作品データ
あらすじ
不眠症で生活に困窮にしていたジェンは、通っていた歯科大学を中退しようと教授に相談する。
そこでドイツの製薬会社が不眠症の実験で報酬がもらえると知って、経済的な危機を解消しようと参加を決意する。
レベル1の実験で10万バーツを手にしたジェンたちは、簡単に大金が手に入る事から次のレベルを目指すも裏に隠された真実を知っていくのだった。
登場人物&出演者
・ジェン(演:パーニサラ・リクンスラカーン)
代表作に『Puen Tee Raluek』などがあります。
主人公。シリンダラ医科大学に通っている女子大生。不眠症を患い、家は督促状が届くほど生活に困窮している。
ニッチチャー教授からワイマール社の実験を紹介され、レベル1のクリアで大金を入手した。
レベル2にも挑むがギリギリで成功し、シンが死にかけると医大生らしく蘇生措置で助けた。
妹が勝手に実験へ参加し、そのせいで強制的に他の仲間もレベル3に参加する事になった。
最後は黒幕のニッチチャー教授を倒し、勉強一筋からウィンとのやり取りで心変わりする。
・ジュン(演:ワリサラー・ジットプリーダサクーン)
本作が長編映画デビュー作となります。
ジェンの妹。女子高校生。バンド活動をしているが、いつも夜遅くまで外にいて姉に注意されている。
反抗期を迎えて姉の注意をまったく聞こうとせず、逆ギレをして何かと迷惑をかけている。
姉が秘密のバイトをしていると聞くが、睡眠不足のせいでブチ切れられるも名刺を見つける。
タイミング良く祖母が倒れると、レベル2の実験で得た大金を使って緊急手術をさせた。
最後は姉の仲間たちを巻き込むも黙っていて、ニッチチャー教授の逮捕で元の生活に戻った。
・ウィン(演:ケイ・ラットシティチャイ)
本作が長編映画デビュー作となります。
シリンダラ医科大学に通っている男子大学生。パーティー好きでナイトクラブに入り浸りで勉強はしない。
ワイマール社の実験に参加するが、ニッチチャー教授から向いているという理由で承諾した。
過去に母親を亡くしているが、それは父親が途中で諦めたせいだとずっと思い込んでいる。
ジェンに片思いしてレベル3への参加を決めるが、シンに下心を完全に見透かされていた。
最後は父親の思いを理解して和解し、ジェンと深い仲になろうと日々努力するようになった。
・シン(演:スパナーリー・スタティヴィジトウォン)
本作が長編映画デビュー作となります。
シリンダラ医科大学に通っている女子大生。美容ブロガーで学生寮でも有名。高校時代は優秀だった。
ワイマール社の実験に参加していて、実はストレスで睡眠薬に頼るような日々を送っている。
元々は情報学の大学に行きたかったが、母親の為に仕方なく医大に通うもストレスが溜まる。
レベル2をクリアするもピーチの変態さで死にかけるが、ジェンのおかげで命拾いをした。
最後はジェンに借りを返す為にレベル3に参加し、情報系の大学に入ってピーチと和解した。
・ピーチ(演:クリット・ジーラパッタナヌウォン)
本作が長編映画デビュー作となります。
シリンダラ医科大学に通っている男子大学生。勉強以外にやるのはオンラインゲームで現実の友達はいない。
ワイマール社の実験に参加しているが、実際はずっと片思いであるシンに近寄る為である。
実は金持ちで豪邸に住んでいて、眠らない為に場所を提供してレベル2を見事に達成させた。
同時にシンへのストーカーっぽい行動がバレて、変人扱いされるもレベル3に参加した。
最後はニッチチャー教授をなんとか倒し、シンと和解してジェンやウィンと友達になった。
・祖母(演:フィライワン・カムピラータート)
代表作に『Happy Old Year』などがあります。
ジェンとジュンの祖母。三人で暮らしていて、本来は軽食屋を営んでいたが、体の調子が悪い休んでいる。
いつもジェンが面倒をみていて、収入源が減った事で督促状について多少心配していた。
ジェンが危険な実験に参加している事を知らず、買ってもらったマッサージ器を堪能する。
タイミング良く倒れてしまい、急遽手術する為の費用をジュンが実験の参加で稼いで助かる。
最後はニッチチャー教授が逮捕され、ジェンとジュンが店を切り盛りする姿を見ていた。
・ニッチチャー教授(演:ドゥッダオ・ヴァドハナパコーン)
代表作に『The Lady』、『オンリー・ゴッド』などがあります。
シリンダラ医科大学で睡眠について講義をしている。睡眠を取らないと人間がどうなるのか詳しい。
大学を中退したいというジェンの話しを行くと、彼女を助ける為にワイマール社を紹介する。
ジェンの成績が落ち始めると、実験の影響でそうなっていると注意して止めるように話した。
実は実験の黒幕で、過去に睡眠の実験をして脳死状態の恋人を復活させる為にやっていた。
最後は暴走してジェンを殺そうとしたが、ウィンたちに止められ、警察に逮捕された。
・ハンス・ミラー博士(演:キム・ワッドウプ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ワイマール製薬会社に所属する研究所の所長。不眠症の実験をするべく4人の被験者を募集していた。
ニッチチャー教授の紹介でジェンがやって来ると、ビデオを見せて実験の内容を見せていた。
契約にサインするジェンのうなじにチップを埋め込むが、命の危険があると後から説明する。
ジュンが実験に参加する事にためらわず、本人の意思だとしてチップを埋め込んでいた。
最後は黒幕だったニッチチャー教授に雇われた俳優で、指示に従っていた事が判明した。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
Netflixのオリジナル映画として製作された典型的なティーン向けのタイ映画です。
今では東南アジアの映画は珍しくない状況になっていて、もはやタイ映画はアクションだけに限らないところだと言えます。
今回はティーン映画とは言っても、登場する主人公たちは大学生なので、厳密には少し違うけど青春という枠ならば問題ないでしょう。
人間が覚醒状態を保つのはキュラトニンという脳内物質で、この実験をしているワイマール社に医大生たちが参加するというモノになります。
これは睡眠を奪われた『AWAKE/アウェイク』に似たような設定だが、本作は真逆の寝ちゃいけないとなります。
まず、本作は設定からムリがあって、こういう実験は法律上問題あるんじゃないかと思ってしまうぐらい危険極まりないです。
本作の設定ではうなじに金属のチップを埋め込んで、60秒以上寝てしまうと、破裂して心臓が止まるワケの分からないルールがあります。
どういう構造で心臓が止まるのか分からないし、脳内物質がうなじに集まるのかとか、細かいところにツッコミを入れるとキリがない。
設定の段階でツッコミを入れるようなレベルなので、本題となるストーリーはもっとツッコミしかないぐらい雑です。
レベル1の時点でおかしいのですが、レベルが上がるごとに雑な構成が目立ち始めて、実験がどれぐらい経過しているのかもよく分からない。
どうせやるならば、しっかりと何日が経過しているのか示すべきで、分かりやすく時計を表示して鑑賞している人間にも分かるような演出は必要です。
しかし、本作は思い出しかのように経過時間を表示して、統一感がまったくないから余計に雑さが目立ちました。
ティーン向けの映画なので気休めな友情や恋愛があるけど、あくまでオマケ程度だから薄っぺらに見えてしまいます。
しかも、主人公の都合で一度は実験を止めた他の被験者を強制的に参加させる展開も、あまりにも強引すぎて不自然さしかなかった。
ようやくレベル3に突入していくが、もうメチャクチャな設定のせいで終盤は強引な展開にしかできなかったのかもしれない。
東南アジアの映画はまだまだ成長過程であるけど、このような雑な作品が増えていくのは良くないと思わされる残念な映画でした。
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