昨今のハリウッドでは人種の多様性が注目され、特にアジア人の進出が大きく目立っています。
日本人で初めて活躍したのは早川雪洲で、ハリウッドのセックスシンボルにもなっていました。
早川雪洲が『戦場にかける橋』でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、同年には『サヨナラ』のデビュー作でアカデミー助演女優賞を受賞したナンシー梅木が活躍しました。
しかし、その後は中国系や韓国系の俳優や女優がハリウッドで活躍し、日本人の役を演じていた。
言葉の壁という大きなハンデがあり、未だにハリウッドで問題視される東洋人の人種差別もあります。
そんな中で、近年は多くの日本人がハリウッドに渡って大きな活躍をしています。
今回はハリウッドで活躍している日本出身の俳優・女優をそれぞれ5人紹介します。
ワタシは2009年5月25日から『脳内ミニシアター改』というブログで映画のレビューを書き続け、現在は2000本近い数を書き溜めています
更新日:2022/05/04
日本の映画事情
1986年11月に鉄砲商人の高橋信治によって、アメリカのトーマス・エジソン研究所が開発したキネトスコープ持ち込んで、日本で初の映画を上映しています。
1898年には浅野四郎による短編映画『化け地蔵』と『死人の蘇生』が初の映画撮影となり、映像のみとなるサイレント映画とともに、活動弁士という物語を説明する者も登場しています。
1908年に横田商会が製作し、公開された『本能寺合戦』は初の本格的な劇映画として知られる、残念ながら現時点では鑑賞するのは不可能な作品となっています。
第一次世界大戦後にはハリウッドから映画が日本へ上陸し、その影響を受けて次々と映画会社が設立して、新たな形の映画が作られるようになりました。
1927年には音声を取り入れたトーキー映画の技術が取り込まれ、日本で初めて公開されたのは、1929年の『大尉の娘』で、1931年には『マダムと女房』で完全な形で登場しました。
第二次世界大戦以前はアメリカに次ぐ、世界第2位の製作数の500本であったが、終戦ではわずか26本しか作ることができなくなっていました。
1951年にはGHQによる映画検閲が廃止となると、時代劇映画が復活し、黒澤明を筆頭に国際映画祭で日本映画の存在が大きくなりました。
現代の日本映画は「ジャパニーズ・ホラー」が世界的にブームとなり、日本歴代興行収入では『鬼滅の刃/無限列車編』が400億円を超える大ヒット作となっています。
日本出身の俳優・女優の活躍
近年まで日本出身の役者たちは注目され、言葉の壁を超える若手も多く出てきています。
特にアメリカ生まれでネイティブ英語を話せる若手の俳優や女優の出現により、今後は日本人の活躍が増えています。
では、早速とハリウッドで活躍している日本出身のスターたちを紹介します。
渡辺 謙
本名 | 渡辺 兼 |
生年月日 | 1959年10月21日(62歳) |
出生地 | 新潟県北魚沼郡広神村 |
国籍 | 日本 |
職業 | 俳優 |
活動期間 | 1979年~ |
1983年にテレビドラマシリーズ『未知の反乱』で俳優デビューし、1984年には『瀬戸内少年野球団』で映画デビューしています。
2003年に『ラスト サムライ』でハリウッドデビューし、アカデミー賞では助演男優賞、ゴールデングローブ賞では助演男優賞、サターン賞でも助演男優賞にノミネートされ、世界的に有名となる。
近年では『GODZILLA/ゴジラ』で芹沢猪四郎博士を演じ、続編の『ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ』では、自己犠牲によってゴジラを目覚めさせる大きな役割を果たした。
今や日本出身のハリウッドスターといえば、渡辺謙と答える人が多いだろう
真田 広之
本名 | 下澤 廣之 |
生年月日 | 1960年10月12日(61歳) |
出生地 | 東京都品川区大井 |
国籍 | 日本 |
職業 | 俳優、歌手 |
活動期間 | 1966年-1975年、1978年~ |
1966年に千葉真一が主演した『浪曲子守唄』で映画デビューし、中学入学と同時にジャパンアクションクラブに入団し、高校入学とともに学業に専念するため、芸能活動を休止しています。
1978年に映画『柳生一族の陰謀』で芸能活動を再開させ、1999年にはイギリスのロイヤル・シェイクスピア・カンパニー公演の『リア王』で史上初にして、唯一の日本人として出演しました。
2003年公開の『ラスト サムライ』でハリウッドデビューし、その後は『ウルヴァリン:SAMURAI』や『モータルコンバット』と言ったアクション映画に多く出演しています。
とても60歳を超えているとは思えない身のこなしで、まだまだ活躍を期待しています
尾崎 英二郎
本名 | 尾崎 英二郎 |
生年月日 | 1969年3月31日(53歳) |
出生地 | 神奈川県 |
国籍 | 日本 |
職業 | 俳優 |
活動期間 | 1997年~ |
1997年にNHK連続テレビ小説『あぐり』で俳優デビューし、同年には『新サラリーマン専科』で映画デビューを果たしています。
2003年に映画『ラスト サムライ』での出演では、アクション部門で100人のリーダーを任せられ、その功績からワールド・スタント・アワード・アカデミーの会員として推薦され加盟した。
2009年の短編映画『八人目の侍』でSHOW OFF YOUR SHORTS映画祭で主演男優賞を受賞し、世界最大の短編映画祭LA SHORTS FEST 2009で最高賞を獲得し、アカデミー賞の審査対象作となる。
無名ながらハリウッドに挑戦し続けており、ネイティブ並みの英語力、馬術や剣術ができることから貴重な日本人役として活躍しています
浅野 忠信
本名 | 佐藤 忠信 |
生年月日 | 1973年11月27月(47歳) |
出生地 | 神奈川県横浜市 |
国籍 | 日本 |
職業 | 俳優、音楽家 |
活動期間 | 1988年~ |
1988年にテレビドラマシリーズ『3年B組金八先生第3シリーズ』で俳優デビューし、1990年には『バタアシ金魚』で映画デビューしています。
2008年には映画『モンゴル』がアカデミー賞で外国語作品部門でノミネートされ、2011年には『マイティ・ソー』でハリウッドデビューを果たしています。
近年では『モータルコンバット』や『ケイト』でインパクトのある役を演じています。
主人公というより、いい意味で悪役や脇役として独特な雰囲気があります
MIYAVI
本名 | 石原 崇雅 |
生年月日 | 1981年9月14日(40歳) |
出生地 | 兵庫県川辺郡猪名川町 |
国籍 | 日本 |
職業 | ギタリスト、俳優、実業家 |
活動期間 | 1999年~ |
1999年~2002年にビジュアル系バンド「Dué le quartz」のギタリストとして活動し、その作曲のセンスと一流のテクニックから、「サムライギタリスト」と呼ばれている。
2002年からソロ活動を開始すると、2004年に『おれさま』で主演して俳優デビューしています。
近年では『ミュータンツ/光と闇の能力者』や『キングコング:髑髏島の巨神』があります。
ギタリストでありながら、インパクトのある役柄で今後は活躍が期待できます
工藤 夕貴
本名 | 工藤 夕貴 |
生年月日 | 1971年1月17日(51歳) |
出生地 | 東京都八王子市 |
国籍 | 日本 |
職業 | 女優 |
活動期間 | 1983年~ |
1983年に渋谷でスカウトされて芸能界デビューを果たし、1984年には『逆噴射家族』で女優デビューを果たしています。
1987年からハリウッドに挑戦するべく、独学で英語を身につけ、1989年に『ミステリー・トレイン』でハリウッドデビューをしています。
1995年の『ピクチャーブライド』や1999年の『ヒマラヤ杉に降る雪』が主なハリウッドの代表作であり、2007年には『ラッシュアワー3』では華麗なアクションをみせています。
見えない壁が存在していたハリウッドに、諦めず挑戦し続けた女優として記憶に残すべきだろう
菊池 凛子
本名 | 染谷 百合子 |
生年月日 | 1981年1月6日(41歳) |
出生地 | 神奈川県秦野市 |
国籍 | 日本 |
職業 | 女優、歌手 |
活動期間 | 1996年~ |
1996年にラフォーレ原宿でスカウトされ、芸能界入りしてモデルの仕事をしていました。
1999年に菊池百合子の本名で『生きたい』で女優デビューをしています。
2006年に『バベル』に聴覚障害者の役で世界デビューし、アカデミー助演女優賞を含めた複数の映画賞にノミネートされています。
2014年にRinbjö(リンビョウ)の名義で音楽活動を行っています。
『バベル』は作品として微妙だが、世界的に無名だった菊地凛子の演技は強烈なインパクトがありました
福島 リラ
本名 | 未公開 |
生年月日 | 1980年1月9日(42歳) |
出生地 | 東京都 |
国籍 | 日本 |
職業 | ファッションモデル、女優 |
活動期間 | 2003年~ |
2003年にモデルデビューし、2004年には単身ニューヨークに渡ってモデルとして活躍した。
2013年に『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優&ハリウッドデビューを果たし、2014年にはNHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』にも出演しています。
2015年にはアメリカのテレビドラマシリーズ『ARROW/アロー』のシーズン3、『ゲーム・オブ・スローンズ』にも出演を果たしています。
実は間近で見たことがある方ですが、映像よりも実物の方が断然キレイでした
TAO
本名 | 岡本 多緒 |
生年月日 | 1985年5月22日(36歳) |
出生地 | 千葉県市川市 |
国籍 | 日本 |
職業 | 女優、ファッションモデル |
活動期間 | 2004年~ |
1999年にモデルとしてデビューし、2006年にはパリに渡って『エリート・モデル・マネジメント』のモデル事務所に所属しました。
2013年に『ウルヴァリン:SAMURAI』で女優&ハリウッドデビューを果たし、2015年には『クロスロード』で日本映画に初出演しています。
2016年には『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』にも出演しています。
『ウルヴァリン:SAMURAI』では主演のヒュー・ジャックマンと並んでも、彼女の高身長とスタイルの良さが目立っていました
忽那 汐里
本名 | 忽那 汐里 |
生年月日 | 1992年12月22日(29歳) |
出生地 | オーストラリア・ニューサウスウェールズ州シドニー |
国籍 | 日本 |
職業 | 女優、モデル |
活動期間 | 2006年~ |
オーストラリアで日系三世として生まれ、2006年に女優を目指すために日本へやって来ると、オスカープロモーション主催の『第11回全日本国民的美少女コンテスト』で審査員特別賞を受賞。
2007年に『3年B組金八先生』の第8シリーズに出演し、2013年に『第37回日本アカデミー賞』で新人俳優賞を受賞しました。
2016年に『女が眠る時』でハリウッドデビューを果たし、その後は『アウトサイダー』や『デッドプール2』に出演しています。
オスカープロモーションを退社し、今後は本格的に海外の作品への出演に挑戦しているようです
まとめ
今回の記事はいかがだったでしょうか?
やはり、日本人がハリウッドへ挑戦するには第一に言葉の壁があって、ネイティブ並みの英語力を求められるだけに厳しい環境だと言えるだろう。
しかしながら、日本人の繊細な演技がハリウッドで認められつつあり、近年で大きく貢献した渡辺謙の存在が大きく、彼のおかげで間口が広がっています。
最後に紹介しました忽那汐里のように、海外生まれでネイティブな英語を話せて、日本で活動した後にハリウッドを目指す俳優や女優が出てくるだろうと思います。
今後も日本出身の俳優や女優たちの活躍に注目してほしいです。
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