作品データ
あらすじ
1985年、アメリカの植物学研究者であるデニスは、人間を仮死状態にして操るゾンビパウダーの存在を知り、独裁政権下の南米ハイチへ向かう。
強気で命知らずなデニスは、現地の美人精神科医マリエルの助けを借り、霊媒師が執り行う妖しい降霊儀式や神秘の祭礼に参加する。
やがて、7年前に埋葬されて甦った男と出会い、秘密警察に命を狙われながらも、ゾンビパウダーの調合師と薬の精製を始めていくのだった。
登場人物&出演者
・デニス・アラン博士(演:ビル・プルマン)
近年の出演作に『ネクスト・ドリーム/ふたりで叶える夢』、『ダーク・ウォーターズ/巨大企業が恐れた男』などがあります。
主人公。植物学者。友人である製薬会社の顧問からゾンビ化する謎の粉の調査を依頼される。
ハイチに到着しデュシャンと合流すると、ゾンビと自称するクリストフと会って疑問を持つ。
謎の粉を手に入れる為にモーツァルトに接触するが、ペイトロウから股間に拷問を受けた。
強制帰国するも謎の粉を持ち帰り、デュシャンが危険としてハイチに行くも埋められた。
最後は復活してハイチで革命が起きて、ルシエンの助力によりペイトロウを地獄送りにした。
・マリエル・デュシャン医師(演:キャシー・タイソン)
代表作に『モナリザ』、『司祭』などがあります。
ヒロイン。ハイチの精神科医。ゾンビ化させる謎の粉を探るデニスを出迎える。学問と信仰は矛盾しないと豪語する。
ゾンビ化した患者の治療を行っていて、記憶を保持するクリストフは貴重な人物と考える。
ルシエンに謎の粉について聞き出し、デニスとともにモーツァルトの元で本物を目にした。
ペイトロウがデニスを拷問して、彼の危険を思って帰国させて自身は無事に病院で仕事する。
最後は生贄にされる為に捕まったが、ルシエンの魂を解放させてデニスがペイトロウを倒す。
・ルシエン・セリーヌ(演:ポール・ウィンフィールド)
代表作に『ターミネーター』、『マーズ・アタック!』などがあります。
ナイトクラブを経営し、ブードゥー教にも精通している。デュシャンがデニスに紹介してゾンビについて聞かれる。
パーティーでデニスにゾンビや謎の粉について何も話さず、ペイトロウとは敵対している。
墓場でクリストフと会ったデニスから謎の粉について質問され、モーツァルトを紹介した。
再びハイチに来たデニスを空港から連れ出し、お呪いをかけてペイトロウから守っていく。
最後はすべてを知っていたペイトロウの呪いを食らって死亡し、魂を封印されてしまう。
・ルイ・モーツァルト(演:ブレント・ジェニングス)
代表作に『レッドブル』、『マネーボール』などがあります。
闘鶏場を営んでいる。ルシエンの親友。人をゾンビ化する謎の粉を所有していて、デニスたちがやって来る。
高い金を要求してヤギを使って実際の効果を見せるが、デニスたちに上手くはぐらかされる。
生きたヤギを見せるもデニスに偽物だと見透かされ、本物を作る為に彼の協力を約束させた。
魔術師の遺体の骨や毒を調合し、強制帰国されるデニスに渡して名前を広める約束をした。
最後はペイトロウにすべてがバレてしまい、儀式の生贄にされる為に首を切り落とされた。
・スクンバッカー教授(演:マイケル・ガフ)
晩年の出演作に『アリス・イン・ワンダーランド』、『ティーム・バートンのコープスブライド』などがあります。
デニスの友人で製薬会社の顧問。キャシディ会長が聞きつけたゾンビ化現象が起こせる薬についてデニスを呼んだ。
謎の多い粉について興味を持っていて、単なる薬品じゃなく魂に影響するモノだと考える。
疑っていたデニスに呪いなどの関係性を話し、彼に謎の粉を持ち帰るように説得していた。
キャシディ会長の食事会に招かれたデニスの功績を讃え、ノーベル賞が狙えると話した。
最後はキャシディ会長の妻がペイトロウの呪いで暴れ、その姿を見て純粋に驚きを見せた。
・キャシディ会長(演:ポール・ギルフォイル)
代表作に『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』、『ドント・ルック・アップ』などがあります。
ボストン薬学研究所の会長。顧問であるスクンバッカー教授からデニスに紹介される。ゾンビ化現象に興味を持つ。
会社にデニスを呼び寄せると、ゾンビ化する謎の粉についてハイチへ調査する依頼をした。
強制帰国させられたデニスがゾンビパウダーを持ち帰り、この強力すぎる効能に驚いていた。
商品化を進めていき、会社の株価が上昇する中でデニスを迎えて彼の功績を褒めていた。
最後は食事会で妻がペイトロウの呪いを受け、デニスを襲った状況を見て抑えるだけだった。
・クリストフ・デュラン(演:コンラッド・ロバーツ)
代表作に『リベンジャー』、『スコーピオン・キング』などがあります。
ハイチの男性。一度死んで埋葬までされるが、謎の粉の力によってゾンビ化して復活するも記憶を保持している。
墓場に来たデニスたちに遭遇すると、検査をしたい申し出をされるも拒否して逃げ出した。
生前は小学校の教師をして、デュシャンとともにペイトロウに対して反抗的な態度を取った。
復活してから魂が囚われた状態となっていて、マトモに会話ができないような状況となる。
最後は埋められていたデニスの墓を手で掘り出し、彼に毒のせいだと本心を話し安堵させた。
・ダージェン・ペイトロウ(演:ゼイクス・モカエ)
代表作に『アウトブレイク』、『ウォーターワールド』などがあります。
秘密警察のボスでブードゥー教の司祭。ルシエンと敵対しており、黒魔術を使って国を牛耳っている。
ハイチに来る前からデニスの存在を知っていて、実際にやって来ると呪いの力を見せていた。
ゾンビパウダーを持ち帰ろうとしたデニスを誘拐し、股間に釘を打つ拷問をして帰国させた。
警告としてデニスの仲間に呪いをかけ、彼がハイチに来るとルシエンを呪い殺し誘拐した。
最後はデニスを埋めるも復活され、ルシエンや他の者の魂を解放させられ地獄に落とされた。
感想
[個人的な評価]
本作はウェイド・デイヴィスのノンフィクション小説『蛇と虹/ゾンビの謎に挑む』を原作にした作品となります。
この作品は『エルム街の悪夢』や『スクリーム』シリーズで知られるウェス・クレイヴンが監督を務めています。
ゾンビ映画であるけど、ジョージ・A・ロメロが作り上げた現代的なタイプではなく、旧来の呪いによるゾンビ映画となっています。
その為、切っても切り離せないハイチが登場していくが、その内容もまた呪いや黒魔術というオカルトテイストな感じになっています。
元々のゾンビ映画は『恐怖城/ホワイト・ゾンビ』を元祖にしているが、こちらはハイチのゾンビが元ネタとなっています。
なので、実際のゾンビ映画というのはブードゥー教のゾンビであり、ウイルスによる感染はロメロが作り出した新たなゾンビ映画と言えるだろう。
そんな本作ではゾンビを作り出す謎の粉「ゾンビパウダー」を巡る話しだが、当然ながら簡単に入手はできない。
それを止めているハイチの裏ボス的な人物が主人公に黒魔術での呪いをかけたり、実際に誘拐して拷問したりと従来のゾンビ映画とは違ったアプローチになっています。
なので、ゾンビ化してパニックになる状況じゃなく、ホラーとサスペンスを合わせたような展開になっています。
主人公を若き日のビル・プルマンが演じているが、あくまでゾンビパウダーは薬品の一種として信じるが、ハイチに行くと黒魔術の恐怖を思い知る結果になります。
原作はノンフィクション小説なので、実際に調査した著者の話しをベースにしていて、そこに映画的な演出も加わっている感じとなります。
ラストはとことん黒魔術のようなバトルになって、急にファンタジーな雰囲気になるが、それまでの地味な展開として考えると悪くないかもしれない。
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