作品データ
公開年月 | 1946/12/20 |
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ジャンル | ヒューマンドラマ |
原作 | フィリップ・ヴァン・ドーレン・スターン 『The Greatest Gift』 |
監督 | フランク・キャプラ |
脚本 | フランセス・グッドリッチ、アルバート・ハケット、ほか |
製作 | リバティ・フィルムズ、フランク・キャプラ |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
まだ子供だったジョージ・ベイリーは生まれ故郷から飛び出し、世界一周旅行をしたいという強い願望を持っていた。
ジョージの父親は住宅金融会社を経営し、町の尊敬を集めていたが、大学の卒業旅行直前に過労の為に倒れて世を去ってしまう。
株主会議でジョージが後継者に指名され仕方なく承諾し、間もなく世界を襲った経済恐慌に立ち向かう事になるのだった。
登場人物&出演者

代表作に『スミス都へ行く』、『フィラデルフィア物語』などがあります。
主人公。大学を卒業後に世界へ出て、都市計画の仕事をしたいと高らかに宣言していた。
父親が倒れて住宅金融の会社を継ぐが、常に火の車状態だが、メアリーと結婚した。
低所得者の味方になって持ち家の資金を貸すが、街を牛耳るポッターと敵対していく。
叔父のビリーが預金をなくし、会社の倒産に自殺を試みるもクラレンスに助けられる。
最後は自身の人生に意味があって幸せ者だと知り、低所得者たちの助けで倒産も免れた。

代表作に『影なき男の影』、『地上より永遠に』があります。
ヒロイン。ジョージとは幼馴染みの女性。ジョージにずっと片想いをするも言えない。
久しぶりにジョージと再会し、以前よりも魅力的になった彼への想いは変わらず。
夢を何度も挫かれるジョージへの想いを爆発させ、ついに彼との結婚が実現する。
忙しく働くジョージの為に尽くし、良き妻で良き母親として彼をずっとサポートする。
最後は失った預金を補填する低所得者たちの協力を呼びかけ、会社の倒産を阻止した。

代表作に『駅馬車』、『風と共に去りぬ』などがあります。
ジョージの叔父。ジョージの父親と住宅金融を共同経営し、低所得者たちを助けていた。
兄が亡くなって会社の存続に口出ししたポッターに怒りをみせ、ジョージが継ぐと従う。
何度も経営の危機を迎えていくが、ジョージと一緒になんとか乗り越えていった。
会社の預金がポッターの手に落ちると、所在が分からずにジョージに責められた。
最後はメアリーのおかけで低所得者たちから援助してもらい、会社の倒産を免れた。

代表作に『善人サム』、『カリブの反乱』などがあります。
ジョージの弟。小さい頃に凍った川で遊んでいたが、溺れそうになって兄に助けられた。
父親が亡くなってしまい、兄が会社を継ぐと、大学の資金をもらって進学を果たす。
アメフトで大活躍していき、第二次世界大戦では英雄となって街の有名人となっていた。
ジョージが生まれなかった世界では、凍った川に落ちて出すてもらえず死亡していた。
最後は街への凱旋から駆けつけ、電報を聞いてから兄を励ます為にすぐ戻ってきた。

代表作に『キング・オブ・キングス』、『失われた地平線』などがあります。
街で薬局を経営している。少年時代のジョージが働いていた。息子を病気で亡くしている。
息子の死を知らせる電報で薬を間違え、ジョージの機転で渡さずに人殺しを免れた。
助けてくれたジョージを恩人として見守り、彼が旅をしたい事からスーツケースを買った。
ジョージが生まれなかった世界では、子供を毒殺した事になり、服役後に浮浪者になる。
最後は戻ってきたジョージの為に薬局の金を持ってきて、困っていた彼を助けた。

代表作に『ウィーンの再会』、『ミニヴァー夫人』などがあります。
天国から来た第二級天使。293歳で200年も翼を手に入れる為にずっと主に願っていた。
主から自殺しようとしたジョージを助けるように言われ、まず彼の人生を振り返る。
預金をなくして自殺を考えたジョージの前に現れ、彼の生まれなかった人生を見せる。
ポッターに支配された街の惨状をみせ、彼の人生は決して無駄じゃないと説得した。
最後は人生の素晴らしさを知ったジョージが考えを改め、使命を全うして翼をもらう。

代表作に『自由の魂』、『グランド・ホテル』があります。
街を牛耳っている資産家。住民に高い家賃を取っている。車椅子で常に執事が付き添う。
金や策略で街を支配しようとするが、ジョージの父親だけが折れずにずっと警戒する。
会社を継いだジョージにも敵対心を持ち、あらゆる手段で会社を手に入れようとする。
ビリーが持っていた会社の預金を偶然手に入れ、ジョージを陥れようと画策していく。
最後はジョージがクラレンスや低所得者たちに助けられ、結局は潰す事ができなかった。
感想
[個人的な評価]
本作はアメリカ映画協会で「感動する映画ベスト100」で1位を獲得しています。
更に同協会の「アメリカ映画ベスト100」では11位にランクインしています。
クリスマスシーズンで観たい映画として紹介され、タイトルだけは知っていました。
約70年前の作品なのであまり興味がなかったが、最近気になって鑑賞しました。
率直に言って、ちょうど自分が求めていたような作品と言えるぐらいに救われる内容でした。
主人公のジョージ・ベイリーは有能な人物で、大きな夢を抱いていたが、実現する前に外的要素で何度も挫折している。
それでも立ち上がって、いつか自分の夢を叶えようと現実に立ち向かっていきます。
街を出て世界へ飛び立ちたい気持ちとは裏腹に、外へ出られない状況に何度も直面していきます。
有能な人物なので、どんなに追い詰められても打開策を打って低所得者たちの味方として人々の信頼を得ていくのです。
ただ、ラストで身内のミスで会社を失うところまで追い詰められ、自殺を考えるも神によって救われるのです。
この作品は一人の男の人生を描いていますが、ある意味、観ている人が自分に置き換えるべきだと感じさせます。
決して生まれてきた事は無駄ではなく、その人がいたからこそ、様々な事に影響を与えてきたのがわかります。
本作では主人公が絶望するが、多くの人は彼を恩人だと感じていて、ラストの8分は感動が止まらなかっです。
主人公の人生を天使と一緒に覗いていきますが、それはラストでの8分間に繋がっていく上手さを感じさせられました。
どんな人間であっても、それぞれの人生では主役であり、かけがえのない存在だと教えてくれふ良作でした。
この作品は人生に迷っている人が見るべきであり、ここから生きる素晴らしさを理解できると思わせる作品でした。
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