作品データ
あらすじ
ある日、コンサートの帰りにヴァイオリニストのエレンは何者かに襲われ、目に吹きかけられたスプレーが原因で視力を失ってしまう。
戸惑うエレンの元に介護士のクレイトンが派遣され、彼の指示によって目が見ない生活が開始される。
そんな中、アパートに戻ったエレンの元にメモ帳が入口に置かれ、隣人のラナはそれを見て「誰も信じるな」と言い残して立ち去るのだった。
登場人物&出演者
・エレン・アシュランド(演:マデリン・ペッチ)
代表作に『スリーピングビューティー/眠り姫と悪魔の館』、『ポラロイド』などがあります。
主人公。ヴァイオリニスト。以前は世界的に有名であったが、夫との離婚をきっかけに以前より活動を抑えている。
コンサートの帰りに何者かが両目に液体を浴びせられ、目を覚ますと視力を失っている事を知る。
絶望を持ちながら介護士のクレイトンに支えられ、隣人が暴力を振るわれて助けようとした。
友人が犯人の可能性があると知って、生きる気力を失って自殺しようとするが真実を知った。
最後はクレイトンこそがすべての元凶だと知って倒し、ラナの協力を得て外の世界へ生還する。
・ブライス刑事(演:ジャロッド・クローフォード)
代表作に『Come As You Are』、『Beyond Paradise』などがあります。
視力を奪われたエレンの事件を担当している。エレンからの証言と現場の証拠から犯人を捜索している。
絶望的な状況になっているエレンに新たな生活について助言し、なんとか励まそうとしていた。
エレンが何者かに襲われ、呼び出されて自宅に来ると、事件の容疑者に友人の名前を出していた。
誰も部屋に入った形跡がなく、何も盗まれていない事から、エレンの精神状態を疑っていた。
最後はその正体はブライス刑事というキャラクターを演じていたクレイトンだと判明する。
・ラナ(演:ディセンバー・エンスミンガー)
代表作に『Proof of the Devil 2』、『The Most Excellent and Lamentable Tragedy of Romeo & Juliet』などがあります。
リハビリをするエレンの隣に住んでいる女性。定期的に悲鳴が聞こえて、夫から日常的に暴力を受けている。
気になったエレンがメモ書きでお茶する誘いをして、それに応じて部屋にやって来た。
エレンから夫の暴力を疑われると、聞こえないような声で「誰も信じるな」と言い残して去る。
自殺をしようとして失敗したエレンの元に来ると、バレないように遠回しのヒントを与えていた。
最後はクレイトンの妹だと判明し、兄が失明している間、エレンに協力して彼女を外に出した。
・ルソ(演:リッキー・リー・ジョーンズ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ラナの夫。通気孔からラナと言い争う声が聞こえて、エレンから暴力を疑われていた。
エレンの誘いでお茶しようとしたラナが慌てて外に出ると、エレベーターから彼女を睨んだ。
混乱するエレンがラナに間違えられると、脅迫するような強い言葉を吐き捨ててしまう。
最後はその正体はルソというキャラクターを演じていたクレイトンだと判明した。
・クレイトン(演:アレクサンダー・コック)
代表作に『ブラック・ビューティー』、『ブラック・ベア』などがあります。
介護士。エレンの兄に雇われた。専門学校を首席で卒業し、介護士のフェラーリだと自称していた。
視力をなくしたエレンが新たな生活をスタートするべく、彼女が自立できるようにサポートする。
絶望するエレンをなんとか立ち直らせようと励まし、仕事を超えて好意を抱いて距離が縮む。
実は過去に暴力的な父親に地下へ三年間も監禁され、唯一エレンの音楽が癒やしてくれたと話す。
最後は逃げようとしたエレンに視力を失う液体を食らい、混乱しながら妹に裏切られてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は『ダンス・ウィズ・フィルムズ映画祭』にてプレミア上映された作品となります。
この作品は監督と脚本を務めるクーパー・カールが2017年に公開された短編を元に長編映画化しています。
やはり、元が短編映画という事で長編映画にする内容として意外にも奥行きがあまりなかった。
主人公が何者かにスプレーをかけられ、視力を奪われてしまい、立ち直る為にリハビリしていくという物語です。
ただ、そこで主人公が違和感を持ってしまい、そこで真実を知って必死に逃げ出そうとします。
登場人物は限られた状況であって、ハウス系サスペンス映画というジャンルに入れても良さそうな印象を持ちました。
元々のアイデアは一発ネタのような感じなので、これを長編にする為にはある程度のドラマ性を持たせないといけません。
なので、主人公が視力を失って絶望する場面が非常に多く、更に周囲で起きる不可解な出来事でヒステリックになっていきます。
この展開に面白さを感じられず、主人公の独りよがりが強すぎて、後々に明かされる真実についてもそこまで同情はできなかった。
確かに巻き込まれただけの主人公であるが、あの真実だから少しは同情されるが、それがなければ単純に性格の悪い悲劇のヒロインになりそうでした。
結局、疑うべき登場人物が片手で数えるぐらいなので、真実さえ分かってしまえば、そのカラクリが単純すぎて驚くほどじゃなかった。
それとラストで鑑賞している人の想像に任せる終わり方も好きじゃないので、最後までスッキリしない作品になりました。
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