作品データ
あらすじ
ミネソタ州ミネアポリスに住むカー・ディーラーのジェリー・ランディガードは、借金返済の為に自分の妻ジーンを誘拐して義父から身代金を手に入れようとした。
実際に誘拐するのは前科者の従業員から紹介された奇妙な二人組のカールとグリムスラッドだったが、隣町まで逃げた彼らは停車を命じた警察官を射殺してしまう。
町の女性警察署長であるマージ・ガンダーソンは事件を追ってミネアポリスに赴くが、その間も狂い始めた計画は次々と犠牲者を産んでいくのだった。
登場人物&出演者
・マージ・ガンダーソン署長(演:フランシス・マクドーマンド)
代表作に『ミシシッピー・バーニング』、『ノマドランド』などがあります。
主人公。ブレイナードの警察署長。妊娠している。町で3人の殺人事件が発生して現場まで向かった。
現場に到着してすぐに状況を分析すると、相手が二人組だと判断して捜査を始めていく。
赤ん坊がお腹にいるせいで常に食事をしているが、着実にカールたちの足取りを掴んでいく。
途中で同級生に会うなどしながら、黒幕であるジェリーにゆっくりである着実に迫った。
最後はカールを処分するゲアを逮捕して事件が解決し、夫の元へ帰って日々の幸せを実感。
・ジェリー・ランディガード(演:ウィリアム・H・メイシー)
近年の出演作に『猿の惑星/キングダム』、『俺らのマブダチ/リッキー・スタニッキー』などがあります。
自動車販売店の営業担当。個人的に大きな借金を抱えており、資産家の義父に援助も頼めないほど窮困。
妻の誘拐を計画して職場の前科者に頼み、カールとゲアの二人組と会って取引をしていた。
投資話を義父が承諾して一度は計画を中止しようとするが、できずにそのまま実行していた。
カールたちが暴走したせいで状況が悪化し、義父まで殺されると追い詰められる事になる。
最後はバレたせいで逃走したが、居場所を簡単に突き止められて踏み込んだ警察に捕まった。
・カール・ショウォルター(演:スティーヴ・ブシェミ)
近年の出演作に『トランスフォーマー/ONE』、『モンスター・ホテル/変身ビームで大パニック!』などがあります。
誘拐を実行する二人組の一人。ジェリーが前科者の従業員から紹介される。小柄で変な顔をしている。
誘拐の時は家を動き回るもジーンに逃げられ、結果的にゲアが捕まえて計画通りに動いた。
警察官や目撃者をゲアが射殺して、まさかの出来事に驚きながらも後始末を任させられた。
前科者の従業員から脅されると、身代金を一人で手に入れるがウェイドの銃撃で顔を負傷。
最後はゲアに金をあげるも要求通りにせず、ブチ切れた彼によってあっさりと殺された。
・ゲア・グリムスラッド(演:ピーター・ストーメア)
近年の出演作に『デイ・シフト』、『ブラッド・チェイサー/呪術捜査線』などがあります。
誘拐を実行する二人組の一人。カールが勝手に連れてきた相棒。ずっと無口で自分の要求だけはハッキリと話す。
基本的に無口でずっとカールがしゃべっていて、自分の要求に対しては強く発言していた。
ジーンの誘拐を実行する時に手を噛まれて心配するが、無事に彼女を捕まえて連れ出した。
道中に警察官から尋問を受けて射殺し、目撃者も追いかけて容赦なく口封じに殺してしまう。
最後はカールを殺害するもマージに見つかり、逃げるも捕まって彼女の質問に答えず。
・ジーン・ランディガード(演:クリステン・ルドルード)
代表作に『カラー・オブ・ハート』、『わたしが美しくなった100の秘密』などがあります。
ジェリーの妻で専業主婦。一人息子がいて平凡な家庭を築いている。実家は金持ちだが頼っていない。
父親がたまに家へやって来て食事などをさせるが、息子の微妙な態度に注意を受けていた。
いつものように家でのんびりしていたが、計画通りにカールたちがやって来て誘拐された。
袋を頭に被せられたせいで何も分からない状況で、カールたちが待機する家で監禁される。
最後は喚き散らしたせいでブチ切れたゲアに殴り倒されてしまい、そのまま死亡していた。
・スタン・グロスマン(演:ラリー・ブランデンバーグ)
代表作に『グランドビューU.S.A.』、『ショーシャンクの空に』などがあります。
ウェイドの顧問会計士。ウェイドの会社の経理を担当しており、投資などに関しても必ず相談を受けている。
ジェリーが持ちかけた投資話対して承諾するが、あくまで自分たちのビジネスだと言い張る。
ジーンが誘拐されると、ジェリーの話しに乗って警察への相談をせずに自分たちで解決する。
誘拐の解決を自分たちに任せるべきだとジェリーを説得し、100万ドルをかき集めていた。
最後はジェリーが黒幕と知らないまま、心配して電話を何度かして連絡を取ろうとした。
・ウェイド・グスタフソン(演:ハーヴ・プレスネル)
代表作に『フェイス/オフ』、『父親たちの星条旗』などがあります。
ジェリーの義父でジーンの父親。資産家で会社を経営している。ジェリーにはあまり期待していない。
ジェリーが持ちかけたビジネスの投資に興味を持ち、彼が主導でやる事を許さずにいた。
娘が誘拐されたと知って身代金を要求されるが、値切ろうとしてスタンにも注意される。
身代金をジェリーが持っていく計画だったが、娘を自分で救い出すと譲らずに現場へ行く。
最後はブチ切れたカールに銃撃され、反撃するも更に逆上させて何発も撃たれて死亡した。
感想
[個人的な評価]
本作はジョエル・コーエンとイーサン・コーエンによるサスペンス映画となります。
この作品は『アカデミー賞』にて主演女優賞、脚本賞で受賞し、作品賞、監督賞、助演男優賞、撮影賞、編集賞にノミネートされています。
元々は実話で1986年にアメリカで起きた「ヘラ・クラフツ殺人事件」をモチーフにしているようです。
コーエン兄弟の作品の特徴としてサスペンスの緊張感がありながらも、適度なブラックジョークを入れてくるところです。
そんな本作はまさしくコーエン兄弟の特徴が最大に発揮されており、殺人事件でありながらもゆったりとした展開となっています。
登場人物たちも今では主演を張られるほど有名人ばっかりで、個性的なキャラクターを上手く演じています。
主人公として事件を捜査するフランシス・マクドーマンドだが、実際に物語を動かしているのウィリアム・H・メイシーとなっています。
やはり、ウィリアム・H・メイシーはこういう頼りない役がピッタリであり、完璧な計画が崩壊して追い込まれる展開が非常に似合っています。
もちろん、実際に動く事となる二人組のスティーヴ・ブシェミとピーター・ストーメアの口達者と無口の対比もまた面白いと言える。
徹底したキャラクター映画であり、物語ものんびりに見えて実は着実に進んでいくところのギャップもまたいいと思います。
ただ、全体的に派手さがなく地味に展開していくので、インパクトが残るようなシーンはあまりないと言えます。
しかしながら、本作では悪い事をしたらちゃんと罰が当たる教訓にもなり、結果的に万事解決してもなんだかスッキリしない感じがありました。
コーエン兄弟の狙いだったかもしれませんが、こう言ったギャップを使ってくる手法はさすがだと言えます。
あとは妊婦を演じたフランシス・マクドーマンドがずっと食べているが、撮影の時は大変だったのだろうと思ってしまいます。
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