作品データ
あらすじ
台湾の国会・立法院では、化学工場の建設を巡って反対派と賛成派の審議が糾弾していた。
そんな中、壇上に立った台湾総統が突如ゾンビに変異し、義場は瞬く間にゾンビウイルスが拡散して地獄絵図と化した。
武術使いの女性立法委員インインと、彼女に片思いする警備員のヨウウェイは、この地獄を生き延びるべく壮絶な戦いを繰り広げるのあった。
登場人物&出演者
・ワン・ヨウウェイ(演:ブルース・ハー)
代表作に『この街に心揺れて』、『悲しみより、もっと悲しい物語』などがあります。
主人公。立法院の警備員。出血性疾病の持病によって鼻血を出してしまう。子供の頃からインインに片思いをしている。
工事建設の反対派だったインインが暴れたところで止めに入り、新たな立法委員となった。
当初は権力を手に入れればインインに認められると勘違いし、彼女の気持ちを損ねていた。
立法院で感染が拡大して噛まれるが、持病により抗体を持っていて、チューに血を狙われる。
最後は裏切ったグオチョンを倒し、生還すると、立法委員としてワクチンの議論を始める。
・ション・インイン(演:メーガン・ライ)
代表作に『台北24時』、『花椒の味』などがあります。
ヒロイン。立法院の委員。立法のスパイス娘と呼ばれる。故郷が工事建設で取り潰しになる事を止めようとする。
反対派として暴れたせいで辞職に追い込まれ、代わりの委員となったヨウウェイの助手に。
ヨウウェイが出世欲に駆られた事にブチ切れるが、心を入れ替えた彼の助手を続行させる。
立法院が感染者だらけになって、父親も感染して犠牲となり、ヨウウェイの励ましを受ける。
最後はグオチョンを倒し、フォンホワの犠牲で生還し、ヨウウェイの付き合う事になる。
・グー・ドーヨウ(演:リン・ホーシュエン)
代表作に『私の少女時代/Our Times』、『怪奇温泉旅館』などがあります。
助っ人代替役。立法委員となったヨウウェイの代わりに警備員となる。基本的にやる気がなく適当にやっている。
立法委員となったヨウウェイがやって来ると、代替役が終わる時間まで適当に待っていた。
ウイルスによる感染が立法院に拡大し、チューから外に誰も出すなという警告を受ける。
感染者に襲われてヨウウェイたちと合流し、爪切りを片手になんとか倒して助かっていた。
最後はジョンチアンやフォンホワの犠牲などを経て生還し、ヨウウェイに感謝をしていた。
・ワン・フォンホワ(演:フランチェスカ・カオ)
代表作に『The Losers』、『人面魚/THE DEVIL FISH』などがあります。
立法院で“人事部の魔女”と呼ばれている。重度のヘビースモーカーで、それが原因で肺腺ガンのステージ4となる。
ヨウウェイの助手を辞めたいインインが書類を持ってくるが、末期ガンである事にキレる。
いつも話し相手となるジョンチアンの言葉に惚れて、立法院の裏にある別室でイチャイチャ。
立法院が感染で溢れ出すと、ヨウウェイと合流してインインたちによって助け出された。
最後は変異したグオチョンに噛まれて感染すると、ヨウウェイたちを逃がす為に犠牲となる。
・ション・ジョンチアン(演:トゥオ・ツォンオア)
代表作に『ラスト、コーション』、『ウォーリアー&ウルフ』などがあります。
インインの父親。元特殊部隊で除隊後に立法院の雑用係をしている。気性が荒く総統に憎しみを持っている。
総統が立法院に来ると知り、工事建設を承諾した事から殺そうとしてインインに止められた。
いつも話し相手になっていたフォンホワが末期ガンと知って、彼女に誘われてイチャイチャ。
立法院で感染が発生して、フォンホワと一緒に巻き込まれると、インインに助け出された。
最後は噛まれた事でインインに別れを告げ、彼らが逃げ出す為の時間を作る為に犠牲となる。
・リー・グオチョン(演:ワン・チュンフアン)
代表作に『スー・チー in 愛慾 The Stinging Angel』、『Happy Dorm』などがあります。
立法院の委員。立法のチンピラと呼ばれている。強国との外交で裏金を手に入れて支持も手にしていた。
工事建設の反対派であるインインが失脚し、代わりとなるヨウウェイを応援して恩を売った。
ヨウウェイが裏切るようなマネをされ、立法院で感染が拡大すると別の部屋に避難した。
部屋に感染者が侵入してヨウウェイたちと合流するが、裏切って一人で抜け道で逃げ出した。
最後は噛まれて感染するもヨウウェイの血で克服し、生き延びようとして反撃を受けて死亡。
・チュー(演:リー・クイフェン)
代表作に『遊鯤島/戲金城』などがあります。
立法院の監視をする男。農業疾病協会会長、疾病管理署代理署長、中央疾病センター責任者、農攻隊隊長の肩書を持つ。
グオチョンと裏で繋がっていて、工事建設に賛成して行政院長の座をずっと狙っていた。
ウイルスによる感染が立法院で拡大すると、ドーヨウに外へ誰も出さないように警告した。
ヨウウェイの血にウイルスの抗体があると知って、手に入れようとするも反撃されて逃げる。
最後は立法院の爆破をセットするが、ライセンス切れでドアが開けられず一緒に爆死した。
感想
[個人的な評価]
本作は『シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2021』にて上映されています。
この作品はワン・イーファン監督にとって長編映画デビュー作となります。
中国や香港じゃなく、珍しい台湾産のゾンビ映画という事になっているが、正確に言うと感染系ホラー映画となります。
ゾンビ映画ならば、一度噛まれて死んでから蘇って純粋な食欲に突き動かされるルールがある。
しかし、本作では噛まれてから発症するまで1分ほどで、一度死んでいるワケじゃなく、健常者を噛む理由が感染拡大というだけになっている。
なので、ゾンビ映画という風にするのは少し違うが、そのような細かい事に他の人間は気にしないだろうと思います。
さて、内容としては何度か話題になる台湾の立法院での激しいやり取りで、そこに感染系ホラー映画の要素を上手く風刺として取り込んでいる。
とにかく、最初から最後までずっとハイテンションで進んでいく為、演じている方もそうだが、観ている側として非常に疲れてしまう。
最初からヒロインと主人公がハイテンションとやり合って、その後も台湾立法院の名物である激しいやり取りがずっと続いていきます。
ホラー映画としての緊張感を最初から捨てていて、あくまでポップな感じの演出でずっと続いてきます。
冒頭から立法院で繰り広げられる激しいやり取りの中で、ヒロインが惜しげもなくプロレス技を出しているのがとても良い。
そこで人間ドラマを出そうとするので、このハイテンションの中でやるのは少し微妙で、残念ながらそこまで感動は呼び込まないです。
とにかく、本作はバカ映画としてハイテンションに振り切っていて、最後まで観てしまうと疲れるが、それでも楽しませようという演出が伝わってきました。
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