作品データ
公開年月 | 2020/10/23 |
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ジャンル | コメディ/アクション |
原作 | チョ・クムサン 『Stat-Up』 |
監督 | チェ・ジョンヨル |
脚本 | チェ・ジョンヨル、チョ・クムサン |
製作 | リュ・スンワン |
製作国 | 韓国 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
学校も嫌いで家も嫌い、ましてや勉強なんか大嫌いだと反抗し、母親に一日一発の強烈なビンタを食らう少年のテギル。
あてもなく家を飛び出たテギルは偶然入ったチャンプン飯店で、独特のオーラを放つ厨房長のコソクと出会う。
強烈な挨拶を交わし、その直後から人生最大の敵となったコソクとテギルは、チャンプン飯店で奇想天外な人間たちとの出会いで世の中を学んでいくのだった。
登場人物&出演者

代表作に『フィスト・オブ・レジェンド』、『サバハ』などがあります。
主人公。高校を中退した18歳。予備校に通っていたが、イヤになって勝手に辞めたせいで母親に怒られる。
負け組の人生でも自由に生きたい気持ちを母親に話すが、意見の相違でそのまま家出する。
偶然入ったチャンプン飯店で住み込みバイトの張り紙を見て、オーナーに頼んで入った。
母親が店を開くと戻ってくるが、金貸しで返済が滞ってギョンジュと取り立てを止めていた。
最後は母親と和解し、店が取り壊されるが、サンピルの家に移って一緒に暮らす事になる。

代表作に『レディアクション/4つの青春』、『王様の事件手帖』などがあります。
テギルの親友。テギルと同じく高校を中退している。痴呆症の祖母と二人暮らしだが経済的に困窮している。
祖母との暮らしに限界を感じていると、知り合いだったドンファの誘いで取り立て屋に入る。
当初は話し合いだけで金を取り立てていたが、ある店で暴力を受けた事から危険を感じた。
テギルの母親から取り立てる事になるが、あまりにも非道な仕打ちに仕事を辞めてしまう。
最後はテギル親子を家に迎えて一緒に暮らし、チキン屋を始めたドンファと笑顔で再会した。

代表作に『H[エイチ]』、『未成年』などがあります。
テギルの母親。元バレーボール選手。才能がなかったせいで常に控え選手で大成はしなかった。
シングルマザーでテギルを育てていたが、高校を辞めて自由に生きようとする息子に怒る。
母親として息子を育てようとするが、接し方が不器用で問題を起こすと常に手を上げていた。
息子が家出をしてしまい、トースト屋を開店させるが、違法建築のせいで取り壊しとなる。
最後は戻ってきたテギルとの仲を修復師、サンピルたちの家に引っ越して一緒に暮らす。

代表作に『ソウル』、『The Dog Days』などがあります。
天涯孤独な若い女性。ピンクの髪の毛を持ち、他人とは初対面でもタメ口を利いてしまう。
テギルに見られて機嫌を損ねると、ボクシング経験者という事であっという間に倒した。
サウナで寝泊まりしていたが、二人組の女性に声をかけられて家賃をシェアする事になる。
児童買春をする二人組が家にいて、ケンカで勝てず逃げていると、テギルに助けられた。
最後はチャンプン飯店の一員となって、髪の毛も黒に戻して、真面目に学校へ通っていた。

代表作に『1987、ある闘いの真実』、『ザ・バッド・ガイズ』などがあります。
チャンプン飯店で配達をしている青年。あまり頭の出来が良くないせいで何度か配達でミスをしている。
たまたま店を訪れて食事していたテギルがいて、配達で物を忘れてコソクに殴られていた。
テギルが新たなバイトとして入ると、挨拶を交わしたと同時に小銭をバラ撒いてしまう。
将来は店の厨房に立とうと密かに練習していて、実は両親に捨てられた過去を持っている。
最後は裏の仕事を終えたコソクが戻ってきて、厨房で料理について教えてもらっていた。

代表作に『シークレット・サンシャイン』、『暗数殺人』などがあります。
チャンプン飯店のオーナー。丁寧な言葉遣いで面倒見が良い。いつも店の一角で新聞を呼んでいる。
住み込みバイトをしたいテギルを雇うと、母親との関係を知って会うべきだと話していた。
実は過去に娘を亡くしていて、自殺しようとしたところでコソクに助けてもらっていた。
児童買春をする二人組に店を破壊される中で、娘の骨壷が倒されると静かに悲しんでいた。
最後はギョンジュを店の一員に迎えて、コソクやグマンたちと再び店を切り盛りしていた。

代表作に『僕の中のあいつ』、『8番目の男』などがあります。
サンピルと知り合いのおじさん。金融業で働いていて、返済しない債務者の取り立てをしている。
街で偶然再会したサンピルを取り立て屋に誘い、話し合いだけで大丈夫だと豪語していた。
サンピルが一人で取り立てをした時にケガしてしまい、そのせいで社長から怒られてしまう。
問題のある債務者から暴力で返済を強いられ、そのせいで仕事が続けられず辞めていた。
最後はチキン屋を開店して頼んだサンピルと再会し、バイトが足りないと話して無料にした。

近年の出演作に『白頭山大噴火』、『ザ・バッド・ガイズ』などがあります。
チャンプン飯店で料理を作っている。オカッパ頭で筋骨隆々。寝る時は目が開いたままで恐ろしい形相。
敬語が使えずイキっていたテギルに挑発されると、圧倒的なパワーによって躾けていた。
アイドルが大好きで歌って踊り、常に挑発するテギルをからかいながら人生について教える。
その正体は裏社会で有名な人物で、イヤになってチャンプン飯店のオーナーの自殺を止めた。
最後は裏社会で決着をつけて、料理人の方がいいとしてチャンプン飯店に戻ってきた。
感想
[個人的な評価]
本作はチョ・クムサンの同名WEB漫画を原作にした作品となります。
過去に『殺人漫画』という韓国映画を鑑賞したが、これもWEB漫画が原作でした。
どうやら韓国では紙媒体よりもWEB上での漫画の方がヒットしていて、本作もそのような作品となっています。
ジャケットではオカッパ頭のマ・ドンソクが強烈なインパクトを出していて、軽く笑えるコメディだと思っていました。
しかし、実際の中身はバカであっても自由に生きようとする登場人物たちの強いメッセージのある作品でした。
全体的にコメディタッチで描かれているが、本作は人生に迷っている人にとって強く心に響くところがあります。
特に主人公のテギルは学歴社会と呼ばれる韓国において、負け組で自覚しながらも自由に生きようとする姿は他人事とは思えない。
世の中では勝ち組よりも負け組の方が圧倒的に多いと個人的に思っていて、金銭的に豊かじゃなくても、心が豊かであれば幸せだと分かります。
確かにお金がないと何もできないけど、だからと言って、お金ばっかりに執着する人生は決して良いとは言えない。
本作では主人公のテギルを含めた登場人物たちは何かしらの問題があるけど、全員は基本的に良い人間で寄り添う彼らの温かさが伝わります。
不器用な愛情しか与えられない母親、痴呆症の祖母と暮らす孫、組織から抜け出した男、両親に捨てられた青年、両親すらいない女性とそれぞれの事情が違う。
ただ、彼らに共通するのは人生の負け組であり、必死に生きようとする中で、社会から排除される存在でも足掻いているところです。
本作はマ・ドンソクがジャケットで目立っていますが、この作品には彼だけじゃなく、登場人物や物語がもっと魅力的だと感じました。
マ・ドンソクが全面的に押すだけの作品ではなく、人生に迷っている人間が自分らしく生きる為のヒントにもなる内容だと思います。
やはり、韓国映画というのは表面的なモノだけじゃなく、ちゃんと鑑賞する側の内面まで迫るだけの面白い作品となっていました。
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