作品データ
あらすじ
かつては直木賞も受賞した天才作家ながら、今は東京の場末でバーテンダーをする津田伸一。
津田はバーに来た担当編集者の鳥飼なほみに書き途中の新作を読ませ、彼が主人公の物語で送迎ドライバーとして働くと様々なトラブルに巻き込まれるという内容。
過去に津田が起こしたトラブルに巻き込まれたトラウマを抱える鳥飼は、小説が本当にフィクションなのかと不安になり、自ら検証に乗り出すのだった。
登場人物&出演者
・津田伸一(演:藤原竜也)
近年の出演作に『ノイズ』、『太陽は動かない』などがあります。
主人公。作家。過去に直木賞を受賞したが、現在は小説が売れずバーテンダーで生活費を稼いでいる。
過去に事実をフィクションとして小説を出したが、現実だと判明して文壇を追われている。
3年ぶりに小説を書いて、鳥飼に冒頭を読ませていくと、また同じ過ちを疑われていた。
物語を書き進めていくと、事実をベースにしていると鳥飼に言われ、危険だと注意された。
最後は消されたと思われた秀吉から本を返され、彼と家族が生きていた事に安堵した。
・鳥飼なほみ(演:土屋太鳳)
近年の出演作に『大怪獣のあとしまつ』、『ヒノマルソウル/舞台裏の英雄たち』などがあります。
ヒロイン。津田の担当編集者。直木賞を受賞した津田の実力を認めていて、新たな小説を書き出した事に期待する。
小説の内容が少し複雑になっていて、冒頭を読んだだけで5万を津田に渡して続きを読む。
フィクションである事を前提にしていて、物語の結末を聞いても分からないと言われる。
事実確認の為に舞台となった町と登場人物を調べると、実在している事が発覚して詰める。
最後は津田の小説が完成して、事件も有耶無耶となって、秀吉の生存を一緒に確認した。
・沼本(演:西野七瀬)
代表作に『あさひなぐ』、『一度死んでみた』などがあります。
コーヒーショップでバイトしている若い女性。名前は「ぬまもと」ではなく、「ぬもと」で毎回訂正している。
常連客の津田に対して親近感を持っていて、顔見知り以上のフレンドリーな関係を築く。
ピーター・パンの本に誤ってコーヒーをこぼすが、古本だと知って心配して損していた。
川島社長から名刺を渡されると、彼から合格だと言われ、何度かバイトに誘われていた。
最後は津田に期待するも裏切られ、事実確認に来た鳥飼にすべてを話し、バイトを続ける。
・房州(演:ミッキー・カーチス)
代表作に『ロボジー』、『サバイバルファミリー』などがあります。
古本屋「房州」の店長。すでに妻に先立たれていて、古本屋も廃業が決まっている。
店の前でチンピラに殴られていた津田を見ていて、彼らが立ち去った後に声をかけた。
津田が小説家だと知っていて、彼に何度も小説を書くべきだと強く助言していた。
店が廃業する前に亡くなってしまい、不動産業者に荷物を津田に渡す遺言を残していた。
最後は荷物を受け取った津田が開けると、ピーター・パンの本と3000万と3万があった。
・川島社長(演:岩松了)
近年の出演作に『サバカン/SABAKAN』、『シン・ウルトラマン』などがあります。
デリヘル「女優倶楽部」の社長。小説家だった津田を運転手として雇い、雑用なども彼に任せていた。
デリヘル嬢の一人が仕事を終えても連絡がなく、居場所を知る津田に探すように頼んだ。
床屋の前田が偽札で捕まった事を津田に話し、彼にそれを処分するべきだと警告していた。
ちょうどコーヒーを入れに来ていた沼本に名刺を渡し、何度か彼女を店に勧誘していた。
最後は黒幕が倉田であると津田に説明して、自分は関わっていないと話して立ち去った。
・まえだ(演:リリー・フランキー)
近年の出演作に『余命10年』、『前科者』などがあります。
床屋を営んでいる。房州のジイさんから金を受け取った津田が、散髪の為に一万円を使って会計していた。
その一万円が偽札だと発覚すると、警察がやって来て事情を聞くと、素直に連行された。
取り調べの間は津田から偽札をもらったと話さず、誰からもらったのか分からないと供述。
偽札について訪れてきた津田から話しを聞き、その後、倉田が散髪に来ても何も話さず。
最後はバーをやっている先輩に口利きして、職を失った津田の為に仕事と宿を用意した。
・幸地奈々美(演:佐津川愛美)
代表作に『ヒメアノ~ル』、『貞子vs伽椰子』などがあります。
秀吉の妻。元女優。秀吉と結婚した時にはすでにみごもっていた。他人の子供でも育てる彼に甘えている。
連日に渡って調子が悪く夫に娘の送り迎えをさせて、彼が帰ってくると妊娠を告げていた。
実は郵便局の若い青年と浮気していて、彼との間に妊娠するが、夫を騙そうと偽装した。
自分のせいで夫の立場が悪くなってしまい、倉田から子供が作れないと言われて驚く。
最後は夫を助けようとして飛び出すが、倉田の判断によって浮気相手とともに葬られた。
・幸地秀吉(演:風間俊介)
近年の出演作に『前橋ヴィジュアル系』、『猫なんかよんでもこない。』などがあります。
バーを仕切っている店長。妻と連れ子と三人暮らしをしている。育ててくれた倉田を慕っている。
コーヒーショップで日課の読書していると、津田が接触してピーター・パンの本を見た。
妻が連日調子が悪く娘を友達の家に預けたが、家に帰ると妊娠を言われて動揺していた。
実は子供ができない体であり、妻が妊娠するには他の男と寝ている以外にないと判明する。
最後は消息を絶ったが、実は倉田に許されていて、ピーター・パンの本を津田に返した。
・倉田健次郎(演:豊川悦司)
近年の出演作に『弟とアンドロイドと僕』、『いとみち』などがあります。
どんな犯罪でも必ずその裏に名前が出てくる。存在が伝説のようになっていて、名前を知らない人はいない。
バーのオーナーをしていて、身寄りのなかった秀吉たちに寝食を与えて育てていた。
偽札が届く手筈だったが、店にいなかった秀吉の過失で流出し、その行き先を探していた。
秀吉の妻がまたも妊娠して裏切られると、さすがにガマンの限界として浮気相手と処分。
最後は秀吉を許して殺さずにいて、ピーター・パンの本を津田に返させて立ち去った。
感想
[個人的な評価]
本作は『第6回山田風太郎賞』を受賞した佐藤正午の同名小説を実写映画化しています。
この作品は『ホテルビーナス』で知られるタカハタ秀太が監督と共同脚本を務めています。
ミステリー仕立てで現実と虚構が混ざっているような物語で、特に中盤まで何がどうなっているのか理解が追いつかない。
そもそも、最初から観客を無視したような展開となっていて、最後に上手くまとめて、作者がドヤ顔しているような印象を持ちました。
こういうタイプの作品は個人的に好きじゃないし、複雑難解にする意味がなく、観ている側を置いていく演出は本当に好きじゃないです。
ミステリーになってくると、どうしても誰が犯人とか、どういう仕組みになっているとか、それをどうしても考えてしまうのは人間の性だろう。
しかし、この作品に限って誰が犯人で、何が問題なのか、それを考える事をやめました。
なぜなら、娯楽性を完全に捨て去っていて、作者がドヤ顔で見せつけるような展開になっているから個人的に受けつけなかった。
結局、何がしたいのか理解するつもりないし、それ以上この作品に求めるモノはないです。
藤原竜也の控えめな演技が気になっていて、多分、本作の出演者でちゃんと物語を理解しているのか怪しいところである。
複雑難解であっても、観ている側を置いていかず、娯楽性を追求するならばいいけど、この作品にはそれがまったく感じられないです。
これで時系列までいじって、最終的に上手くまとまったら、感心するが、さすがにそこまでできないようです。
思い出すだけでも怒りの感情が湧き上がってくるぐらいイライラしますし、これが好きな方から解説してもらいたいぐらいです。
多分、ほとんどの人は理解する前に意識が飛んで、出演者の容姿や演技を褒めるところに収まるだけだろうけど。
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