作品データ
公開年月 | 2017/05/20 |
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ジャンル | ホラー/サスペンス |
原作 | なし |
監督 | アンドレ・ウーヴレダル |
脚本 | イアン・ゴールドバーグ、リチャード・ナイン |
製作 | フレッド・バーガー、エリック・ガルシア、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
ベテラン検死官トミーは、同じく検死官の息子オースティンと遺体安置所を営んでいた。
ある嵐の夜、警察から謎の惨殺事件の現場から全裸で見つかった身元不明の美女“ジェーン・ドウ”の死体の検死解剖。
通常の検死だと思われたが、メスを入れて解剖を進めるにつれ、ジェーン・ドウの体内では異常な状態が次々と判明するのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作は全米最大のジャンル映画の祭典『ファンタスティック・フェスト』で最優秀作品賞を受賞しています。
監督は『トロール・ハンター』で大きな話題を呼んだアンドレ・ウーヴレダルが務めます。
更に『28週間後…』などのホラー映画を手がけたセブ・バーカーが視覚効果、製作に『ラ・ラ・ランド』のフレッド・バーガーが務めています。
遺体安置所を舞台にした“モルグ・ネクロテラー”の第一弾として公開された作品である。
本作はリアリティにこだわった描写に力を入れていて、製作陣は実際に取材したロサンゼルス郡遺体安置所からヒントを得ています。
もちろん、検死する過程も事実に則って進んでいるので、説得力のある描写となっています。
ただでさえ、遺体安置所という恐ろしい場所だというのに、身元不明で何者か分からない女性の遺体が謎という点も怖さを引き立たせる。
ホラー映画にとって遺体安置所は打って付けの舞台であるが、本作のように少ない登場人物で怖さを演出するのは難しい。
父親役のブライアン・コックスは非常に良い演技をして、検死官としてあくまで現実的に物事を捉えていました。
一方で息子役のエミール・ハーシュはジェーン・ドウが魔女だと断定し、解剖自体が間違えだと気づく役割を担っています。
親子で分担された役割をそれぞれきちんとこなしていて、物語に緩急をつけていました。
そこに美しい遺体であるジェーン・ドウを演じたオルウェン・ケリーの演技は見事でした。
遺体役というのは簡単なようで実はもの凄く難しく、動く事はもちろん、呼吸すら許されない大変な演技だと言えます。
しかも、本作では全裸で挑んでいる事もあって、そう何度もテイクを重ねられないだろう。
何よりオルウェン・ケリーは非常に美しく、魔女という設定にも説得力を生んでいます。
そして、本作を支えているのはアンドレ・ウーヴレダル監督の優れた演出だと言える。
近代のホラー映画では新たな恐怖を打ち出したジェームズ・ワン監督の上手さが際立っているが、アンドレ・ウーヴレダル監督も負けていません。
映像技術が進歩した現代では安易な方法で怖がらせるタイプが多い中、本作はあくまで静かなる怖さを演出しています。
その気になれば遺体はCGでもいいぐらい映像技術が進歩しているけど、アンドレ・ウーヴレダル監督はリアルにこだわっています。
アンドレ・ウーヴレダル監督の世界観を引き出したブライアン・コックス、エミール・ハーシュ、オルウェン・ケリーの高い演技力がちゃんと作品の魅力に繋がっているのも大きい。
検死官というの職業はかなり特殊であり、一般人の立ち入る事ができない世界だが、彼らにとっては普段通りの一日だったはずが一体の遺体で運命が変わってしまう。
やはり、死を扱う職業というのは決して簡単にこなせるモノじゃなく、そこには様々な重さがあって、簡単に立ち入る事ができない事情もあるのだろう。
本作では「魔女」を根幹に据えているが、決して「死」というのは終わりではない事を監督は伝えたかったと思ってしまう作品でした。
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