作品データ
あらすじ
ハリウッド大通りでパフォーマーをしながら日銭を稼ぐムースは映画オタクで、人気俳優ハンター・ダンバーの熱狂的なファン。
念願のサイン会でハンター・ダンバーと出会ったムースだが、冷たくあしらわれた事が原因で愛情が次第に歪んでいく。
ダンバーの豪邸を突き止めたムースは、何度となく接触を試みる激しく拒絶されると、ついに彼の行動は悲劇を招く事になるのだった。
登場人物&出演者
・ムース(演:ジョン・トラボルタ)
近年の出演作に『ポイズンローズ』、『ワイルド・レース』などがあります。
主人公。ハリウッドでパフォーマンスで日銭を稼ぐ。映画オタクで人気俳優ハンター・ダンバーの熱狂的なファン。
ダンバーが常連の店でサイン会にやって来るが、プライベートな問題で結局はもらえず。
リアから教えられたアプリでダンバーの家に不法侵入し、メイドを勢いで殺すも理解せず。
一線を越えてダンバーを拘束してストーカーじゃないと話し、彼との和解を求めようとした。
最後はダンバーの反撃で右手と右目を失い、街を歩いているとリアに見つかって助けられた。
・ハンター・ダンバー(演:デヴォン・サワ)
近年の出演作に『大脱出3』、『エクソシズム・オブ・モリー・ハートレイ』などがあります。
ハリウッドで人気俳優。主にアクション映画へ出演しているが、妻とは上手くいっておらず別居状態になる。
サイン会でムースの番になって妻がやって来ると、強く迫った彼を激しく拒絶して脅迫した。
自宅を探し出して来ていたムースに最初からブチ切れて、彼を力づくで追い出してしまう。
ムースに拘束されて彼をなんとか説得して、右手と右目を奪うが、罪悪感からそのまま解放。
最後は庭師の通報でメイドの殺害の容疑をかけられ、警察が訪れて逮捕されてしまう。
・リア(演:アナ・ゴーリャ)
代表作に『Full Out』、『The Cuban』などがあります。
ハリウッドで写真家として活動している。パーティでの撮影をするが、基本的にセレブのパパラッチをしている。
純粋な映画オタクなムースにとって唯一の親友で、彼の為にお金の貸しや情報を渡していた。
どうしてもダンバーと会いたいムースをパーティに入れるが、彼が暴走して何もできず。
有名人の住所が表示されるアプリをムースに紹介するが、不法侵入した事で強く警告した。
最後は右手と右目を失って街を歩いていたムースを見つけると、そのまま病院へ連れていく。
・アーロン(演:ジョシュ・リッチマン)
代表作に『スラッシュ!!』、『リバース・エッジ』などがあります。
ハリウッドでタレントショップを営んでいる。常連客であるムースにいろんな情報を与える。
ムースがハンター・ダンバーの大ファンだと知っていて、彼のサイン会をやると教えた。
ハンター・ダンバーが映画で使っていたジャケットを所持し、ムースの為に安く売っていた。
最後はサイン会でダンバーの妻が来たと彼に教えて、サインがもらえないムースを労った。
・ディック(演:ケネス・ファーマー)
代表作に『Cold Feet』、『アリス』などがあります。
ハリウッドの街を徘徊している警備員。トイレでトッドにからかわれていたムースを助けた。
純粋な心を持つムースを誰よりも認めていて、トッドに負けないように何度も励ましていた。
最後はトッドの首を締めて泣いていたムースを励ますも、拒絶されて立ち去る彼を見送る。
・トッド(演:ジェイコブ・グロドニック)
代表作に『エンド・オブ・ア・ガン/沈黙の銃弾』、『ブレイク・ダウン』などがあります。
ハリウッドでストリートパフォーマンスをしている。タンクトップで血糊を使ったパフォーマンスで客を呼ぶ。
軽快なトークと体を張ったパフォーマンスをするが、相棒が客からスリを働いて儲けている。
取り分について相棒と口論してしまい、スリを知っているムースに組もうと迫っていた。
儲からないパフォーマンスをするムースを見下し、相棒とからかうもディックに止められた。
最後はドラッグ欲しさにムースとしつこく組もうとしたが、首を締められてビビってしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は『第40回ゴールデンラズベリー賞』にて最低主演男優賞を受賞し、最低作品賞、最低監督賞にノミネートされています。
この作品はフレッド・ダーストが監督、脚本、製作などと活躍して駄作を作り上げました。
ジョン・トラボルタは現在だと微妙な立ち位置の俳優になっていて、本作と前年に公開された『ワイルド・レース』がラジー賞を受賞した。
そもそも、このラジー賞は単なる話題にしようとしているだけで、その作品や役者の演技に対しての評価ではないと言えるだろう。
その証拠に本作のジョン・トラボルタが演じる映画オタクのキャラクターが濃く、軽い知的障害を患っているような感じはしっかりと描写している。
ファンがストーカー化する事は決して珍しいワケじゃなく、特にハリウッドではそのような状況になっても仕方ないと言えるだろう。
似たような映画だとロバート・デ・ニーロ主演の『ザ・ファン』なんてあるが、こっちの方はMTV主催の映画賞にノミネートされています。
このように近年のジョン・トラボルタは微妙な作品に出ているせいで、ラジー賞に目をつけられた印象が強く、受賞してしまったと思います。
『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』でロバート・ダウニー・Jrの役で、『レインマン』と『ミルク』という作品の違いを語っていました。
前者は知的障害者でも数学的な天才だが、後者は単なる知的障害者に収まったせいで物語としての深みがないと解説していました。
本作はまさしく後者になっていて、主人公のムースは映画オタクであっても、社会的な貢献はほぼ皆無なせいで独りよがりなキャラクターになってしまった。
純粋な心を持っているが故に行動が極端になるが、少しでも社会貢献できるか、圧倒的な才能を持っていれば、キャラクターとして共感を持たれただけで惜しいと感じました。
ラジー賞を受賞したとは言え、ジョン・トラボルタの演技は決して悪くないと感じました。
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