作品データ
公開年月 | 2002/05/03 |
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ジャンル | アクション/SF |
原作 | スタン・リー(原作)、スティーヴ・ディッコ(作画) 『スパイダーマン』 |
監督 | サム・ライミ |
脚本 | デヴィッド・コープ |
製作 | イアン・ブライス、ローラ・ジスキン |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 購入DVD |
あらすじ
幼くして両親を亡くしたピーター・パーカーは、伯父夫婦の元で大切に育てられていた。
ある日、ピーターは大学の研究所を見学した際、遺伝子組み換えされた特殊なクモに噛まれると、スーパーパワーを手に入れていた。
時を同じくして、国防省から資金援助を打ち切られる危機に立たされたノーマン・オズボーンは超人兵士の薬を自らの人体実験をするのだった。
登場人物&出演者

デビュー作に『The Wizard』となります。
主人公。高校生。科学オタクでいつもフラッシュたちにイジメられ、MJに片想いしている。
カメラ好きで学校の新聞に投稿していたが、見学に来た大学でクモに噛まれて生まれ変わる。
伯父の死でスーパーヒーローとしての自覚が生まれ、たった一人で悪党から街を守っていく。
メリー・ジェーンとは微妙な関係を続ける一方、グリーン・ゴブリンと対決して正体を知る。
最後はノーマンを止めようとするもできず、ハリーに恨みを買われるも活動を続けていく。

デビュー作に『Oedipus Wrecks』となります。
ヒロイン。高校生でマドンナ的存在。将来は女優を目指す。父子家庭でケンカが耐えない。
ピーターとは隣同士だったがあまり気に留めていなかったが、話しかけられて意識をする。
みんなにチヤホヤされているが、スパイダーマンに助けられた事で彼に恋心が芽生える。
煮え切らないピーターよりハリーを選んで付き合うが、父親の死で自然消滅してしまう。
最後はノーマンの葬式でピーターに寄ったが、ヒーロー活動を優先されて独り身になった。

デビュー作に『25年目のキス』となります。
ノーマンの一人息子でピーターの親友。学校でイジメを受けるピーターをいつも助けていた。
父親のノーマンに対してコンプレックスを持っていて、愛情を受ける為に思い通りに動く。
ピーターがメリー・ジェーンに片思いしている事を知るが、ガマンできずに手を出した。
ノーマンがグリーン・ゴプリンだと知らず、お祭りでは襲撃に巻き込まれてしまう。
最後はスパイダーマンが父親の死体を持ってきた現場を目撃し、ずっと恨みを持つ事になる。

デビュー作に『ピクニック』となります。
ピーターを育てた伯父。電気工事士で最近は仕事がコンピューター関係ばっかりに嘆く。
優等生なピーターに多大な期待をする一方で、今ひとつ踏み切れない事を感じていた。
父親のように接しようとするが、ピーターから本当の父親じゃないと言われてしまう。
ピーターに「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という重要な言葉を託した。
最後はピーターを迎えに行く際に強盗に遭遇し、撃たれて目の前で亡くなってしまう。

デビュー作に『騎士ブランメル』となります。
ピーターを育てた伯母。電気工事士として仕事のなく文句を言うベンを宥めていた。
異変が起きたピーターを心配していて、ベンと口論した事でなんとか助け舟を出す。
ベンが強盗に殺されてしまうと、ピーターとともに悲しんで絆が強くなっていく。
ピーターの正体がバレて、グリーン・ゴプリンに襲撃されてパニック状態になっていた。
最後は夫の死から立ち直ろうとして、ピーターとの暮らしを再スタートさせた。

代表作に『インパクト・ポイント/狙われたビーチの妖精』などがあります。
ピーターの同級生。典型的な筋肉バカで、ガリ勉タイプのピーターを何かにつけてイジメる。
メリー・ジェーンの恋人で気があるピーターに気付いて、先回りして忠告していた。
最後は事故でピーターに食い物を浴びせられると、追いかけて暴力を振るうもやり返された。

デビュー作に『サイレントナイト/こんな人質もうこりごり』となります。
「デイリー・ビューグル」の編集長。短気で自己中。異常にスパイダーマンを毛嫌っている。
スパイダーマンが悪者を懲らしている事実より、正体を隠している事が気に食わない。
ピーターが持ってくるスパイダーマンの写真を悪事の一部と批判し、勝手にタイトルを妄想。
社員として雇って欲しいピーターを拒んで、若者はフリーで仕事するべきとごまかした。
最後はグリーン・ゴプリンに襲撃されるが、それをスパイダーマンの仕業として記事にした。

デビュー作に『天国の門』となります。
オズコープ社の創設者で著名な科学者。一人息子のハリーに期待するも愛情表現が下手。
グライダーの開発に投資するも軍から良い顔をされず、起死回生の為に自ら実験体となる。
自身の体が強化されて成功したように見えるが、攻撃的な性格が顔を出して暴走を始める。
邪魔するスパイダーマンの正体がピーターだと気付き、メイ伯母さんを襲撃していた。
最後はピーターに説得されるが、裏切ろうとして自分の攻撃を食らって死亡してしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は『第75回アカデミー賞』にて視覚効果賞にノミネートされています。
監督を務めるサム・ライミは『死霊のはらわた』シリーズで知られています。
当時はまだまだアメコミ原作映画の黎明期とも言える時期で、映像技術がようやく派手なアクションを実現できるところまで来ました。
様々なアメコミ原作映画ばそれなりに出ていましたが、このシリーズに関しては初めて一般層を取り込んだ作品でした。
それまではアメコミファンがほとんどでしたが、『スパイダーマン』シリーズだけは別格の存在でアメコミに興味がない人たちも観ていました。
なんと言っても、世界的に有名なスパイダーマンの実写映画化もそうでしたが、何より青春物語としての一面も上手く引き出していた。
元々はホラー映画でカルト的な人気だったサム・ライミ監督がこんな繊細な青春映画を撮れるとは思っていませんでした。
やはり、その原動力は原作が大好きだった事もあって、サム・ライミ監督はそこら辺の人よりも詳しくて好きだったのが大きな意味を持っていました。
アメコミ原作映画は儲かるとしてみんな手を出して、起用される監督たちは原作が大好きとは公言していなかったです。
これは『ロード・オブ・ザ・リング』三部作のピーター・ジャクソン監督にも通じる点で、原作を理解しているからこそ良さを表現できるのだと感じました。
それとキャスティングも素晴らしく、トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、ジェームズの主要人物たちはハマっていたと思います。
キルステン・ダンストはヒロインとして微妙だという声も多かったが、個人的にはある意味、ちょうどいいという印象がありました。
そして、実は最も重要な悪役をクセの強いウィレム・デフォーが演じた事で、何倍も作品の面白さを引き上げているところはスゴイと思いました。
魅力的な主人公がいたとしても、それに対抗するだけのカリスマ性がある悪役がいるといないでは作品の質に大きく関わってきます。
この絶妙なバランスが作品の質を上げていて、アメコミ原作映画特有のコアな部分を青春物語でコーティングしている事で興味のなかった層を取り込んだのは秀逸でした。
サム・ライミ監督はアメコミ原作映画の黎明期にあって、これを支えた人物であり、今のMCUシリーズなどに繋がっているのだと思います。
『スパイダーマン』シリーズは3つありますが、個人的にはサム・ライミ監督版が一番面白いと思っています。
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