香港映画と中国映画の違い

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中国映画と香港映画って同じじゃない?

最近、あまり香港映画はみないけど、なんで?

今ではアメリカと肩を並べるほどの「超大国」となった中国と、1997年に香港返還の影響でアジアの映画構図がかなり変わっています

さて、この記事を読めば、アナタは香港映画と中国映画の違いがわかる人になっています。

ワタシは2009年5月25日から『脳内ミニシアター改』というブログで映画のレビューを書き続け、現在は2000本近い数を書き溜めています

更新日:2020/11/07

香港映画と中国映画のザックリとした違い

簡単に言うと、香港映画は香港で作られ、中国映画は中国で作られています

それだけの違いですが、実際は歴史背景や地域差によって別物と言ってもいいでしょう。

極論で言ってしまえば、日本映画と韓国映画、アメリカ映画とイギリス映画というぐらい他国から見たら同じように見えて、その中身はまったく違うのです。

では、香港映画と中国映画の歴史背景について解説しますが、長いので飛ばしても構いません。

香港映画の歴史背景

香港で初の映画製作会社が誕生したのは1922年で、当時はまだサイレント映画でした。

1928年には香港映画を象徴するカンフー映画の原点と呼ばれる剣劇映画「紅蓮寺炎上」が製作され、大ヒットした後に続編となる「青龍寺炎上」や「九龍山の火事」と言った「炎上」シリーズが次々と作られました。

1930年頃からトーキーが香港映画にも流入し、引き続き剣劇映画が製作され、当時は「剣劇映画の黄金時代」を迎えていました。

太平洋戦争終結後、香港映画は広東語と北京語が存在し、長らく相容れない状態が続きます。

そして、ついに香港映画を盛り上げた「ショウ・ブラザーズ」が1959年に設立し、カンフー映画が本格的に登場し、多くの人が知る香港映画の姿を成立させました。

1970年に「ゴールデン・ハーベスト」が設立されると、世界的に有名となった香港スターのブルース・リーを『ドラゴン危機一発』、『ドラゴン怒りの鉄拳』をヒットさせました。

1980年代では「シネマシティ」が設立されると、大ヒットした『男たちの挽歌』により、新たなジャンルとなる香港ノワールを立ち上げて新たな流れを作り出しました。

1997年に香港返還で中国映画に合流すると、多くのスターたちが世界進出をしながら、市場の大きな中国本土へ進出して盛り上がる一方、香港映画は衰退しているような状態になりました。

中国映画の歴史背景

1896年に中国へ持ち込まれ、1896年8月11日の上海でバラエティ映画「act」が上映され、1905年11月には京劇の演目「定軍山」を記録したドキュメンタリーが中国で最初の映画となります。

香港映画よりも早く製作していますが、アメリカ人の技術者による育成で多大な影響を受け、その後は上海を中心に多くの映画を製作されています。

1922年に「明星影片公司」を筆頭に多くの映画が作られ、1930年代に入ってから多くのヒット作を生み出す中で、政治的な介入で事情が大きく変わっていきます。

香港映画と違って中国政府の検閲が入ってしまうため、あくまで国内向けのプロパガンダ作品が多くなり、それ以降は規制がかなり厳しくなります。

1966年から始まった「文化大革命」では更に厳しく制限され、80年代まで続いていきます。

1980年代に入ってから世界でも知られるような映画が製作され、あの巨匠と呼ばれるマーティン・スコセッシからも注目されていました。

近年では中国政府の検閲をすり抜けるアンダーグラウンド的な映画が多く作られ、許可なしにゲリラ撮影をしていくパターンで、主にドキュメンタリーのような作品が台頭していきます。

1978年に「改革開放」で市場経済に移行すると、それまでの社会構造がガラリと変わり、ドキュメンタリー作品の内容も中国国内の情勢を伝えるようになります。

そして、近年では香港返還による多くの監督や役者が中国本土に流れ込み、経済が大きく発展した事も手伝い、現在ではハリウッドにも出資するほどに成長を遂げています。

まだまだ成長過程であり、香港映画のノウハウを取り入れながら、今後はハリウッドに並ぶほどの映画大国になる動くに注目するべきです。

オススメの香港映画と中国映画

上記では少し映画について触れましたが、オススメしたい作品はあります。

これをみれば、アナタも香港映画と中国映画の違いを語る上で、説得力を与える作品たちです。

香港映画オススメ・1 『酔拳2』

まず、一番にオススメしたいのはジャッキー・チェンが主演したカンフー映画。

個人的な思いが非常に強く、もう何度も鑑賞していて、特にラストでの悪役との対決はもはや芸術と感じるぐらいに完成されています。

香港映画オススメ・2 『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』

次にオススメしたいのはレスリー・チャン、ジョイ・ウォン、ウー・マが出演したホラー映画。

ホラーをベースにアクション、ラブロマンス、ミュージカルのジャンルがあって、香港のワイヤーアクションを取りれつつ、実は男女の恋物語というラストもまた悲しくも心にしみる。

香港映画オススメ・3 『男たちの挽歌』

最後にオススメしたいのはチョウ・ユンファが強烈すぎる香港ノワール映画。

まさに香港ノワールの原点にして最高作で、男の友情と熱さをハードボイルドにみせる。

中国映画オススメ・1 『HERO』

まず、オススメしたいのはジェット・リー、マギー・チャン、トニー・レオン、チャン・ツィイーが出演した海外でも有名な武侠映画。

とにかく、美しい映像と達人たちによるアクションと音楽の融合が芸術の域です。

中国映画オススメ・2 『レッドクリフ』

次にオススメしたいのは中国四大古典の『三国志演義』を原作にした作品。

壮大な「赤壁の戦い」を二部構成として、トニー・レオンと金城武のダブル主演に興奮する。

中国映画オススメ・3 『超感染/ファイナル・デッド』

最後にオススメしたいのは中国初のソンビ映画と言っても過言じゃない作品。

ストーリーはまだまだですが、中華料理を貪り食うゾンビたちの姿が印象的です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

香港映画と中国映画というのは「似て非なるもの」であり、香港が返還されるまでまったく別の作品だったという歴史を持っています。

香港返還後、多くの監督や役者たちが中国本土に流入した事で中国映画は盛り上がり、豊富な資金で超大作が次々と作られています。

しかし、香港映画は衰退の一途をたどっており、このまま中国映画に吸収されるでしょう。

ただ、中国映画に香港映画のノウハウが入り込み、相乗効果でハリウッドと肩を並べているが、世界を制する事も決して不可能じゃないだろう。

今後も個人的に中国映画の動向に注目したいです。

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