【盲目のメロディ/インド式殺人狂騒曲】RE-3476

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作品データ

公開年月 2018/10/05
ジャンル コメディ
原作 オリヴィエ・トレイナー 『ピアノ調律師』
監督 シュリラーム・ラガヴァン
脚本 シュリラーム・ラガヴァン、アリジット・ビシュワース、ほか
製作 スダンシュ・ヴァツ、アジート・アンダーレ、ほか
製作国 インド
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

実は目が見えるのに盲目のフリをしているピアニストのアーカーシュ。
ある日、大スターのプラモードから依頼を受け彼の豪邸を訪れるが、そこでアーカーシュは愛人シミーによって殺害された現場を目撃する。
盲目のフリを貫き、事件に気付かない事にして、アーカーシュはなんとかその場を切り抜けるようするのだった。

登場人物&出演者

アーカーシュ(演:アーユシュマーン・クラーナー)

代表作に『ヨイショ!君と走る日』、『結婚は慎重に!』などがあります。

主人公。ピアニスト。芸術的な刺激を受ける為、盲目だと偽って生活をして音楽に集中しようとした。

そのおかげでソフィと出会って、彼女のレストランでピアノを弾いて人気を博していく。
金を貯めてロンドンのコンテストを目指そうとするが、シミーのせいですべてが台無しに。
スワーニーたちと手を組んでシミーたちを脅すが、結局は狙われて本当に失明してしまう。
最後は命が助かってヨーロッパへ旅立ち、ピアニストとしてレストランで活躍していた。

ソフィ(演:ラーディカー・アープテー)

代表作に『ウェディング・ゲスト/招かざる客』、『パッドマン/5億人の女性を救った男』などがあります。

父親が有名なレストランを経営している。道を渡ろうとしたアーカーシュとぶつかり、そのままコーヒーを奢る。

アーカーシュがピアニストだと聞いて、レストランで弾かせると、そのまま雇っていた。
送り迎えをしているうちにアーカーシュと親しくなるが、実は目が見えると分かってキレた。
アーカーシュを口封じしようとしたシミーの作戦にハマり、彼が浮気したと思って別れた。
最後はヨーロッパでアーカーシュと再会し、コンサートに誘われるも翌日に母国へ帰った。

プラモード(演:アニル・ダワン)

代表作に『Piya Ka Ghar』、『Chetna』などがあります。

インド映画の大スター。過去に多くのヒット作を生み出し、現在は不動産事業で儲かっている。

20歳以上も年下の若い妻であるシミーと再婚を果たし、幸せの絶頂で順風満帆な生活を送る。
シミーとは結婚生活が3年目であるが、未だに娘のダーニーが他人扱いされて困っていた。
ソフィの父親が経営するレストランでアーカーシュの演奏を聞き、才能があると褒めていた。
最後は妻との結婚記念日でサプライズをしようとしたが、浮気現場を目撃して殺された。

スワーニー(演:ザキール・フセイン)

代表作に『スィンガム・リターンズ』、『ファイナル・ラウンド』などがあります。

闇医者。道端に倒れていたアーカーシュが運ばれ、応急処置をして丁寧に扱っていた。

その正体は身寄りのない人間を拉致させ、腎臓などの内蔵を売って金儲けをする危険人物。
アーカーシュの腎臓を二つ取り出そうとしたが、ムルリたちに止められて作戦を聞いた。
捕縛していたシミーが逃げ出して、殺されかけるもアーカーシュに助けられて協力をした。
最後は内蔵移植の為にシミーを連れ出すが、トランクから出てきた彼女に殺されてしまう。

ムルリ(演:パワン・シン)

代表作に『Satya』、『Raja』などがあります。

リキシャの運転手。目が見えないフリをするアーカーシュを何度か乗せていた。

道端に倒れていたアーカーシュを見つけると、ムルリを呼び出してスワーミーの元に届けた。
身寄りがいないアーカーシュの腎臓を売ろうとするが、罪悪感に苛まれて命を助けたがった。
本当に失明したアーカーシュから1千万ルピーが手に入ると聞いて、一緒に作戦を実行した。
最後はマノーハルから金を受け取るが、見つかって銃弾を受けて病院に運ばれるも死亡する。

サクー(演:チャヤー・カダム)

代表作に『ファンドリー』、『君と一緒にいたくて』などがあります。

道端で宝くじを売っていた。殺人を目撃したアーカーシュに宝くじを買おうように話しかけていた。

道端に倒れていたアーカーシュを見つけると、ムルリを呼び出してスワーミーの元に届けた。
アーカーシュの話を親身に聞いていたが、実際は身寄りがないとして腎臓を売る為だった。
本当に失明したアーカーシュから1千万ルピーの話を聞いて、協力して署長を脅していた。
最後は署長の銃弾で重傷となったムルリを病院に送るも死亡し、金を手にして逃げ出した。

ディサ(演:モヒニ・ケーワールラーマニー)

本作が長編映画デビュー作となります。

プラモードの向かいに住んでいる老女。学校の校長で数年前に夫を亡くして一人暮らしをしていた。

結婚記念日のサプライズでアーカーシュがやって来ると、ドアを開けてその様子を見ていた。
プラモードが遺体で発見され葬式をしている時、副署長にシミーがウソをついていると主張。
アーカーシュの前に何者かが先に入っていて、その人間こそがプラモードの殺害犯と話す。
最後は警察から事情聴取を受ける前に、口封じとしてシミーによって突き落とされて死亡。

ラスィカ(演:アシュヴィニー・カルセカール)

代表作に『スィンガム・リターンズ』、『復讐の町』などがあります。

マノーハル署長の妻。ずっと夫に尽くしていたが、裏で浮気されている事をまったく知らなかった。

夫と映画館へ行く予定だったが、猫が逃げたとしてアーカーシュの家に向かってなくなる。
プラモードの殺人事件の真犯人が夫だと知らず、犯人を捕まえたら昇進だと話していた。
アーカーシュたちの脅迫によって夫の浮気を知ると、彼の銃を取って取り乱して撃っていた。
最後は1千万ルピーさえ渡せば終わると思って、夫に後始末をするように頼んでいた。

マノーハル署長(演:マナフ・ヴィジ)

代表作に『不死身のブリジ・モハン』、『グンジャン・サクセナ/夢にはばたいて』などがあります。

警察の署長。筋肉質で立派な体格をしている。実はシミーの浮気相手で長年関係を持っていた。

結婚記念日のサプライズで出かけたはずのプラモードがいて、事故で彼を殺害してしまう。
遺体を川に捨てて事件をもみ消そうとしたが、アーカーシュに目撃されて殺そうと追撃する。
失明したアーカーシュがスワーニーたちと結託され、妻に浮気がバレて1千万ルピーを用意。
最後は金を受け取ったムルリを重傷に追い込むが、エレベーターに閉じ込められてしまう。

シミー(演:タッブー)

代表作に『その名にちなんで』、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』などがあります。

女優でプラモードと再婚した。結婚3年目でも義理の娘から未だに他人のような扱いを受けて困っていた。

プラモードがシミーの演技を常に褒めているが、業界の友人たちに紹介するほどじゃない。
実はマノーハル署長と浮気していて、その現場を見られた事でプラモードを誤って殺す。
目撃者も口封じの為に容赦なく殺していき、アーカーシュを本当に失明させて追い込んだ。
最後はスワーニーを殺害し、車から降ろしたアーカーシュをひき殺そうとして失敗して死ぬ。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作は2010年に公開された短編映画『ピアノ調律師』を基に作られています。
盲目だと偽って暮らしていた主人公だが、その理由は音楽的なセンスを磨く為という純粋な動機でした。
しかし、魅力的な女性と出会ったせいで主人公の動機が徐々に変わり、障害者である事を利用してしまう。
最初は純粋な気持ちで実験的にやっていたが、味をしめてやりたい放題をしていた時点で主人公は善人ではありません。
更にもう一人の主人公と言ってもいい、三流女優のシミーも夫を間違えて亡くしたところから一気に悪女へ変化するところも凄まじい。
三流とは言え、元は女優なので夫を失った悲しみの演技で国民を騙し、邪魔者を口封じする行動力のある悪女でした。
登場する人物は一見して親切のように見えるが、その実は金の為に平気で人間を裏切るというパターンがほとんどでした。
インド映画というのは歌って踊って、楽しくやっている印象があるだけに、本作はまったく違う方向性で驚きました。
何より推測していた展開をことごとく変えてきて、ラストまでどうなっていくのか読めない作品とも言えました。
まさにインド映画でありながら、インド映画とは思えない構成として珍しく、こういう作品も作れる懐の深さを感じさせました。
悪いヤツはロクな最期を迎えないところにスッキリする部分があるけど、微妙な退場になったキャラクターの扱いは少し雑に思えた。
劇場でピアノを弾く場面から自然と歌に繋げる演出は自然で、これはこれでインド映画のようで王道と少し違うところが面白い。
ただ、もっとコミカルな内容を期待していたので、意外にもドロドロとしたドス黒い展開に肩透かしを食らったような印象を持ちました。

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