作品データ
あらすじ
休暇で訪れていたギリシャで、凄惨な自動車事故に巻き込まれたアメリカ人旅行者のベケット。
ベケットは自身が政治的陰謀の渦中にいて、身の危険が迫っている事を知り、アメリカ大使館に助けを求めようとした。
政治的騒乱の中でベケットは、警察と当局の追跡を必死に掻い潜り、大使館を目指す道中で更なる陰謀の奥へハマっていくのだった。
登場人物&出演者
・ベケット(演:ジョン・デヴィッド・ワシントン)
近年の出演作に『マルコム&マリー』、『TENET/テネット』などがあります。
主人公。妻のエイプリルとともにギリシャへ旅行でやって来たアメリカ人。システム統合でプログラマーとして働く。
外国での夫婦だけの旅を満喫していたが、近くで集会が行われる事から別のホテルに移る。
車で移動していた時に横転事故を引き起こし、無人の民家に突っ込んで妻を亡くしてしまう。
何者かに命を狙われて大使館を目指す中で、レナたち活動家に助けられて理由を知った。
最後は大使館もグルで危うく殺されそうになるが、反撃をして誘拐された子供を助け出した。
・エイプリル(演:アリシア・ヴィンキャンデル)
近年の出演作に『アースクエイク/バード』、『世界の涯ての鼓動』などがあります。
ヒロイン。ベケットの妻で画家。ベケットに提案して誰にも知られず夫婦だけでギリシャ旅行をしていた。
ギリシャ語をまったく分からないベケットと違い、多少は話せるようで細かい事を任される。
ホテルの近くで集会が行われる事を聞いて、うるさくなると言われて違うホテルを予約する。
移動している最中にベケットが居眠り運転をして、シートベルトをしなかったせいで死亡。
最後はアメリカ人という事で遺体は大使館に送られ、両親に職人が代わりに連絡をしていた。
・レナ(演:ヴィッキー・クリープス)
代表作に『殺意の薔薇の香り』、『コロニア』などがあります。
ギリシャで国民の為に当選を狙うカラス候補をサポートするドイツ人の女性活動家。
カラス候補の甥が何者かに誘拐され、地元の活動家であるエレニとともにポスターを貼る。
逃げていたベケットに助けを求められると、カラス候補の甥を見たと聞いて匿っていた。
検問所で足止めを食らうと、警察官に狙われているベケットが単独で大使館へ向かっていく。
最後はアジトでベケットが来て、彼の活躍で極右勢力に囚われたカラス候補の甥を見つけた。
・エレニ(演:マリア・ヴォッティ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ギリシャで国民の為に当選を狙うカラス候補をサポートする地元民。レナとともに活動している。
カラス候補の甥が誘拐されてしまい、街中にポスターを貼っていたが店主に文句を言われる。
逃げていたベケットが事情を話してレナが匿うが、彼女と違って怪しいと睨んでいた。
大使館を目指していたが、警察による検問が敷かれると、動けなくなってベケットが降りた。
最後はアジトに来たベケットを見て文句を言うが、彼の忠告で動いたレナに従っていた。
・クセナキス(演:パノス・コロニス)
代表作に『ビフォア・ミッドナイト』、『ストロングマン』などがあります。
ベケットが横転事故を起こして、近くの警察で事情を聞かれた時にやって来た英語のできるベテラン警察官。
何が起きたのか理解できなかったベケットから話しを聞いて、子供を見かけたと耳にした。
横転事故の現場に戻ったベケットが女性に撃たれるが、実は仲間で一緒に命を狙っていた。
大使館を目指すベケットが乗った電車で見つけると、揉み合いになって自分の足を撃った。
最後はカラス候補が殺されると、甥も殺そうと逃げるが、ベケットの追撃に捕まってしまう。
・タイナン(演:ボイド・ホルブルック)
近年の出演作に『ヒーローキッズ』、『月影の下で』などがあります。
ギリシャにあるアメリカ大使館の職員。他の職員からベケットの存在を聞いて事情を聞いていた。
ケガの治療を受けて落ち着いたベケットを私室に呼ぶと、何があったのか細かく聞いていた。
手続きの為に警察へ事情を説明が必要と話すが、実は極右とグルでベケットの命を狙った。
カラス候補の当選はギリシャとして良くないとベケットを追い、何度も逃げれていた。
最後はベケットを追い詰めるが、カラス候補の殺害で解決するも、ボコボコにされてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品は『第74回ロカルノ国際映画祭』にてワールドプレミア上映されています。
なんと言っても、本作の主人公でタイトルにもなっているベケットを演じるジョン・デヴィッド・ワシントンの存在でしょう。
クリストファー・ノーランが監督と脚本を務めた『TENET/テネット』で主演に抜擢され、キャリアが浅いながら注目されています。
そんな本作では知らない国で命を狙われる一般人として登場し、なんとか助かろうと奮闘していく主人公を演じます。
冒頭では夫婦のノンビリとした旅行から一変し、横転事故から妻が亡くなって、自分の命が狙われて逃げないといけない状況になります。
妻の死を悲しむ余裕すらないような追撃に主人公がボロボロになっていくが、その中で親切にも助けてくれる人々の存在も忘れちゃいけない。
ギリシャ語がまったく分からない主人公が大使館にたどり着くが、ここで感じるのは英語が意外にも通じる点だろう。
これがフランスやロシアだったら、英語が分かる人が少ないだろうから、主人公はここまで簡単に大使館へたどり着くと思えなかった。
当然ながら大使館が物語のゴールにならず、親身になってくれる職人もグルというオチは残念ながら分かりやすかったのは痛い。
結局、主人公が命を狙われるのはギリシャの政治事情が絡んでいるが、その説明があまり上手くないせいかスッキリしない。
ここが一番の残念な部分であって、もっとスッキリするような展開にしても良かったじゃないと思うぐらいグダグダな印象が残りました。
それでも、ベケットを演じたジョン・デヴィッド・ワシントンの可能性が見られる作品となりました。
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