作品データ
あらすじ
自閉症の少年オリヴァーは上手くしゃべる事ができず、常に持ち歩くスマホを使って両親と会話をしていた。
ある夜、オリヴァーのスマホに突然栄本がインストールされ、孤独な怪物ラリーが友達を欲しがっているという物語が始まっていく。
オリヴァーが読み進めていくと、不可解な現象が起こり始めてしまい、母親のサラが慰めるも誰かの恐怖を感じるのだった。
登場人物&出演者
・オリヴァー(演:アジー・ロバートソン)
代表作に『15年後のラブソング』、『秘密への招待状』などがあります。
主人公。自閉症のせいで言葉を話せない。普段はスマホのアプリを使って会話し、学校でも特別に許されている。
スマホにインストールされた「孤独なモンスター」というアプリを見て、怪現象に怯える。
母親が友達を作る為にバイロンたちのお泊まり会をするが、ラリーの物語を読まれ出てくる。
ラリーの存在を知った両親によりタブレットが破壊されるが、別の方法で出現して追われる。
最後は母親が身代わりとなり、言葉を話せるようになって、異次元から見守られる事になる。
・サラ(演:ギリアン・ジェイコブス)
代表作に『ヴィジョン/暗闇の来訪者』、『ザ・コントラクター』などがあります。
オリヴァーの母親。息子が発作を起こすと助けるも、一度も目を合わせてもらえず夫にも不満を募らせていた。
医者の勧めで息子に友達を作らせようとお泊まり会をするも、ラリーの出現で失敗していた。
ラリーの物語とバイロンの証言で事実を知って、別居中の夫の元へ行って事情を説明した。
夫がラリーのせいで事故に遭ってしまい、息子を連れて行かない為にモニターを処分した。
最後は息子を守る為に身代わりとなり、異次元からやって来て夜な夜な一緒に遊んでいた。
・マーティ(演:ジョン・ギャラガー・Jr)
代表作に『10/クローバーフィールド・レーン』、『ライリー・ノース/復讐の女神』などがあります。
オリヴァーの父親。駐車係の夜勤として働いている。自閉症の息子に好かれていて、何かと物をあげている。
妻とは息子の病気によって険悪な関係となっていて、毎晩のように口ゲンカをしていた。
ついに別居する事となって家を出て行くが、ラリーに追われる妻と息子が事情を話してくる。
当初は信じなかったが、息子を仕事場へ連れて行って遭遇した事でラリーを危険視した。
最後は事故に遭ってしまう一命を取り留め、妻が身代わりとなった事を知って代役を務める。
・バイロン(演:ウィンズロウ・フェグリー)
代表作に『ナイトブック』、『シング・フォー・ミー、ライル』などがあります。
オリヴァーの同級生。母親同士が友達だった事で以前はオリヴァーと友達になるが、結局はダメになっていた。
金魚のフンたちを引き連れてオリヴァーを呼び出し、詰め寄ってスマホを取り上げて捨てた。
お泊まり会に来てオリヴァーが隠したタブレットから、ラリーの物語を見て襲われていた。
実はオリヴァーに顔を軽く叩かれた時、サラのウソで友達を一方的に切られたと思っていた。
最後はラリーを見た者同士として、固い絆のルールを作ってオリヴァーと再び友達となった。
・ロビン先生(演:エボニー・ブース)
代表作に『The Surrogate』などがあります。
小児専門の精神科医。オリヴァーが自閉症と診断して以来、定期的に通ってゆっくりと治療を施していく。
オリヴァーが言葉を話せない症例に則った治療を施し、彼のペースに合わせて様子を見る。
サラにはオリヴァーが言葉を話せるようになるべく、友達を作る提案をして助言していた。
子供が見る空想を自分たちも見たと話すサラに対して、冷静に良くある事だと受け流した。
最後は順調にオリヴァーのボキャブラリーが増え、しっかりとやるマーティを褒めていた。
感想
[個人的な評価]
本作はジェイコブ・チェイスの短編映画『Lally』を長編映画化した作品となります。
この作品はNetflixでは「ラリー/スマホの中に棲むモノ」という邦題として配信しています。
なぜ邦題を変えているのか今ひとつ理由は分からないが、変更していた方が分かりやすくなっていると思います。
自閉症を持つ主人公というのは決して珍しくないが、子供が演じるには少し難しい役ながらアジー・ロバートソンは無難にこなしていた。
身近にそう言った障がい者の方がいないので、どれだけ苦労しているのか分かりませんが、母親のイライラが募っている事がよく伝わっています。
当初から息子の為に動いていると言いながら、実際は自分を正当化して悲劇のヒロインという印象が強く残っています。
すべては子供の為と言いながら、自分のワガママを貫こうとした結果が避けられる原因になっているとメッセージもありました。
特に自閉症の子供は周囲の空気に敏感なようで、母親が押し付けるモノに彼なりの反発をしていたと分かります。
それで肝心の異次元にいる怪物だが、造形はなかなか悪くないけど、演出が低予算映画そのままなせいで微妙な印象しか残っていません。
何より全体的に画面が暗くて非常に見づらく、もうそれだけでも雰囲気よりも気持ちが萎えてしまう部分がありました。
脚本はこういうジャンルだと限界値ぐらいであるけど、演出はまだ改善の余地があって残念としか思えなかったです。
それにしても、イジメっ子たちはなぜ「三人組」が基本なのか疑問にあって、どの映画であっても必ずリーダー格と金魚のフンがいる。
本作も例外じゃないけど、あくまで対立していた理由が母親のせいで、事実を知ると子供同士が絆を結ぶシーンはなかなか良かったです。
ラストのオチは予想できない部分だったが、果たして自閉症の主人公にとってハッピーエンドなのか怪しいという感じがありました。
やはり、暗黒画面の映画というのはあまり好きではなく、演出や雰囲気よりもハッキリと映像で見せて欲しいと改めて感じました。
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