
ハンバーガーを売るトレーラーで商売をしていたが、警察にバレてトレーラーが没収される。
クロビスに頼んでトレーラーを取り戻そうとするが、まさか兄が詐欺師と知って協力を渋った。
詐欺によって一夜にして金持ちになって調子に乗ってしまい、バレてすべてを失ってしまう。
最後は出所してきた兄を出迎え、取り戻したトレーラーで商売を再開させて一緒に働いていた。
・警視監(演:テルモ・フェルナンデス)
代表作に『Chacrinha: O Velho Guerreiro』、『ディヴィジョン』などがあります。
サンパウロにやって来たクロビスを部下が逮捕し、連れて来られた彼の事情聴取を担当した。
当初は20年の服役だと笑みを浮かべていたが、クロビスから司法取引の話しを聞き出す。
大物政治家であるナルコス上院議員を逮捕できるかもしれないと知り、クロビスに協力させる。
贋作を使って資金洗浄している現場を抑えようとして、クロビスをおとり捜査として使った。
最後はオークションでナルコス上院議員に疑惑をぶつけるも失敗し、クロビスを逮捕する事に。
・フォルトナト(演:ゼカ・カルヴァーリョ)
代表作に『Os Desafinados』、『Solteira Quase Surtando』などがあります。
ナルコス上院議員の手先。クロビスから贋作を買い取りをする。勝手に半額で買おうとしていた。
取引を中止しようとしたクロビスの話しを聞かなかったが、ナルコスに言われて全額で購入した。
クロビスの司法取引を実現するべく、ロハネから贋作を買い取る為に現れて証拠写真を撮られる。
オークションに参加してナルコス上院議員の贋作を高く買い取り、資金洗浄をやっていた。
最後はナルコス上院議員を逮捕できず、買い取りの証拠写真から警視監によって逮捕された。
・ナルコス上院議員(演:エリオ・リベイロ)
代表作に『オルガ』、『Haunted Tales』などがあります。
大物政治家。クロビスから贋作だと知りながら絵画を買い取って、裏で資金洗浄をしていた。
逮捕されたクロビスの司法取引で狙われ、フォルトナトの買い取りの証拠写真を撮られてしまう。
オークションでは出品した絵画を高く買ってもらい、それによって多額の賄賂を資金洗浄する。
最後はクロビスの告発で資金洗浄を警視監に問い詰められるが、あらゆる手を使って逃げた。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
ブラジルの作品となっていますが、どうしてもロドリゴ・アラガォンのグロゲチョな映画を連想してしまいます。
あとは社会問題を取り上げたシリアスな作品を思い浮かぶが、まさかのコメディ映画となります。
この作品は良くも悪くもブラジル人の陽気な性格を反映していて、詐欺師である主人公と巻き込まれる妹の底抜けに明るい感じが伝わる。
主人公が育ってきた環境がなかなか酷いので、そのせいで人を信じられなくなって騙す詐欺師になる過程がダークながら笑える部分がある。
本来なら褒められるような人物ではない主人公だが、義理の妹に対する態度は典型的なツンデレながら家族思いとなっている。
当初は警察から逃げ回って妹が邪魔になるが、彼女の頼みであるトレーラーを取り戻す為に仕方なく協力していくのです。
その妹はマシンガントークのように次々と言葉を出していくが、詐欺を働く兄の行動に少し後ろめたい気持ちを持っている。
ただ、巻き込まれるような状況になって、大都会であるサンパウロで兄顔負けの詐欺師ばりにゼイタクな生活する才能を感じさせる。
全体的にブラックジョークが利いた内容になっているが、特にブラジルへの皮肉を次々と出していく感じが面白いと思います。
確かにブラジルはマトモな国ではないけど、その言葉の裏には愛国心を感じさせる部分がある。
コメディ映画となっているが、大爆笑するような感じではなく、あくまでニヤッとさせる雰囲気になっています。
しかし、ラストでは兄が罪を認めて司法取引であっても服役して、その後は妹のハンバーガーを売るトレーラーの手伝いをして終わります。
この結末に関して兄妹にとってハッピーエンドかもしれないが、悪党を野放し状態にしてまま終わるので、どうにもスッキリしない部分がありました。
それでも、ブラジル人特有の陽気な雰囲気が作品と合っていると思うので、今後はこういうタイプの作品が増えてもいいと思います。
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