作品データ
あらすじ
現代のロンドン、著名な物理学者バレット博士は、ルドルフ・ドイチェという億万長者の依頼で「ベラスコ・マンション」という古い大邸宅の謎を調べる。
この大邸宅には不思議な心霊現象が現れるという伝説があり、余命幾ばくもないドイチェは人間の死後の生命の有無を知りたがっていた。
バレット博士の同行者に妻のアン、心理霊媒のフローレンス・タナー、それと20年前に大邸宅の調査隊に参加して生き残ったベン・フィッシャーが調査に挑むのだった。
登場人物&出演者
・バレット博士(演:クライヴ・レヴィル)
代表作に『バニー・レークは行方不明』、『Mr.ゴールデン・ボール/史上最低の盗作ウォーズ』などがあります。
物理学者。ドイチェから「ベラスコ・マンション」の調査を依頼され参加をした。
心霊現象を科学的に調査するが、幽霊などを信じておらず、フローレンスに飽きられる。
あくまで事務的にデータを取っていくが、利用されるフローレンスにブチ切れられる。
ポルターガイストが起きても動じず、フローレンスが話す霊について否定的な態度を取る。
最後は機械で排除に成功するが、実は失敗していて、ベラスコの霊的な力で殺された。
・アン・バレット(演:ゲイル・ハニカット)
代表作に『ワイルド・エンジェル』、『惑星アルカナル/宇宙からの使者』などがあります。
バレット博士の妻。ドイチェからの「ベラスコ・マンション」の調査に自ら志願した。
特に何をするワケじゃなく、夫に付いていくだけで、まったく場馴れしていない。
ベラスコの放つ霊的な力に屈してしまい、意識を持ちながら淫行に走ろうとしていた。
機械的な排除に失敗したバレット博士が殺され、ショックを受けるもフィッシャーを頼る。
最後はフィッシャーがベラスコを探し当て、夫の機械を作動させて大邸宅を後にした。
・フローレンス・タナー(演:パメラ・フランクリン)
代表作に『回転』、『ミス・ブロディの青春』があります。
心霊媒体の第一人者。ドイチェから「ベラスコ・マンション」の調査を依頼されて参加。
大邸宅に入る前から不気味な存在を感知し、奥の部屋には入れないほど強い力を感じる。
交霊でベラスコの息子と交信するが、脅迫に近い言葉を出して、その後も部屋に来る。
何度もバレット博士に霊的な力の存在を主張するも拒まれ、証明しようと無茶をした。
最後は霊的な力の正体がベラスコだと見破るが、その前に殺され、メッセージを残した。
・ベンジャミン・フランクリン・フィッシャー(演:ロディ・マクドウォール)
代表作に『史上最大の作戦』、『猿の惑星』シリーズなどがあります。
物理媒体の体質を持つ。前回の調査で唯一の生き残りで今回の調査に参加をさせられた。
前回の調査について多くを語らず、物理媒体として引き寄せるだけで身を守っている。
暴走するフローレンスを心配して大邸宅を出るべきだと話すが、結局は無視されてしまう。
フローレンスやバレット博士が殺されると、精神を集中させてベラスコの正体を知る。
最後はベラスコの部屋を探し当て、機械を作動させてアンとともに大邸宅を後にした。
・ルドルフ・ドイチェ(演:ローランド・カルヴァー)
代表作に『ミュンヘンへの夜行列車』、『地獄のキャッツ・アイ/呪いの爪』などがあります。
大富豪。余命幾ばくもない。購入した「ベラスコ・マンション」の調査を依頼主。
バレット博士を呼びつけると、期限を決めて調査を行い、生還したら報酬を与えるという。
最後はバレット博士が参加するメンバーについて尋ねられ、不機嫌に答えて去った。
・エメリック・ベラスコ(演:マイケル・ガフ)
晩年の出演作に『アリス・イン・ワンダーランド』、『ティム・バートンのコープスブライド』などがあります。
「ベラスコ・マンション」と呼ばれる大邸宅を所有していた謎多き人物である。
兵器を売買する父親の私生児として生まれ、恐ろしい顔をした天才だと言われている。
更に身長が非常に高く「吠える巨人」と呼ばれるが、実像については知らておらず。
実は大邸宅を霊的な力で支配していて、様々な人間の魂に化けて誘惑をしていく。
最後はフローレンスのメッセージで正体が暴かれ、フィッシャーが機械を作動させられた。
感想
[個人的な評価]
本作はリチャード・マシスンの小説が原作となっていて、脚本として参加しています。
この作品はオカルト映画ブームを巻き起こした『エクソシスト』が公開された2ヶ月後に上映されています。
当時はオカルト映画ブームに乗っかった作品として知られているが、ある意味、ハウス系ホラー映画の一本とも言えるだろう。
大枠では『エクソシスト』も入るハウス系ホラー映画だが、あくまで悪魔と神父の戦いがメインだから少し違う。
どっちかと言えば、本作こそが正統なハウス系ホラー映画であり、似たような作品は今でも多く作られている。
日本と違ってアメリカで科学的な分野から幽霊の正体を暴こうとする試みが面白く、本作もまさしくそれをやっています。
あくまで意志のないエネルギーだと主張する科学者と、霊的な力を主張する霊能者との意見の食い違いで真実が見えなくなる。
どちらが正しいのか観ている側の考え方によって変わっていくが、それは結末で訪れるオチにも繋がっていくでしょう。
イギリス映画という事で全体的に地味な展開であり、そこまで派手なシーンがないのは少し残念だと言える。
ただ、当時からすれば『エクソシスト』の強烈さよりも、本作のマイルドな感じの方も悪くないと評価があったようです。
すべての要素が上辺だけで深くまで描いておらず、登場人物についても主要は三人だけで一人だけ明らかに意味がなかった。
あまり深く描いていないせいで登場人物たちの魅力がない中、二度目となる調査に参加したフィッシャーの存在は救いだったと思います。
もし、フィッシャーがいなければ、相当退屈な感じになっていたので、彼の役目は非常に大きかったです。
しかし、現代では多く作られるハウス系ホラー映画と比べると、残念ながら突出した面白さはあまりなかった。
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