作品データ
あらすじ
デトロイトへやって来た就職活動中のテスは翌日に行う面接の為に、「Airbnb」というサイトで予約した民家を訪れていた。
民家には先に予約していた青年のキースが滞在してテスを出迎え、嵐と泊められるホテルがない彼女を引き止めてベッドを譲った。
翌日、地下室の奥に地下道を見つけたテスが何かに追われ、出かけていたキースが戻って確認の為に行くと、そこには彼らを恐怖のどん底に落とす存在が潜むのだった。
登場人物&出演者
・テス・マーシャル(演:ジョージナ・キャンベル)
代表作に『キング・アーサー/2017年版』、『Wildcat』などがあります。
主人公。デトロイトで仕事の面接にやって来た。借りた民家にキースがいてダブルブッキングだと発覚する。
別のホテルがすべて満室で仕方なく泊まると決意し、キースがリサーチ相手と知り意気投合。
翌日には面接も成功して民家に帰ると、地下室を見つけてキースに話して確認をさせていた。
キースがマザーに殺害され逃げられる檻に閉じ込められ、2週間に渡って面倒を見られた。
最後はAJに遭遇して事故で撃たれ、彼の裏切りで高所から落ちるも死なずマザーを射殺。
・キース(演:ビル・スカルスガルド)
近年の出演作に『エターナルズ』、『悪魔はいつもそこに』などがあります。
バーバリー通りの民家に泊まっていた男。後からやって来たテスとダブルブッキングしていると発覚する。
警戒するテスをなんとか安心させようとして、取り繕って彼女にベッドを譲って泊めさせた。
実はテスがリサーチする予定の人物だと分かると、そこから親近感が湧き会話が盛り上がる。
テスが地下室に何かあると言われると、確認する為に一人で入ると更に奥の部屋を見つける。
最後はマザーに襲われてしまい、テスに逃げるように言うも頭を壁に打ち付けられて死亡。
・AJ・キルブライド(演:ジャスティン・ロング)
近年の出演作に『ジェイ&サイレント・ボブ/リブートを阻止せよ!』、『ウェディング・ゲスト』などがあります。
俳優。撮影中のドラマで共演した女優からレイプ被害を訴えられる。無実を晴らす為に裁判で闘うと決意する。
収入がなくなって裁判費用を捻出するべく、所有する民家を売り払おうと勝手に訪れていた。
テスたちの荷物を見て不動産に電話するもあしらわれ、地下室を発見して高値になると知る。
広さを測っている時にマザーに追われ、檻に入るとテスに遭遇するも困惑して連れ出される。
最後はテスを囮にして高所からマザーを落とすが、死んでおらず両目を潰されて殺された。
・アンドレ(演:ジェームズ・バトラー)
代表作に『アイス・プラネット』、『ビッグゲーム/大統領と少年ハンター』などがあります。
バーバリー通りに住んでいるホームレスの男。15年間も住んでいて、町の歴史と棲み着いている化け物を知る。
民家に入ろうとしたテスを見かけると、すぐに追いかけて忠告するも怪しまれて逃げられた。
マザーから逃げて地下室の窓から這い出てきたテスを見て、手伝ってなんとか助けていた。
すぐに逃げるべきだとテスに警告するが、まだ人がいる事を聞いても自分を優先しろと主張。
最後はケガしたテスたちを匿うが、外に出てきたマザーに居場所がバレて呆気なく殺された。
・フランク(演:リチャード・ブレイク)
近年の出演作に『リズム・セクション』、『トレマーズ/地獄島』などがあります。
バーバリー通りの家に住んでいる男。まだ町が発展していた時代から住んでいたが、現在の行方は知られない。
町がまだ活気にあふれていた頃に赤ん坊が生まれる事から、スーパーで買い物をしていた。
気に入った女性を見つけると、水道局員と称して家に入って窓のカギを開けて一度出ていく。
空いている窓から侵入して女性を誘拐し、自分の子供を産ませてマザーを作り出す事になる。
最後は弱っているところをAJが見つけると、警察を呼ぶと知って銃を取り出して自殺した。
・マザー(演:マシュー・パトリック・デイヴィス)
本作が長編映画デビュー作となります。
AJがオーナーとなっている家の地下室に住んでいる怪物。超人的な身体能力を持つも言葉がしゃべれない。
衣服を一切まとっていない状態ながら、暗闇でも目が利いて素早い動きと怪力を持っている。
地下室に来たキースを惨殺すると、テスを見つけて赤ん坊として檻に閉じ込めて面倒を見る。
AJが檻に入って哺乳瓶を上げるも拒否され、無理やり連れ出して母乳を強引に飲ませる。
最後は逃げたAJたちを見つけ殺害し、高所から落ちたテスを心配するも銃で頭を撃たれた。
感想
[個人的な評価]
本作はディズニープラスで独占配信された作品となります。
この作品は『お願い!プレイメイト』や『僕達のヴァージン白書』で知られるザック・クレッガーが監督と脚本を務めています。
最近ではNetflixやアマゾンプライムビデオなどがオリジナルの作品を手がける事が多くなり、順当に成長するディズニープラスも同じです。
ただ、マーベル映画や『スター・ウォーズ』シリーズというイメージが強い中、本作のようなオリジナル映画も増えています。
そんな本作はそこまで期待はしていなかったが、ホラー映画におけるセオリーを平然と打ち破っているところが興味深いです。
ホラー映画の主人公はほぼ女性となっていて、殺人鬼や幽霊と対決してオチで勝敗が分かっていくけど、本作はそれとは大きく違っています。
序盤から中盤までは女性の主人公でありながら、マザーと遭遇してから描写が途絶え、まったく別の人物が物語を動かしていきます。
本来なら最初から最後まで同一の主人公が物語を動かしていくが、本作では途中で交代しながら前の主人公がどうなったのかを描写しています。
設定としては怪物のような超人的な身体能力を持つマザーが地下室に来た人間を捕まえ、赤ん坊のように扱うという点はそこまで珍しくはないです。
根底的な設定にはそこまでの斬新さはないと思いますが、固定概念となった流れを打ち破っているところが面白いと感じました。
交代した主人公と前の主人公が出会って、更にすれ違ってまた遭遇するという予想を裏切る展開に考えるヒマを与えてくれません。
物語の登場人物は片手で数えるほどしかないのに、脚本を上手く練り込み、そこにちょうど合う演出があるからこそ斬新さを感じさせてくれています。
何よりお約束を平然と破ってきているところもいいし、ラストでは70年代を彷彿とさせるあっさりとした終わり方もこだわりを感じさせる。
とにかく、本作は多くのホラー映画を観ている人間の方が予想を裏切られる展開が用意されていて、王道とはまったく違った内容に満足できると思います。
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