作品データ
あらすじ
メキシコ国境付近の町で牧場を営むジム・ハンソンは、元海兵隊の狙撃手で妻に先立たれ、今は愛犬と暮らす静かな日々を送っていた。
そんなある日、麻薬カルテルから逃れて国境を越えてきたメキシコ人の母子と出会い、母親は男たちに撃たれ死に際に11歳の息子であるミゲルをシカゴの親類に送って欲しいと託される。
巻き込まれたジムは渋々ながら母親の頼みを引き受けると、車で遠いシカゴまでミゲルを送ろうとする中で麻薬カルテルの執拗な追撃が開始されるのだった。
登場人物&出演者
・ジム・ハンソン(演:リーアム・ニーソン)
近年の出演作に『バッド・デイ・ドライブ』、『探偵マーロウ』などがあります。
主人公。元海兵隊で狙撃手。メキシコ国境で愛犬と静かに暮らしている。金に困っていて家と牧場を失う寸前にある。
妻を亡くした事で希望もなくなっているが、国境付近での密入国者を国境警備隊に報告する。
ローサたちの密入国を通報するが、大金を見てミゲルを見捨てられずシカゴへ送っていく。
マウリシオたちに追い詰められる中で一度は諦めるが、ミゲルを見て再びシカゴへ向かった。
最後は農家まで追い詰められるが反撃してマウリシオを倒し、重傷のままバスに乗り眠った。
・ミゲル(演:ジェイコブ・ペレス)
代表作に『ホーム・チーム』、『The Son Rises』などがあります。
メキシコ人の少年。父親は生まれる前に亡くなり、シングルマザーとなった母親と二人暮らしをしている。
叔父が麻薬カルテルの金を盗んだ事で追われる事になり、国境付近で母親が流れ弾で亡くす。
強制送還されるところを大金目当てだったジムに助け出され、親戚がいるシカゴへ向かう。
ジムがシカゴを諦めると仲違いするが、すぐに和解して彼を信用するように行動していく。
最後はマウリシオに銃を向けるも撃たず、無事に親戚の家へ送られ不法滞在者として暮らす。
・ローサ(演:テレサ・ルイス)
代表作に『ざわめき』、『ファーザー・スチュー/闘い続けた男』などがあります。
メキシコ人でミゲルの母親。シングルマザーとして息子を育てている。兄が麻薬カルテルと関係を持つ。
兄が麻薬カルテルを裏切って金を持ち去った事がバレて、狙われるとして息子と逃げ出した。
大量の金を持って密入国ブローカーと国境付近まで行くが、麻薬カルテルがいて逃げられた。
鉄柵を抜けてアメリカに入ると、ジムに遭遇して足止めされるとマウリシオに見つけられる。
最後は銃撃戦となって流れ弾が腹部へ直撃して、ジムに息子を託しその場で死亡してしまう。
・サラ・レイノルズ(演:キャサリン・ウィニック)
代表作に『キス&キル』、『ダークタワー』などがあります。
ジムが再婚した妻の娘。国境警備隊に所属している。国境付近に住むジムから連絡を受けて密入国者を取り締まる。
ジムが破産寸前だという事を知らず、バーで飲んでいた彼を見つけて家まで送っていった。
密入国者であるミゲルを強制送還すると説明するが、命を狙われている事情を知らずにいた。
勝手にミゲルを連れ出したジムを心配して連れ戻すよう警告し、彼も承諾して安心していた。
最後はジムからミゲルをシカゴへ連れて行くと決心され、彼から別れを告げられて悲しむ。
・マウリシオ・ゲレロ(演:フアン・パブロ・ラバ)
代表作に『イグジット』、『ライリー・ノース/復讐の女神』などがあります。
麻薬カルテルのメンバー。ローサの兄が金を持ち去ったとして捕らえると、家族も狙うとして追っていく。
ローサたちが国境を越えてジムに足止めする現場に入り、銃撃戦で弟を殺されて恨みを持つ。
ジムがミゲルを連れ出すところを目撃してクレジットカードを足がかりに殺人しながら追う。
シカゴへ行くと判明して仲間に居場所を連絡され、道路で見つけると農家まで追い込んだ。
最後はミゲルとの連携でジムに重傷を負わされ、苦しみから解放する銃を渡され自殺をした。
感想
[個人的な評価]
本作はアクション俳優として活躍するリーアム・ニーソンが主演を務めています。
この作品は『人生の特等席』で知られるロバート・ロレンツが監督を務めています。
主人公は妻を亡くし、破産寸前で家や牧場まで失おうとする絶望的な状況で、少ない財産を守ろうとしている退役軍人という設定。
リーアム・ニーソンだからこそできる哀愁のあるキャラクターであるが、どうにも設定が中途半端な気がしました。
さすがにもうリーアム・ニーソンは肉弾戦をやれるほど若くないので、本作のような内面を見せるような感じになってしまう。
やはり、リーアム・ニーソンのアクション映画は敵を圧倒していく無敵感があったからこそ大ヒットをしています。
ただ、すでに体が動かなくなっている今では過去の財産を食いつぶしている状態で、リーアム・ニーソンもかなり苦しいと分かります。
本作は一見して主人公は正義を貫こうとしているが、密入国者を匿って不法滞在者として送り込んでいるとも考えられます。
密入国した少年は悲劇的であって、彼自身も勉強しているが、あくまで密入国した不法滞在者には変わりないです。
ここら辺を美化しているように見えるし、主人公が少年を助ける動機も弱すぎてチグハグな印象を受けました。
悪役に関しても弟を殺されたという理由かもしれないが、そこに同情を与えるような事はやっちゃダメだと思います。
やはり、悪役は悪役に徹するべきであり、家族の復讐をするのはちょっとキャラクターとしてブレてしまう。
本作はあくまでリーアム・ニーソンだから成立しており、純粋に脚本や演出から観るとチグハグな内容で微妙な作品だと感じました。
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