作品データ
あらすじ
ある日、スペースシャトルが原因不明の事故で地球に墜落し、調査の結果、その残骸には謎の生命体が付着していた。
やがて、感情を失ったように人間の行動を変質させる謎の伝染病が発生し、精神分析医のキャロルは友人の医師ベンとともに病原体が地球外のモノだと突き止める。
分析の結果、そのウイルスは人体に侵入し潜伏すると、睡眠中に遺伝子を書き換え、人間ではない何かに変えてしまうと判明するのだった。
登場人物&出演者
・キャロル・ベネル(演:ニコール・キッドマン)
近年の出演作に『ノースマン/導かれし復讐者』、『愛すべき夫妻の秘密』などがあります。
主人公。精神分析医。4年前に夫のタッカーと離婚し、一人息子のオリバーを女手一つで育てている。
予約がいっぱいで常に仕事をするが、患者のウェンディから夫が別人だと聞かされていた。
元夫に初めて息子を預けていくと、ロシアの大使が変異したと知ってウイルスが危険と知る。
慌てて息子を迎えに行って元夫から逃げ出し、感染したベンを退けてスティーヴンと脱出。
最後はワクチンの開発で感染者が消え、ベンと同居するも感染した彼の言葉を忘れられず。
・オリバー・ベネル(演:ジャクソン・ボンド)
代表作に『アメリカン・ウォー』、『ウィルソン』などがあります。
キャロルの一人息子。両親が4年前に離婚して以来、ずっと母親と二人暮らしをしていた。
父親と会う事が決まってから、悪夢を見るようになって母親が駆けつけて安心させていた。
すでに父親が感染している事を知らず、家に泊まるも過去の病気から免疫があると判明した。
感染者のフリをした母親が迎えに来ると、二人で脱出してスティーヴンのヘリに乗った。
最後はワクチンがウイルスを撲滅し、両親を失った友達が養子になって家族として暮らす。
・ベン・ドリスコル(演:ダニエル・クレイグ)
近年の出演作に『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』などがあります。
医者でキャロルとは親友のような関係。ロシアの大使と会食するなど顔が広く、キャロルとお似合いと言われる。
キャロルが持ってきた皮膚組織をスティーヴンに分析させ、人を変えるウイルスだと知った。
息子を助けに行きたいキャロルを送り出し、ようやく合流するも感染していると判明した。
キャロルに仲間となれば争いはなくなると説得するが、拒否されて足を撃たれて逃げられた。
最後はスティーヴンたちが開発したワクチンでウイルスを排除し、キャロルたちと同居する。
・スティーヴン・ガレアーノ(演:ジェフリー・ライト)
代表作に『007』シリーズ、『ハンガーゲーム』シリーズなどがあります。
ウイルス学者でベンの同僚。キャロルが皮膚組織を持ってくると、すぐに分析すると言って取りかかる。
周囲の人間の様子がおかしくなる中、分析の結果をキャロルたちに話し未知の生物と説明。
ベンの知り合いの調子がおかしくなると、一緒にやって来て膜に包まれている様子を見た。
研究室に帰ってからワクチンを作るようになり、キャロルたちを助ける為に街へ迎えに行く。
最後はワクチンの開発に成功し、世界中の感染者に投与する事でウイルスの排除に成功した。
・ウェンディ・レンク(演:ヴェロニカ・カートライト)
近年の出演作に『フローズン・ビロウ』、『愛についてのキンゼイ・レポート』などがあります。
キャロルの患者。過去に夫から暴力を受けている。4年間もキャロルの元に通って夫との関係について相談している。
いつものようにキャロルの元に来るが、情緒不安定な状態で夫が別人のようになったと話す。
飼い犬を無表情で殺害され、そのままゴミ箱に捨てた異常性について相談して困惑していた。
夫が黙ってキャロルの元にいるという電話をもらうと、妹のところに避難すると言って去る。
最後はウイルスに感染しない免疫の持ち主だが、感染者によって強引に連行されてしまう。
・タッカー・カウフマン(演:ジェレミー・ノーサム)
代表作に『ミミック』、『ゴスフォード・パーク』などがあります。
疾病対策センターの職員。スペースシャトルが墜落し、付着していた未知の生物について現場で見ていた。
女の子に手渡された破片から感染してしまい、キャロルに息子に会いたいと言っていた。
すでに別人へと変異していて、世界中で流行る病気の為にウイルス入りのワクチンを提供。
キャロルが仲間と偽って息子を連れ出され、捕まえようとみんなで追いかけるも逃げられた。
最後は廃工場に逃げたキャロルたちを追い詰めるが、息子との連携により気絶させられた。
感想
[個人的な評価]
本作はジャック・フィニイのSF小説『盗まれた街』が原作となっていて、今回で4度目の実写映画化となっています。
この作品は『ヒトラー/最期の12日間』や『ダイアナ』で知られるオリヴァー・ヒルシュビーゲルが監督を務めています。
これまで三度の実写映画化されていますが、その中で1978年に公開された『SF/ボディ・スナッチャー』が一番印象に残っています。
ドナルド・サザーランドが主人公を演じていたが、本作とはベースの設定が同じでも結末がまったく違っています。
本作では未知のウイルスに対抗する手段を研究者たちが見つけ、ワクチンとして世界中の人間を元の状態に戻しています。
結局、一過性だけの現象になってしまい、1年後には元通りの生活に戻っているところでハッピーエンドになりました。
しかし、『SF/ボディ・スナッチャー』では奔走する主人公たちの努力も虚しく、結局は原作の通り世界が謎のウイルスに支配されてしまう。
本作ではテンポよく物語が進んでいき、息子を守りたいニコール・キッドマンの演技は良かったけど、作品自体に強いインパクトはなかったです。
逆にドナルド・サザーランドの主演作はホラー要素が強く、終盤にかけての絶望感が原作の設定と非常に親和性が高かったです。
特にラストでドナルド・サザーランドが指を差しながら不気味な表情で叫んでいる姿こそ、作品を象徴する恐怖としてインパクトがありました。
やはり、本作がホラーよりもサスペンスに近い内容になってしまい、原作の良さを活かせていなかったのはもったいないと感じました。
どうしても何度も実写映画化された作品は過去作と比べる事になるが、アレンジしたのは分かるけど、1978年よりもインパクトが薄かったのは残念でした。
リンク
コメント