作品データ
あらすじ
元レーサーのカーデザイナーのキャロル・シェルビーは、ル・マンでの勝利を目指すフォード・モーター社から依頼を受けていた。
そこでフォード・モーター社は絶対王者のフェラーリを超える新しい車の開発と、優秀なドライバーの獲得を必要としていた。
シェルビーは破天荒なイギリス人レーサーのケン・マイルズに目をつけ、一部の上層部から反発を受けながらもフェラーリに挑むのだった。
登場人物&出演者
・キャロル・シェルビー(演:マット・デイモン)
近年の出演作に『デッドプール2』、『サバービコン/仮面を被った男』などがあります。
主人公。元レーサーでカーデザイナー。レースによるストレスで心臓病を患って引退。
「シェルビー・アメリカン」でカーセールスし、長年の友人だったケンを気にしている。
フォードからレースカーの製作を依頼され、ケンに声をかけてマシンを開発する。
ビジネス戦略を優先するレオに振り回されながら、社長にケンの必要性を説いていた。
最後はケンが事故死して半年も引きずるが、妻と息子が強く生きる事に勇気づけられた。
・ケン・マイルズ(演:クリスチャン・ベール)
近年の出演作に『バイス』、『荒野の誓い』があります。
イギリス人のレーサー。第二次世界大戦後にアメリカへ渡って整備工場を営んでいた。
我が強い性格のせいで商売が上手くいかず、レースで優勝しても金にならず困窮する。
シェルビーからフォードのレースカー開発に協力し、ドライバーとしても参加していく。
フォードの経営方針から一度チームから外され、シェルビーの尽力で復帰を果たす。
最後はル・マンで2位に終わるも満足し、試走中の事故によって帰らぬ人となってしまう。
・モリー・マイルズ(演:カトリーナ・バルフ)
代表作に『SUPER8/スーパーエイト』、『マネーモンスター』がある。
ケンの妻。第二次世界大戦後に家族でアメリカに移住し、夫の整備工場を手伝っている。
国税庁から整備工場の差押を受けてしまい、レースを諦めようとする夫を励ました。
夫とシェルビーが一緒に出かけている姿を見て、翌日に聞き出す強引なやり方をした。
フォードの経営方針からレースから外された夫の元に来て、言葉少なに励ました。
最後は夫が試走中に亡くなってしまうが、息子のピーターと強く生きていた。
・ピーター・マイルズ(演:ノア・ジュープ)
代表作に『サバービコン/仮面を被った男』、『クワイエット・プレイス』などがあります。
ケンの息子。父親の整備工場にいつもいて、レースに見立てた遊びをしていた。
レース前のチェックで失格になる父親を見るが、シェルビーのおかげで出場できた。
その時に父親が優勝すると、誰よりも喜んでいて、車に乗せてもらって一緒に走った。
シェルビーのスカウトで父親が試走して車が炎上するが、無事に助かった事で安堵した。
最後は父親が試走中の事故を目撃するが、その後は立ち直ってシェルビーを励ました。
・リー・アイアコッカ(演:ジョン・バーンサル)
代表作に『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『フューリー』などがあります。
フォード社の副社長で部門の総支配人。社長が会社の成長を促す為にアイデアを考える。
フェラーリが4年連続でル・マンを優勝している事に着目し、買収を社長に進言した。
結果的にフェラーリの買収に失敗するが、罵られた社長がレースへの参加を表明させる。
シェルビーをレースカー開発にスカウトするが、あくまでイメージを第一にしている。
最後はレオの無茶な計画に反対するが、ケンのチームプレーを見て安堵していた。
・レオ・ビーブ(演:ジョシュ・ルーカス)
代表作に『ハルク』、『ポセイドン』などがあります。
フォード・モーター社の上級副社長。いつも社長のご機嫌を伺ってビジネスを優先する。
リーの部門が足を引っ張っていると話す中、フェラーリ買収のアイデアに唖然とした。
フェラーリの買収失敗で余裕を持つが、レースカーに出る社長の言葉に従っていた。
シェルビーを嫌っていてレースの総責任者に任命され、無理難題をふっかけていた。
最後はフォードのイメージを保つ余計なアイデアを出し、シェルビーにブチ切れられた。
・ヘンリー・フォード二世(演:トレイシー・レッツ)
代表作に『マネー・ショート/華麗なる大逆転』、『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』などがあります。
フォード・モーター社の社長。会社を作った祖父から受け継ぎ、事業の拡大を目論む。
初代のヘンリーに対抗意識を持っていて、車の評判が悪いと聞いてアイデアを集める。
フェラーリの買収に失敗してしまい、罵声を浴びせられた事でレースの参加を決め込む。
レオの進言でケンをドライバーから外すが、シェルビーから説得されて復帰させた。
最後はケンやシェルビーの活躍、レオのアイデアでフォードのル・マン優勝に満足した。
・エンツォ・フェラーリ(演:レモ・ジローネ)
代表作に『地獄の女スナイパー』、『夜に生きる』などがあります。
フェラーリ社の社長。4年連続でル・マンを優勝している。経営面では困窮している。
フォードのリーから買収の話しを持ちかけられ、レースからの撤退を聞いてブチ切れる。
イタリア語であらゆる侮辱の言葉をフォードの車、社長に浴びせて買収を破談にした。
代わりに裏でフィアットとの売却の話しを進めていて、多額の金銭を手に入れた。
最後はル・マンで5連覇を目指すが、シェルビーとケンたちによって全滅して敗退した。
感想
[個人的な評価]
本作は『第92回アカデミー賞』にて音響編集賞と編集賞を受賞し、作品賞と録音賞にノミネートされています。
この作品は1966年に行われた「ル・マン24時間耐久レース」で絶対王者のフェラーリに挑んだフォードの男たちの実話がベースになっています。
「ル・マン」についてはたまにニュースで聞くぐらいで、実際にはどのようなレースなのか知らなかったです。
物語としては1950年代となりますが、今でも続けているレースなので、かなりの権威があると分かります。
どうやら圧倒的にポルシェの優勝回数が多いけど、当時はフェラーリの強さが他のメーカーよりも凄かったようです。
主人公であるシェルビーは車に詳しくない自分でも知っていて、実際は「シェルビーVSフェラーリ」という感じでした。
タイトルが示すようにフォードの傘下にあるシェルビーと、彼が認めたドライバーであるケンが打ち負かす内容になります。
ただ、他にフォードが持っているブランドイメージを意識する会社と、シェルビーとケンの戦いという構図もありました。
会社のイメージが大事であるフォードと、一方で自分の信念を貫き通そうとするシェルビーとケンたちの争いもまた歯がゆいところがありました。
これは現代における我々にも向けられたメッセージであって、自分の信念を曲げてまで会社に従う意味があるのかと問いかけている。
ラストでは一匹狼だったケンがチームプレイを考えたところは、彼だけじゃなくシェルビーの思いを背負っていたところに感動させられる。
そして、なんと言っても本作で交わされるセリフも良くて、単なる掛け合いじゃなくなっているのも良かったです。
実話ベースなのでケンの結末は非常に悲しいモノだが、それでも強く生きようとする彼の妻と息子の姿に励まされたシェルビーの思いも伝わりました。
ですが、個人的にはもっとシェルビーとケンの固い友情を示すエピソードがあっても良かったと感じました。
リンク
コメント