作品データ
あらすじ
犯罪組織のボスを殺害した事で追われる事になった元軍人のニーナは、夫が殺され自身も死を偽装して一人息子のマックスを養子に預ける。
マックスは両親が事故死したと聞かされており、養子の元で普通の暮らしをするが、素性がバレた事で犯罪組織に拉致されてしまう。
連絡を受けたニーナは警察の捜査を無視して単独で調査して乗り込み、マックスを助け出そうと無茶な戦いを挑むのだった。
登場人物&出演者
・ニーナ・ノーワーク(演:アグニェシュカ・グロホフスカ)
代表作に『杉原千畝/スギハラチウネ』、『ティーンスピリット』などがあります。
主人公。元軍人の少佐。故郷を守ったとして故人になっているが、実際は生きていて息子を養子に出している。
普段は廃車置場で働きながら息子を遠くから監視し、誘拐に気付いてイゴールに連絡する。
イゴールからの情報でヴォルトメーターの手下を倒し、息子を救い出して母親だと告白した。
ヴォルトメーターを殺害し金が警察に押収され、再び人質となった息子の為に金を取り戻す。
最後はクラサヴィトサの息子のお願いで助かると、息子との親子の時間を取り戻していく。
・マックス(演:アドリアン・デリクタ)
本作が長編映画デビュー作となります。
ニーナの一人息子。両親が事故死したと聞かされており、養子の元で事実を知らず普通の暮らしをしていた。
素性が何者かにバラされてしまい、父親を殺されたヴォルトメーターの手下が誘拐された。
ニーナが単独で助け出されるが、何も知らないせいで反発するも本当の母親だと知らされる。
家に歩いて帰っていたが、クラサヴィトサの息子に見つかってまたも捕まって人質となる。
最後はクラサヴィトサの息子の懇願で解放され、本当の母親と新たに交流を持つ事になった。
・イゴール(演:ダリウシュ・ホィナッキ)
代表作に『幸せのありか』、『顔』などがあります。
ニーナの素性を唯一知っている政府の職員。ニーナが息子に鑑賞しないように見張りながら、連絡係として立ち回る。
すでに離婚して娘が遠くに住んでいて、あまり好かれていない事に対して苛立ちを覚える。
マックスが誘拐されたとニーナがやって来ると、驚いていたが手伝える事をやっていた。
実はニーナを裏切ってヴォルトメーターに居場所をバラして、代わりに金を受け取っていた。
最後は暴走してニーナを殺そうとするも失敗し、政府に悪事がバレて開き直っていた。
・バトン/イヴォ・ヤレツキ(演:セバスティアン・デラ)
代表作に『誰も眠らない森』、『エクソダス/爆弾に取り憑かれた男』などがあります。
薬物とクリスタルの部門を担当する。手下の売人たちに薬物を売らせて金を徴収し、恐怖によって支配している。
ヴォルトメーターから指示を受けて、素性がバレたマックスを見つけて誘拐した実行犯。
売人の一人が手ぶらで戻ってきて、ブチ切れて警棒で殴るもニーナの登場で一触即発となる。
ニーナが手下たちをボコボコにする間、ピンチと分かって逃げようとして止められていた。
最後は手下全員を倒した興奮状態のニーナにティトゥスの居場所を教え、そのまま殺された。
・ティトゥス・コノプカ(演:コンラッド・エレリク)
代表作に『Nowy swiat』、『Wyrwa』などがあります。
ヴォルトメーターの犯罪組織で人身売買部門を担当する。父親の代からいるメンバーながらヴォルトメーターに怯える。
トラックの荷台に人間を乗せて売っているが、一台だけ荷物が窒息死していて怒っていた。
バトンから居場所をバラされた事でニーナが乗り込み、手下たちが次々と倒されていた。
息子を見つけて油断したニーナを背後から気絶させ、ヴォルトメーターに連絡をしていた。
最後はヘマをした上に意見を言ったせいで機嫌を損ね、スタンガンを頭部に食らって死んだ。
・ヴォルトメーター/リトル・ビター(演:シモン・ヴロブレフスキ)
代表作に『25 Years of Innocence』、『Leave No Traces』などがあります。
犯罪組織の若きボス。ボスだった父親のビッグ・ビターを殺害している。父親の生首をホルマリン漬けにしている。
国際ビジネスを展開させて外交官のクラサヴィトサと組み、外国から金を自国に流入させる。
頭痛持ちで苛立つと電気が走るような痛みを持つが、何をするか分からない危険性を持つ。
ティトゥスが失敗した事でスタンガンで処刑し、タレコミからニーナの隠れ家を襲撃した。
最後はニーナを追い詰めるも手下全員が倒されると、善戦するも結局は首を折られて死んだ。
・クラサヴィトサ(演:ヨヴィタ・ブドニク)
代表作に『ニキフォル/知られざる天才画家の肖像』、『パプーシャの黒い瞳』などがあります。
ロシア大使館の外交官夫人。ロシアからの金や人間を横流しで金儲けする。過去にニーナに膝を破壊されている。
ヴォルトメーターと取引をして国際ビジネスと称して、薬と金を流入させて金を儲けていた。
政府に悪事がバレても外交官特権で逮捕されず、ヴォルトメーターが死んで金が押収される。
マックスを人質にしてニーナに金を取り戻させる事にして、面倒を息子に見てもらっていた。
最後はニーナが少ない金を持ってくるが、息子の懇願で二人を見逃して解放させていた。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixで独占配信された作品となります。
この作品は『脱走王ナイムロ』で知られるマテウシュ・ラコヴィチが監督と脚本を務めます。
同じNetflixのジェニファー・ロペスによる主演作『ザ・マザー』に近いような設定で、基本的な流れがほぼ同じとなる。
主人公は息子に危険が及ばないように死を偽装していたが、どこかで素性がバレて誘拐するところから物語が始まっていきます。
ジェニファー・ロペスの『ザ・マザー』も同じような展開だが、こちらは娘でもっと年齢が若くて親子の時間が長い。
決定的な違いとしてジェニファー・ロペスの『ザ・マザー』の方が設定をちゃんと練っていて、それなりに金をかけている点でした。
それに対して、本作は主人公が弱すぎて爽快感がなく、それ以上に悪人たちも弱いからアクションが全体的に面白味に欠けてしまう。
場面転換させる為に主人公が何回か簡単に気絶させられ、捕まっているところにも逆に弱さを強調しているようにしか思えない。
まず、本作における脚本が練り込まれていないせいでストーリーが粗く、何より主人公と息子との関係もちゃんと描いていない。
その点ではジェニファー・ロペスの『ザ・マザー』は丁寧に描いているから、比べてしまうと差が歴然すぎていました。
それに設定を練り込んでいないせいか説明不足が目立ち、登場人物たちの相関関係が分からないまま物語が流れていくのも優しくないと感じました。
犯罪組織の幹部たちも大々的に紹介されるのに、ほとんどモブと変わらないような扱いから意味を感じなかったです。
まさに安上がりなNetflixの低クォリティーの作品という感じで、表面的に見せかけな薄っぺらさが目立っていました。
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