作品データ
あらすじ
長らく続いた趙国と燕国の戦いから講和を結ぶが、趙王を狙った刺客により宣戦布告を受ける。
グワン太師の提案で趙国の各部族から三人の戦士が召集され、勝ち残った者に趙軍を率いる大将軍を選ぶ競技会が開かれる。
清源村に暮らす“野良犬”と呼ばれるドン・イーロンと“逃亡兵”と呼ばれるチュー・フン、道中で出会う少女のジンガンを仲間に加えて競技会に挑むのだった。
登場人物&出演者
・ドン・イーロン(演:ヘンリー・ラウ)
代表作に『オー・マイ・ビーナス』、『僕のワンダフル・ジャーニー』などがあります。
主人公。清源族の青年。みんなから「野良犬」と呼ばれ、実際は外から来た人間である。
悪戯好きで大人たちを野間らせていたが、競技大会が開かれるという事で参加を希望した。
父親について何か知る事ができると思い、三人目の仲間にジンガンを快く受け入れていた。
自身が燕国の王族と知り、チューから絶縁されるが、死んだジンガンの為に戦っていく。
最後は逃げようとしたグワン太師を撃ち落とし、チューがトドメを刺して燕国へ渡った。
・チュー・フン(演:ピーター・ホー)
代表作に『着信アリ2』、『ソフィーの復讐』があります。
趙国が誇る精鋭部隊チュー軍家の生き残り。瀕死状態で清源族の村にたどり着いていた。
村では「逃亡者」と呼ばれているが、競技大会でグワン太師がいると知って参加を表明した。
グワン太師に復讐する為だけに動くが、イーロンやジンガンと行動して大将軍を目指す。
先手を打ったグワン太師にジンガンが殺され諦めるが、イーロンの言葉で再び立ち上がる。
最後は撃ち落とされたグワン太師を倒し、皇帝から大将軍を任命されてイーロンを見送つた。
・ジンガン(演:リン・チェンハン)
代表作に『Xin gang gu shi』、『Autumn Fairy Tale』などがあります。
競技大会に参加しようと他部族の旗を盗んで逃げていた。途中でイーロンたちとニアミスする。
三人目を探していたイーロンたちが気になり、奴隷として売られたビーヌーを買わせた。
実力を見せてイーロンが気に入って、チューも仕方なく受け入れて競技大会に参加する。
イーロンが燕国の王族と判明し、チューか絶縁すると、三人だった時が良かったと嘆いた。
最後はチューの前でグワン太師に殺され、イーロンの願いで英雄として像が建てられた。
・ビーヌー(演:ジャン・ルーシャー)
代表作に『エンジェルバトラー/戦闘無双』、『オペレーション:レッド・シー』などがあります。
燕国出身の女性。戦に負けたせいで長らく奴隷として過酷な人生を檻の中で送っていた。
奴隷商人が燕国出身同士を戦わせて見世物にされ、なんとか自力で勝利して生き残った。
チューの兄に父親が殺されており、買われて自由になっても命を取ろうと狙っていた。
ジンガンの優しさに触れて自分の為に生きるべきと悟り、復讐心を持つチューに話した。
最後はグワン太師の犬に襲われるチューを助け、重傷を負ってチューに後を託して死んだ。
・ウェン(演:ヒム・ロー)
代表作に『ビーチ・スパイク!』、『西遊記』シリーズなどがあります。
鷹隼族の族長。グワン太師が出した競技大会への参加に当たって仲間を引き連れてきた。
宿屋で旗を盗んだとして他の部族と暴れていたジンガンの腕を認め、金を取って仲裁した。
何がなんでも大将軍になろうとして、負けそうになると仲間を見捨てて勝利を手にする。
獣王の卵を奪う競技では一度手にするが、逃げきれずに吹き飛ばされて負け組となった。
最後はイーロンの言葉で趙国の危機に立ち上がり、燃える部屋から皇帝を助けて焼死した。
・グワン太師(演:フー・ミン)
代表作に『Smiling Bracelet』、『1911』などがあります。
趙国でナンバー2の地位を持つ。燕国の刺客が皇帝を狙ったとして宣戦布告として解釈した。
各地の有力な部族を競技大会で集め、勝利した者に趙国の大将軍に任命すると宣言した。
実は燕国の人間で長年に渡って趙国を滅ぼそうと企み、用意周到に計画を進めていた。
チュー軍家の生き残りであるチューを捕まえて処刑を提案するが、イーロンに邪魔された。
最後は空から逃げようとしてイーロンに撃ち落とされ、チューによって惨殺された。
感想
[個人的な評価]
本作は同名のMMORPGゲームが原作となっている作品です。
残念ながらゲームの方はまったく知らないが、時代は春秋戦国時代となります。
まず、チャイニーズ・ファンタジーに対する信頼があまりなく、金をかけただけの薄っぺらなストーリーだと思っていた。
しかひ、実際に鑑賞すると登場人物たちに深みがあって、それぞれが生きる目的がハッキリしているのは良かった。
戦国時代が舞台になっているだけに過酷な現実を突きつけられるが、多分、実際はもっと酷かったのかもしれない。
それでも、本作は充分に戦で負けるとどうなるのか示しています。
国の為に各部族が戦うというよりは、一族が滅びないように仕方なく競技会に参加しているところもまた生々しいと感じた。
アクションに関しては言うまでもなく、ワイヤーアクションを多用していて、決してCGに頼らなかったのは大きいと思う。
最近のチャイニーズ・ファンタジーは不自然すぎるほどのCGを使っているので、この作品は古き良き武侠ファンタジーとCGをバランス良く組み合わせていると感じた。
何より、普通は死なないだろうというキャラクターか悪役に甚ぶられ、一方的に殺されてしまう展開は素直に驚いてしまった。
それと同時に魅力的なキャラクターを失った悲しみもちゃんと伝わりした。
薄っぺらな人間ドラマを連続で鑑賞していたせいか、本作は時間を忘れて魅入られるほど面白くて没入してしまった。
すべてのバランスが取れていて、こんなに世界観へ自然と入れる中国映画は久しぶりでした。
続編を作ると思われるので、このままのクォリティを保っていたら期待できる良作だった。
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