作品データ
公開年月 | 2025/01/10 |
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ジャンル | ドラマ/コメディ |
原作 | 久住昌之、谷口ジロー 『孤独のグルメ』 |
監督 | 松重豊 |
脚本 | 田口佳宏、松重豊 |
製作 | 祖父江里奈、小松幸敏、ほか |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
輸入雑貨の貿易商を営む井之頭五郎は、かつての恋人である小雪の娘・千秋からある依頼を受けてフランスへ向かう。
パリに到着するといつもように空腹を満たし、依頼者である千秋の祖父・一郎と会い、子供の頃に飲んだスープをもう一度飲みたい頼みをされる。
わずかなヒントを頼りに究極のスープを求めて、五郎はフランス、韓国、長崎、東京を駆け巡る中で様々な人物や事件に遭遇していくのだった。
登場人物&出演者

近年の出演作に『Cloud/クラウド』、『正体』などがあります。
主人公。個人で輸入雑貨の貿易商を営んでいる。独身で何よりも食事の時間を大切にする信条を持っている。
千秋からの依頼を受けてフランスのパリに到着し、早速とお店を見つけて満腹となっていた。
一郎に絵画を手渡すと、「いっちゃん汁」を飲みたい頼みから長崎県の五島列島へ行く事に。
手がかりを掴むもフェリーが出て、スタンドアップパドルボードを借りるも台風で遭難する。
志穂たちがいるナンプンドで保護されると、島で採れた食材による食事で満足していた。
無事に帰国して集めた素材でスープ作りを始めると、「さんせりて」の店まで顔を出した。
中川の協力を得てスープを作り上げると、「さんせりて」の丼を滝山に頼んで用意した。
スープが完成して中川の「孤高のグルメ」にも出演し、そのおかげで店が繁盛していった。
最後は一郎からスープが違うと言われるも納得し、志穂にスープを送って日常へ戻った。

代表作に『花より男子』、『ばかもの』などがあります。
韓国領の島ナンプンド(南風島)の食品研究施設で働きながら暮らす。ラーメン屋の夫と別居している。
以前はラーメン屋を営んでいたが、夫と店をやるもコロナのせいで潰れて別居している状態。
島で採れた豊富な食材を使ってみんなと料理を作り、満足する五郎を見て仲間と喜んでいた。
夫がやっている店の名刺を渡し、島で採れた昆布と椎茸も渡してスープ探しを応援する。
最後は五郎から届いた夫のスープと丼を見て喜び、みんなにラーメンを作ると言い出した。

近年の出演作に『夏の砂の上』、『THE オリバーな犬、(Gosh!!) このヤロウ MOVIE』などがあります。
「さんせりて」の店主。志穂の夫でまだ店を続けているが、中は活気がなくチャーハンしか売っていない。
五郎がやって来てもぶっきらぼうな接客しかせず、チャーハンを作るも味は絶品であった。
中川やダニエルたちの協力でスープを作ると、忘れていた情熱を取り戻す事になった。
実はドラマを作りたい中川の申し出を引き受けて、宣伝の為にもなるとして出演を承諾。
最後はドラマのヒットで店が繁盛し、五郎が妻にスープと丼を送った事を知らずにいた。

代表作に『コンフィデンスマンJP』シリーズ、『永遠の1分』などがあります。
韓国の海上輸入業者。ナンプンドで本土との連絡係と、女性たちを守る兵士として役割を持っている。
ナンプンドに遭難した五郎を見つけると、中心となって彼を保護して監禁していた。
韓国入国審査官と連絡を取って五郎を本土まで運ぶと、実は日本語が話せると判明する。
五郎が頼んだファンテを母親の墓参りついでに持ってくると、一緒に行動をする事になる。
最後は店主のスープに満足して、五郎からの届け物を志穂たちに渡して役目を果たした。

近年の出演作に『若き見知らぬ者たち』、『八犬伝』などがあります。
「さんせりて」に通っていた青年。以前はラーメンを食べていたが、ずっと通って頼んでいた。
店主に逆ギレされても諦めずに通っていて、五郎の前でも頼み込むもブチ切れられた。
スープ作りの為に五郎と協力するような感じになり、一緒に店主へ頼み込む為に乗り込んだ。
3日後にスープは完成すると言われて素直に信じて、再び訪れるもまたも3日と言われた。
最後は「孤高のグルメ」のディレクターで、ドラマ仕立てとして店に貢献をしていった。

近年の出演作に『かくしごと』、『私たちの声「私の一週間」』などがあります。
小雪の一人娘で祖父の一郎と同居している。祖父が欲しがっていた絵画の為に五郎へ依頼していた。
行き付けの店で食事していた五郎を見つけると、すぐに合流して一緒に自宅へ帰っていった。
祖父から「いっちゃん汁」を飲みたい頼みを五郎が聞くと、ホッとして任せる事にした。
集めた手がかりから素材を知るが、まずは五郎が代わりに作ってみる事でお任せした。
最後は五郎の持たしたスープが違うと言われるが、母親のように作れると言われて承諾した。

代表作に『12人の優しい日本人』、『アウトレイジ』シリーズなどがあります。
小雪の父親で千秋の祖父。孫の千秋とともにフランスのパリで暮らしている。絵画の依頼をしていた。
病気のせいで日本に帰らず、懐かしい故郷の絵画を手にして懐かしさを感じていた。
ついでに母親が作った「いっちゃん汁」を飲みたいと頼み込み、強引に承知してもらった。
実は汁の名前が違っていた事が発覚して、単純に自分の好みが一番だったからだと判明した。
最後は五郎が持たしたスープは美味しぎて違うと話すが、まだ長生きするべきだと宣言した。

代表作に『悪人伝』、『キングメーカー/大統領を作った男』などがあります。
ダニエルから連絡を受けて、旧助羅港で五郎がいると聞いて迎えに行く為にやって来る。
五郎が食事しようとしているところを目撃して、呆れた様子で仕方なく連行をして行った。
すでに五郎が注文して品が運ばれると、仕方ないとして認めるも一緒に食事をせず見ていた。
五郎の食べる姿を見ていて、おいしそうな食事から食べたそうにするもガマンをしていた。
最後はスープが食べ終えるが、焼き魚が出てきた事で呆れてしまって立ち上がっていた。

代表作に『おこげ』、『ゴジラ』シリーズなどがあります。
五郎とは30年来の友人で度々仕事を依頼している。大の甘党で五郎と会う時は必ず甘い物を大量に食べている。
一郎の依頼で「いっちゃん汁」を探す五郎の手伝いをして、九州出身の友人に聞き込みする。
結局は「いっちゃん汁」を知る友人がおらず、役所でのアポイントなどを取っていた。
久しぶりに五郎から連絡があると、店主の為に丼を30個注文するように言われて承知した。
最後は仲間外れを拒み、みんなについて行って、店主からのラーメンを食べて満足していた。
感想
[個人的な評価]
本作は久住昌之が原作でテレビドラマが大ヒットした『孤独のグルメ』の初の実写映画となります。
この作品は松重豊が主演の他に初の監督と共同脚本を務めています。
まさにシリーズの集大成とも言えるような内容でありながら、テレビドラマとはまったく違ったスケールとなっています。
松重豊自身が何度も引退したいと宣言している中で、ついに映画化までするという面白い現象をファンは楽しんでいる。
さすがに松重豊自身も最近ではこのブームを認める事になり、念願であった映画監督も務める夢も叶えている。
内容としてはドラマシリーズとは別物として考えるべきで、ちょっとばかりファンタジーな部分が入っている構成となっている。
現実的にありえないような展開であるが、これが「孤独のグルメ」の雰囲気を壊すようなモノじゃないと思います。
最も長く付き合っている松重豊だからこそ、作品の本質を理解していて何をするべきか分かっているから安心感がある。
スペシャル版とも差別化がしっかり出ているが、どうしても一人舞台だと間が持たないところもカバーしている。
そのせいで主人公である五郎の影が少し薄くなっているが、多分、松重豊は監督に力を入れた影響もあるだろうと思う。
ただ、終盤における五郎の粋な計らいは上手く計算されていて、ちょっとした感動を与えるのは良かったです。
しかも、主人公の五郎がまったく主張せず裏方として動いている点でも、作品の良さを理解している演者だからこそできる芸当だと感じました。
残念ながらテレビドラマシリーズの方はシーズン11までストップしているが、このままシーズン12があるか気になるところです。
今は新しい試みをしているが、個人的には以前のような体制でやってほしいが、もう無理だろうという現実も分かっているだけに少し残念である。
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