【東海道四谷怪談】VD-478

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作品データ

公開年月 1959/07/14
ジャンル ホラー/時代劇
原作 鶴屋南北 『東海道四谷怪談』
監督 中川信夫
脚本 大貫正義、石川義寛
製作 大蔵貢
製作国 日本
鑑賞方法 動画配信サービス

あらすじ

江戸時代の中ごろ、備前岡山藩の浪人・民谷伊右衛門は、一度許されたお岩との婚儀を彼女の父・四谷左門に反対されて斬り捨ててしまう。
その場に居合わせた中間・直助に入れ知恵された伊右衛門は、左門は御金蔵破りの犯人を突き止めたとウソをついてしまう。
伊右衛門は左門の忘れ形見のお岩とお袖の姉妹を説得し、左門殺しの半にに仇討ちするべく江戸へ旅立つのだった。

登場人物&出演者

民谷伊右衛門(演:天知茂)

代表作に『憲兵と幽霊』、『白昼の死角』などがあります。

主人公。浪人。お岩との結婚が決まっていたが、浪人という事で父親の左門に破談にされる。

夜道で左門に懇願するも罵られ、逆上して斬り殺し、その場にいた直助の助言に従う。
敵討ちの旅に出ると、直助の頼みで邪魔者の与茂七まで片付け、お岩と江戸で暮らす。
伊藤家を助けて士官の話しと一人娘をもらう約束をして、邪魔になったお岩を毒殺する。
最後は悪事がお袖と復活した与茂七に知られ、真の敵討ちとして二人に成敗された。

お岩(演:若杉嘉津子)

代表作に『夜のプラットホーム』、『毒婦高橋お伝』などがあります。

ヒロイン。伊右衛門との結婚が父親によって破談にされる。体が弱いが敵討ちの旅に出る。

道中で歩けなくなり、与茂七まで伊右衛門たちに殺されるも気づかずに江戸で暮らす。
子供を授けるが、浪人で内職だけの収入の伊右衛門に対して不満を漏らしてしまう。
伊藤家での士官と娘をもらう伊右衛門によって毒を盛られ、赤ん坊と死んでしまう。
最後はお袖を復活して探す与茂七に導き、憎き伊右衛門への敵討ちをさせて成仏した。

お袖(演:北沢典子)

代表作に『「粘土のお面」よりかあちゃん』、『反逆児』などがあります。

お岩の妹。与茂七の結婚相手。父親が何者かに殺されてしまい、敵討ちの旅へ出かける。

道中で体が弱い姉を気遣っていたが、与茂七が伊右衛門たちに殺されるも真実を知らず。
敵討ちの相手を探し回して一緒に殺すが、真実を知らないまま直助に体を許した。
直助が拾った姉の櫛を見て心配すると、本人が現れて復活した与茂七の元に導かれた。
最後は与茂七と父親と姉のカタキだった伊右衛門を殺して、ようやくすべてが終わる。

直助(演:江見俊太郎)

代表作に『民衆の敵』、『ノストラダムス戦慄の啓示』などがあります。

左門の中間。逆上して左門と与茂七の父親を斬殺した伊右衛門に妙案を出して助けた。

父親の敵討ちの旅に出かけるが、お袖を狙っていて邪魔な与茂七を伊右衛門と消した。
与茂七の敵討ちをする為にお袖と二人暮らしするが、なかなか体を許してもらなかった。
お岩が邪魔になった伊右衛門に入れ知恵をして、南蛮由来の毒薬を渡して殺害させる。
最後は伊藤家を斬殺した伊右衛門に金を求めるが、挑発したせいで逆上されて殺された。

佐藤与茂七(演:中村龍三郎)

代表作に『右門捕物帖/妖鬼屋敷』、『あべこべ道中』などがあります。

お袖の結婚相手。左門とともに父親が何者かに殺され、お岩やお袖たちの気持ちを理解する。

お袖たちの父親の仇討ちの旅に自身の父親も殺された事から、同じ志から同行した。
ずっとお袖を求めた直助と伊右衛門の共謀で刺され、滝壺に落とされて死んだ事になる。
実は生きていて、人に助け出され、傷が癒えるまで時間をかけて江戸でお袖たちを探す。
最後はお袖と合流して真の仇である伊右衛門を二人で倒して、すべてを終わらせた。

宅悦(演:大友純)

代表作に『地獄』、『怪談残酷幽霊』などがあります。

按摩。病弱なお岩の為に伊右衛門が雇っている。お岩に片思いしていて、何かと相談役も務めている。

金がまったくない伊右衛門から借金を迫られるも、すぐに断るも実はお岩に惚れていた。
伊藤家の娘と結婚したい伊右衛門と入れ知恵した直助から、お岩の強姦を頼まれていた。
伊右衛門がお岩に毒を盛つたと知らず、顔が醜くなって苦しむ彼女にビビってしまう。
最後は当初の計画通りに不貞を働いた間男として、伊右衛門に斬殺されてしまう。

感想

[個人的な評価]

評価 :3.5/5。

本作は江戸時代後期に活躍した歌舞伎・狂言の作者である四代目・鶴屋南北の作品を実写映画化しています。
61年前の非常に古い作品であったが、『四谷怪談』については『忠臣蔵外伝/四谷怪談』ぐらいしか知りませんでした。
たまたま動画配信サービスにあったので、運良く鑑賞できました。
やはり、『忠臣蔵外伝/四谷怪談』とは物語の展開は違うが、当時はこの作品は相当怖かったのだろうと思わせる。
演出と演技が歌舞伎のような誇張した感じで不自然だが、そういう作品だと思えば違った見方ができると感じました。
まず、一番感じたのは女性に対する人権がなく、あくまで物扱いという印象がありました。
江戸後期の歌舞伎や狂言の作者である鶴屋南北の作品なので、当時の生活を描いていると考えれば、男性優位の時代だったと言える。
武士でも浪人だったら内職をしてギリギリの生活をするが、プライドだけは一流という現代では通じない常識を知る事ができる。
とにかく、主人公の伊右衛門は自分のプライドを守ろうと凶行に走るが、多分、当時もそのような事が横行していただろう。
そんなプライドにこだわる夫を支える妻たちの苦労も伝わり、本当に女性の人権がないという世の中だったと分かります。
女性は男性よりも強いが、徹底的に押さえつけていたが、化けて出てくる怖さこそが男たちが内心で抱えていた恐怖を描いていると思う。
作品としてもムダな描写がなく、現代の邦画も見習うべき部分が多いとも感じました。
もの凄い面白いという作品ではないが、江戸後期の生活や男女の関係を知る意味として悪くないと思います。

コメント

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