作品データ
あらすじ
塾講師をしながら財宝の発掘で一攫千金を狙うイ・ソクポンと、建築会社でチーム長として働く弟のジュボンは名家の出だという。
ソクポンは大枚をはたいた発掘調査が中止し、一方のジュボンもプロジェクトが失敗して会社をクビ寸前となっていた。
そんな中、疎遠だった父親が亡くなった連絡を受けると、兄弟はそれぞれの思惑を抱えたまま葬式へ向かうのだった。
登場人物&出演者
・イ・ソクポン(演:マ・ドンソク)
近年の出演作に『エターナルズ』、『白頭山大噴火』などがあります。
塾講師。一攫千金を狙って発掘調査をしている。ミャンマーでの取引に失敗して多額の借金を背負う。
父親の死で売り物になるモノを物色するが、言い伝えとなる金の仏像を探そうと躍起になる。
謎の女性の助言から敷地内にあると分かって、仲間を呼んで金属探知機などで必死に探し出す。
父親の真実と謎の女性が母親だった事を知って、契約書を取り戻そうとするも結局は失敗する。
最後は山に絶滅危惧種の花を見つけ、借金をすべて返済し、今度は北極で新たな発掘に向かう。
・イ・ジュボン(演:イ・ドンフィ)
代表作に『ビューティー・インサイド』、『エクストリーム・ジョブ』などがあります。
ソクポンの弟。建築会社でチーム長として働く。一族が持つ山を買い取って高速道路を作るプロジェクトを任せられる。
葬式に出て社長から契約書を取るように言われるが、ソクポンに邪魔されてなかなかできず。
オ・ロラの助言で家系図を使ってご機嫌取りをして、契約書を取り付けて会社に送りつけた。
父親の真実を知った事で山を売るべきじゃないと分かり、ソクポンと取り戻そうとするも失敗。
最後は山に絶滅危惧種の花を発見し、山の売却が中止となり、ユンと田舎に残る事となった。
・オ・ロラ(演:イ・ハニ)
代表作に『ヨンガシ/変種増殖』、『エクストリーム・ジョブ』などがあります。
謎の女性。実家に帰ろうとしたソクポンとジュボンの車に轢かれた女性。頭を打って記憶喪失となる。
何度もジュボンに病院へ行くべきだと言われても聞かず、冬なのに一人で暑いと言っていた。
ソクポンたちと和解して立ち去るが、記憶がなかなか戻らず彼らに電話をして賠償を求めた。
実はその正体は幽霊でソクポンとジュボンにしか見えず、周りの人間には化け物だと言われた。
最後は若い頃の母親だと判明すると、ソクポンとジュボンの前には出ず回想の中で登場した。
・ミボン(演:チョ・ウジン)
代表作に『王宮の夜鬼』、『SEOBOK/ソボク』などがあります。
ソクポンとジュポンの従兄弟で警察官。結婚したばっかりで妻は慣れない風習に嫌気が差している。
厳しい家のせいで妻からベトナムに移住したいと言われるが、踏み切れずに有耶無耶にする。
ソクポンとジュボンが葬式の為に帰ってくると、金目のモノや家系図の手伝いをさせられる。
イ・ジュンベが養子という事からソクポンが骨董品を持ち出され、警察官として止めようとする。
最後はソクポンとジュボンが父親の真実を知って、彼らが後悔の涙を流す場面で共感していた。
・ユン室長(演:ソ・イェジ)
代表作に『王の運命/歴史を変えた八日間』、『量子物理学』などがあります。
ジュボンが働く建築会社の上司で恋人。ドイツ出身で本名はサラだという。ジュボンの仕事を見守る。
大きなプロジェクトで一族が山を手放さず、それを除外したせいで会社に多大な損害を出した。
父親の葬式に出たジュボンに会う為、やって来るが名家の出身じゃないといけないと言われる。
ジュボンが契約書を会社に送るが、取り返しに来て社長に死守するように言われて逃げ回る。
最後は会社をクビになったジュボンを追って、彼が留まっていた田舎の方へやって来ていた。
・オ・スンネ(演:ソン・ビョンスク)
代表作に『女優は今日も』、『ハッピートゥゲザー』などがあります。
ソクポンとジュボンの母親。都会から田舎にある名家に嫁いできたが、祭事で何度も失敗して怒られていた。
すでに故人となっているが、病気で夫が病院に連れて行かなかった事にソクポンが切れていた。
家を出ていこうとしたソクポンにクーポンを手渡して、何かと心配して彼を見送っていった。
実際は認知症を発症していて、名家の養子だった夫が外にバレないように匿われていた。
最後は幼児退化して夫の事も忘れるが、二人の子供を生んだ事実を言われて満足そうな顔になる。
・イ・ジュンべ(演:チョン・ムソン)
代表作に『曼荼羅』、『バッカス・レディ』などがあります。
ソクポンとジュボンの父親。名家の当主として家族に厳しい態度を取っていた。伝統を守る事を重視する。
次期当主となるソクポンに厳しい教育をしていたが、そのせいで一方的に嫌われてしまっていた。
一族の間では評判の高い人物だったが、妻を死なせたとしてソクポンに土を投げられてしまう。
実は妻が認知症を発症して、病院に連れて行こうとしたが、名家に傷が付くとして断られていた。
最後は妻が自分の事を忘れても看病して、木版に事実を刻むだけで決して他言をせず亡くなる。
感想
[個人的な評価]
本作は人気創作ミュージカル『兄弟は勇敢だった』を実写映画化した作品。
この作品は残念ながら日本では未公開となっていて、ようやくNetflixで鑑賞ができます。
主演には国際的なスターになろうとしているマ・ドンソクだが、あまり情報がないという珍しい作品となっています。
タイトルから兄弟に関する物語であるが、思っていたよりも重要ではないような印象でした。
確かに物語の出発点は兄弟が家を出ていくところだが、その根幹にあるのは父親と母親の秘密にありました。
なので、どうにも兄弟による物語としては薄いような感じで、途中から出てくる重要人物の方がしっくり来ました。
特に序盤で登場する謎の女性がまさかのキーパーソンとなっていて、その正体が分かるまでちょっと長いです。
結局、兄弟は物語に振り回されているだけで、仲違いしていた父親と、亡くしてしまった母親によって絆を取り戻していく。
本作で注目していたのはマ・ドンソクだが、今回は塾講師で発掘調査をする設定が少し浮いていました。
塾講師をなぜ挟んできたのはよく分からないけど、多分、劇中でも言及しているインディ・ジョーンズを意識しただろうと思います。
ただ、この中途半端な設定があまり効果的じゃなく、結局は韓国における名家の問題になるから意味がなかったような気がします。
謎の女性が若き日の母親という設定も、急に出てきたような印象が強くて今ひとつ演出としては微妙な感じでした。
ラストだけは韓国映画らしく感情をストレートにぶつけたので、なんとかフォローできたような終わり方だったと思います。
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