作品データ
あらすじ
東京から祖母が住む田舎に越してきた女子高生のさよは、転校初日に真帆と友だちになるが、彼女はクラスメイトから激しいイジメを受けていた。
さよは孤立を恐れてかばう事ができず、エスカレートしたイジメで追い詰められた真帆はトイレで不審な死を遂げてしまう。
しかし、その日を境に学校で次々と不可解な出来事を起き始めると、一連の事件の裏に謎めいた赤いスカートを履いた女の子の存在が浮かび上がるのだった。
登場人物&出演者
・長澤さよ(演:上野優華)
代表作に『白鳥麗子でございます!THE MOVIE』、『トモダチゲーム』シリーズなどがあります。
主人公。東京の高校から転校してきた。うつ病になっている母親のせいで転校させられた。
中途半端な優しさで真帆に接して、次の日には恵子たちと水をかけるイジメを強制される。
真帆と恵子が死んだ現場で花子さんを目撃するが、種違いの姉だと知って助けようとする。
発狂した母親が祖母を殺害して自殺すると、達也に原因が人形だと電話で話して行動を取る。
最後は学校に花子さんが求める人形を持ち出すが、腹を鋏で刺されて新たなトイレの住人へ。
・小山貴子(演:水崎綾女)
代表作に『ハプニング/生存者0』、『光』などがあります。
さよが転校した田舎の担任。地元の人間で大学だけは東京で卒業して半年前から赴任した。
小学校の頃に同じ校舎で学んでいたが、建て替えられても高校になって教師として戻った。
真帆の兄である達也とは幼馴染みであるが、彼女がイジメを受けていた事を知らなず。
さよの話しから小学生の頃に見た花子さんの存在を思い出し、何かと調べようとしていた。
最後は花子さんについて達也に電話したが、足にまとわり付かれて通った車に轢かれて死亡。
・佐伯真帆(演:安田聖愛)
代表作に『ロボジー』、『笑顔の向こうに』などがあります。
さよが転校した高校でなぜかイジメを受けている。さよに宿題が出る教科書の助言をした。
そのせいで事情を知らないさよから電話番号の交換をされ、久しぶりに優しさに触れた。
当然のようにイジメグループのリーダーである恵子は許さず、さよを奪われてしまう。
トイレに閉じ込められてしまい、水を上からかけられたまま外に出ず泣いていた。
最後は夜になってからさよがやって来ると、花子さんに殺されている状態で発見される。
・佐伯達也(演:馬場良馬)
代表作に『CRAZY-ISM/クレイジズム』、『U-31』などがあります。
真帆の兄。真帆の担任である貴子とは幼馴染み。妹が壮絶なイジメに気付かなかった無能。
自殺として処理された真帆の状況に納得できず、さよや貴子から事情を聞こうとした。
あまりにも不可解な状況に納得ができないが、妹の死因が分からないまま鼻息だけが荒く。
貴子から小学生の頃にいた花子さんの話しを聞いて、インターネットで情報で思い出す。
最後はさよが危険だと感じて学校へ行くが、トイレに吸い込まれて消えてしまう。
・木下恵子(演:田中瞳佳)
代表作に『隙間女』などがあります。
東京の高校から転校したさよに声をかけた同級生。黄色い歯が印象的な積極的な女子生徒。
さよにいち早く目をつけて学校を案内するが、真帆を透明人間のような存在として扱う。
なぜか真帆をイジメのターゲットにしているような人物で、金魚の糞たちと楽しんでいた。
すぐにさよを仲間に加えてイジメを強要し、真帆が死んでも関係ないという態度を取る。
最後は屋上から花子さんに突き落とされて死ぬが、金魚の糞たちに責任を押しつけられた。
・及川真由美(演:種村江津子)
代表作に『狂覗』、『リアル鬼ごっこ3』などがあります。
さよの母親。東京に住んでいたが、精神を病んだせいで母親が住んでいる田舎へ越してきた。
ずっと外を見ながら呆然とタバコを吸って、無気力な言動でさよたちと会話をしていた。
過去に花子を産んでいるが、出生届や戸籍にも登録せず誰にも知られないように育てていた。
花子の父親に捨てられて路頭に迷うが、さよの父親と出会った事でこっそりと処分をした。
最後は花子が帰ってきたと知って、母親を殺し、さよの目の前で包丁を首に刺して自殺した。
・花子さん(演:赤羽菜々)
本作が長編映画デビュー作となります。
貴子や達也が小学生の頃に学校へ出入りしていた不気味な女の子。常に人形を持っていた。
転校してきたさよがトイレで存在に気付かれてしまうが、ハッキリと姿を見せずにいた。
真帆や恵子が死んだ現場でさよに目撃されると、ずっと彼女を呼ぶ声を響かせていた。
生きていた頃に達也の告げ口でいつも遊んでいたトイレを追われ、人形までなくしてしまう。
最後は種違いの妹であるさよをトイレに誘い出し、彼女を新たなトイレの住人に仕立てた。
感想
[個人的な評価]
本作は有名な都市伝説である『トイレの花子さん』をベースにした作品となります。
これまで映画としてスピンオフを含めて4作も製作され、本作は3作目だが繋がりはないです。
都市伝説をベースにした作品は学園映画というパターンがほとんどで、決まって壮絶な女同士のイジメが展開されます。
もちろん、イジメを止める人がいなくてエスカレートして、ターゲットにされた人間は死んで都市伝説の妖怪に変わります。
本作でも王道的なパターンを見せていますが、みんなが揃って感情が欠落したような態度で不自然さ満点でした。
イジメを受けていた女子生徒が死んで誰も悲しまないのは分かるが、イジメを先導していたリーダーが死んでも金魚の糞たちは悲しまない。
むしろ、真帆が死んだ原因のイジメはリーダーのせいだと言葉をかえて、自分たちは被害者だと主張を始めるという。
あまりにも感情がなさすぎて本題であるはずの花子さんよりも恐ろしいという印象を持った。
花子さんをメインにしているはずだが、そっちの方に恐ろしさを感じさせる点で完全に間違った方向性を示しています。
主人公はずっとマゴマゴして役目を果たさないといけないので、強引すぎる正義感を出して中途半端な結果しか生まずに少しイライラします。
周囲の人間も致命的な鈍感さと頭の悪さを露呈していて、誰一人として魅力的なキャラクターはいなかったのも致命的でした。
肝心の花子さんも独自にアレンジしてしまい、トイレだけしか出ない怖さが町全体になって良さを見事に打ち消している。
都市伝説をベースにした作品は売れないアイドルや役者の残念な演技により、世間的に見向きもされないような作品になったのは悲しい限りです。
特に主演を務めた上野優華の演技が突出してヒドイので、作品全体のレベルを一段階ほども下げてしまっている。
担任役の水崎綾女もスーツがまったく似合っておらず、仕方なく就職活動をするギャルにしか見えなかった。
真帆の兄である達也を演じた馬場良馬はマトモな方だったが、ずっと「はあはあ」と息を吐く演技しか印象に残らず。
こういう作品の類は演技のレベルは低いのは仕方ないにしても、「トイレの花子さん」という限定的な魅力を改悪したアレンジも良くなかったです。
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