作品データ
公開年月 | 2020/09/26 |
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ジャンル | サスペンス/ホラー |
原作 | マルティナ・ヴィルトナー 『Das schaurige Haus』 |
監督 | ダニエル・プロハスカ |
脚本 | マルセル・カヴェンテル、ティモ・ロンベック |
製作 | トーマス・フロッフ、ゲラルド・ポッドゴルニッヒ |
製作国 | オーストリア |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
オーストリアの国境沿いの田舎町「パート・アイゼンカッペル」に越してきたライチェ一家。
夫が亡くなった母親が選んだ田舎暮らしに、長男のヘンドリックはネットも使えない環境に無言の抵抗を続けていた。
そんなライチェ一家が引っ越してきた家の屋根裏の扉を囲むように塩が撒かれ、オーナーの私物を守る為に封印されているのだった。
登場人物&出演者

代表作に『Die Kinder der Villa Emma』、『Die Stille Danach』などがあります。
主人公。父親を亡くした事で母親の都合によってスロベニアに近い国境沿いの田舎村に引っ越してきた。
環境を奪われた事で母親に強く当たるが、すぐに仲直りするも弟の異変に気づいてしまう。
ドイツ人という事で地元のリーダー格に殴られるが、フリッツやイダと謎解きを始めていく。
自身にも幽霊が憑依してイダたちを襲うとしたが、真犯人を知るも息子のロケルに追われる。
最後は洞窟で溺れ死そうになるが、母親たちに助けられると、幽霊たちの無念を晴らした。

本作が長編映画デビュー作となります。
ヒロイン。バート・アイゼンカッペルに住んでいる女の子。スロベニア語が少しだけできる。
壁に絵を描いていた夢中歩行のエディーがスロベニア語を話し、それをあっさりと翻訳する。
すぐにヘンドリックを気に入ると、噂される彼の家に来てフリッツを加えて謎解きを開始。
村の祭りでヘンドリックが来ず、ロケルの母親が真犯人と分かって彼と合流して洞窟に逃亡。
最後は溺れ死にしそうなヘンドリックの居場所を母親に教え、なんとか助かって恋人になる。

本作が長編映画デビュー作となります。
バート・アイゼンカッペルに住んでいるメガネをかけている少年。なぜか言葉をハッキリとしゃべっている。
リーダー格に因縁をつけられたヘンドリックに話しかけ、興味津々で幽霊について聞いた。
エディーのスロベニア語をイダに翻訳してもらい、家で起きた事件について謎解きを始める。
村の祭りに来ないヘンドリックからロケルの母親が真犯人と判明し、警察に主張していた。
最後は洞窟からヘンドリックを助け出されると、ロケルの母親から真実を聞いていた。

代表作に『Laim und der letzte Schuldige』などがあります。
ヘンドリックの弟。虫が大好きで本を持っている。引っ越した日にナメクジを見つけると、ペットにしていた。
屋根裏への塩の封印を解いてしまい、そこから前の住人たちの声が聞こえて憑依される。
降霊会で憑依されると、ヘンドリックたちに地下室の壁裏に隠されていた日記を発見させた。
村の祭りに母親と参加していたが、ヘンドリックが洞窟にいるとイダから聞いて現場に行く。
最後は洞窟からヘンドリックが助け出されると、ロケルの母親から真実を聞いていた。

代表作に『君がくれたグッドライフ』、『ゴーストハンターズ/オバケのヒューゴと氷の魔人』などがあります。
ヘンドリックとエディーの母親。夫が亡くなってシングルマザーとなって、生活の為に凝っ居沿いの村へ引っ越した。
当初の説明と違っていて、更にヘンドリックが調べて40年前の事件を知ってブチ切れていた。
洞窟での仕事を持っていて、子供たちを置いて留守にする事が多く家の異変を知らない。
村の祭りに参加するが、ヘンドリックがいないと心配してロケルの誘いを断っていた。
最後はイダからヘンドリックが洞窟にいると聞かされ、急いで向かってギリギリで助けた。

代表作に『パラダイス』シリーズ、『モティの目覚め』などがあります。
サビネたちが引っ越してきた家の隣に住んでいる老女。家の扉の前に塩の結界を作っている。
引っ越しの際にサビネたちから挨拶を受けるが、すぐにいなくなるとして態度が悪かった。
ヘンドリックたちが見つけたフィルムから、家政婦で家主と浮気していたと判明する。
家に帰ってきたところでヘンドリックたちを見つけ、フリッツの質問に答えず追い返した。
最後は村の祭りに参加して一人でいると、イダたちから次の家政婦について話した。

代表作に『007/スカイフォール』、『世界で一番の幸せ』などがあります。
不動産業者。バート・アイゼンカッペルの家をサビネに紹介し、文句を言われても笑顔でかわしていた。
実際はサビネに対して個人的な感情を抱いていて、何かと近寄ろうとするも失敗していた。
ナメクジに対して異常な嫌悪感を持っていて、駆除する為の薬を母親が作って持ってきた。
実はその正体は家主と浮気していた家政婦の子供で、母親が毒殺した真相を知っていた。
最後は家主の手紙をヘンドリックが見つけ、奪い返そうとするも結局は警察に捕まった。

代表作に『Tartuffe』、『Der beste Papa der Welt』などがあります。
ロケルの母親で村人たちの前に姿をほとんど見せない。村の外れでロケルと二人暮らししている。
幽霊の指示を受けたヘンドリックが家に来ると、家主からもらった手紙がバレてしまう。
実はシーロスの後に家政婦として雇われ、家主と浮気をしてロケルが生まれている。
家主を自分のモノにしようと妻の毒殺を企てたが、結果的に兄弟まで毒殺してしまう。
最後は警察に連行されていると、ヘンドリックたちにずっと後悔していると話した。
感想
[個人的な評価]
本作はマルティナ・ヴィルトナーの児童文学を実写映画化した作品となります。
物語としては大黒柱である夫で父親を亡くした家族が国境沿いの村に引っ越すが、その家は呪われているというパターンです。
この作品は珍しいオーストリア映画となっていますが、物語としては普遍的なハウス系ホラー映画の王道を走っています。
ただ、原作が児童文学となっている事もあって、恐ろしいホラー映画ではなく、子供が主人公の時点で軽い感じになっています。
どっちかと言えば、毒キノコで殺された兄弟と自殺した母親の謎を解いていくミステリー要素もありました。
王道的な登場人物の配置、田舎村での洗礼など既視感たっぷりだが、謎解きの方に比重を傾けたのは大きいです。
ホラー映画としての怖さを捨てている代わりに、主人公たちに語りかける幽霊たちの真実を追う内容になっています。
しかしながら、肝心の謎解きはそこまで深いワケじゃなく、登場人物ですぐに誰が真犯人か予想はできる。
なので、少しだけ捻りを加えているが、まさかのぽっと出が真犯人というのは予想できるワケがない。
それに幽霊たちが無念を晴らしたいのか、復讐したいのかラストで何がしたいのか完全に迷走していました。
主人公たちを追い込んでいく人物に関しても、中途半端な立ち回りで、実際には何がしたかったのかよく分からない。
つまり、本作は登場人物たちの行動に意味があまりなく、ただ謎に振り回されているだけでドラマ性も怪しい。
キャラクターとしても個性が強いワケじゃなく、物語の為にいるだけで、それ以上の範囲を超えないから面白味がない。
ハウス系ホラー映画とジャンル分けしてしまったが、ファンタジーと言っても違和感がないぐらい微妙な作品でした。
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