作品データ
あらすじ
子供の頃に韓国からアメリカに養子に出されたマークは、アームレスリングでの頂点を目指すも八百長の濡れ衣で除名されてしまう。
今はしがない警備員として冴えない日々を送るが、彼の前にパク・ジンギというスポーツエージェントが現れる。
マークは祖国で開催するアームレスリングの大会への参加を決意し、ジンギから教えられた実母が住む家を訪れるのだった。
登場人物&出演者
・マーク/ペク・スンミン(演:マ・ドンソク)
近年の出演作に『神と共に/第二章:因と縁』、『犯罪都市』などがあります。
主人公。幼い頃にアメリカへ養子に出される。アームレスリングでは元アメリカ代表だった。
現在はナイトクラブやショッピングモールの警備員をするが、ジンギの誘いで韓国へ戻る。
母が住んでいた家にスジンたちがいて、当初は妹だと思っていたが実は違うと知って戸惑う。
スジンやジンギたちと距離を取ってトレーニングを積むが、内心での葛藤に悩んでいた。
最後は大会でジンギと友情を取り戻し、応援するスジンたちに応えて優勝して絆を取り戻す。
・イ・スジン(演:ハン・イェリ)
代表作に『ハナ/奇跡の46日間』、『人狼』などがあります。
ヒロイン。ショッピングモールの夜勤で服を売る。シングルマザーで二人の子供を育てる。
サラ金とスポーツ賭博をするユ社長から借金し、そのせいで何度も返済を迫られる。
当初はマークを怪しんでいたが、母親の息子で生き別れた兄だと知って家に出迎えた。
実は両親を亡くしていて、マークの母親が彼らを家に迎えて家族のように接していたという。
最後は子供たちがいる大会の会場に行き、マークを応援して優勝し、本当の家族となった。
・イ・ジュニョン(演:チェ・スンフン)
代表作に『Pandora』などがあります。
スジンの息子。学校に行く時はいつもジュニと手を繋いでいる。忙しい母親に気を使う。
家を訪れたマークに驚くが、チャンス社長の借金取りだと思って警察を呼ぶとして追い出す。
マークが伯父だと知ると、すぐに懐いたジュニと違って様子見するが、次第に打ち解ける。
スジンたちが本当の家族じゃないとマークが知り、一緒に住めなくなって残念な気持ちに。
最後はジュニと大会までメダルを返しに行き、マークが優勝して一緒に祝福をしていた。
・イ・ジュニ(演:オク・イェリン)
本作が長編映画デビュー作となります。
スジンの娘。兄のジュニョンと学校へ行く時はいつも手を繋いで行く。人懐っこい性格。
家を訪れたマークの大きな体を見て怪物だと言うが、ジュニョンに人間だと訂正される。
マークが伯父だと知ると、いち早く打ち解けて仲良くなり、照れくさい彼と距離が縮まる。
スジンたちが本当の家族じゃないとマークが知り、一緒に住めなくなって一番悲しんでいた。
最後はジュニョンと一緒に大会まで駆けつけ、マークを勇気づけて優勝を共に祝福した。
・パク・ジンギ(演:クォン・ユル)
代表作に『嘆きのピエタ』、『殺戮にいたる山岳』などがあります。
自称スポーツエージェント。マークを「兄貴」と慕う。口から先に生まれたようなお調子者。
マークが元世界10位の実力者で養子に出された事を知っていて、何かと金儲けを考える。
韓国へ呼び出して金儲けを考えるが、制御できないマークに振り回されて一時的に姿を消す。
実は父親が友人の裏切りで破産し、借金を返そうといろんなモノに手を出していたという。
最後はマークと再び友情を取り戻し、ユ社長の言葉に翻弄されるも覚悟を決めて応援した。
・コンボ(演:カン・シニョ)
代表作に『The Russian Novel』、『The Avian Kind』などがあります。
アームレスリング韓国第1位の選手。ジムでデモンストレーションするも女性から不評に。
チャンス社長から呼び出されてクラブに行くと、実力を見せるマークの強さを知った。
プサンで一般人と対戦するイベントでマークに負けてしまい、そこから仲良くなっていく。
元々韓国1位はパンチで一緒にチームを作ったが、薬物問題もあって彼と疎遠になっていた。
最後は準決勝でマークと対決し、技で対抗するも優勝を約束した彼の前に敗れ去った。
・パンチ(演:イ・ギュホ)
代表作に『犯罪都市』などがあります。
アームレスリングで元韓国1位だった男。ステロイド剤に溺れる。歯を全部金属にしている。
犯罪を犯して刑務所に服役していたが、ちょうど出所するタイミングでユ社長が手にする。
ステロイド剤による増強で相手選手の手首を砕くクセを持ち、ユ社長と意気投合する。
大会の時にはマークやコンボたちと鉢合わせし、当然のように鋭い眼光でにらみ付けていた。
最後はマークに卑怯な手を使っていたが、真っ向勝負でパワー負けして悔しがって去った。
・ユ・チャンス(演:ヤン・ヒョンミン)
代表作に『Cheer Up Mr. Lee』、『工作』などがあります。
東大門をナワバリにしてサラ金とスポーツ賭博を生業とする。みかじめ料も徴収している。
大金を稼ごうとしたジンギにマークを紹介され、金儲けに利用できるとして出迎えた。
スジンにも金を貸していたが、イチャモンをつけるところをマークに見られて恥をかく。
指示通りに動かなかったマークを見限り、刑務所にいたパンチに目をつけて潰そうとする。
最後はマークに負けるよう大金を積むも断られ、パンチが負け金づるの御曹司に制裁される。
感想
[個人的な評価]
本作は韓国内で公開され、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に次ぐ初登場第二でスタートし、100万人の動員を記録する。
『新感染/ファイナル・エクスプレス』で大きく注目され、『犯罪都市』では主演を張ったマ・ドンソクが主人公を演じます。
世界的に知られる事になった『新感染/ファイナル・エクスプレス』では脇役ながら、主人公以上にインパクトを残していました。
本作では力持ちだが不器用な主人公を演じていて、まさにマ・ドンソクのハマリ役と言っても過言じゃないです。
説得力を持たせる50センチもある上腕二頭筋の凄さに加え、あの強面な顔から繰り出される表情もまた強そうに見えます。
でも、実際はとても謙虚で悪いヤツらを黙って見過ごせない男で、伯父と慕ってくるスジンの子供たちと楽しく過ごす姿は印象的です。
本作はアームレスリングをテーマにした作品だが、それ以上に家族の絆というドラマ部分にも力を入れています。
主人公は自分を捨てた母を訪れ、妹とその子供たちで家族ができたと喜び、自分を韓国に誘った友人を兄弟のように思っている。
ただ、実際はみんな血が繋がっていないが、似たような境遇で身を寄せ合う彼らには本当の家族とも思えるような絆があったと思います。
ここら辺のドラマは韓国映画らしくストレートで分かりやすく、何よりちゃんと訴えるような構成があるから感情移入ができます。
その中でマ・ドンソクの演じるマークは単純なキャラクターでありながら、本当の家族じゃないと分かった時の苦悩もまた伝わってきます。
それでも、一度は本当の家族だと感じて過ごした日々を思い出し、今度こそ本当の家族になっていく過程は感動的で納得ができます。
韓国でのアームレスリング事情は分からないが、マ・ドンソクのキャラクターを完璧に活用した作品だったと思います。
ですが、クライマックスでの大会は予定調和すぎたせいもあって、期待していたよりも盛り上がりに欠けるのは唯一の欠点でした。
これこそ、どれだけ盛り上げるかにかかっていたのに、安直な流れになってしまったのは非常に残念で惜しい部分になりました。
しかしながら、マ・ドンソクを味わうには充分な作品であり、彼が織りなす不器用な喜怒哀楽も楽しめる内容でした。
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