作品データ
あらすじ
アパートの一室で待っていた青年のマトヴェイはその時に備えていた。
マトヴェイは部屋に住む男アンドレイを殺害する為にハンマーを手にしたが、隣人の帰宅が当初の計画と異なって中に入っていた。
娘の彼氏を名乗るマトヴェイに不信感を抱くアンドレイの対立は、殺し合いという解決方法で実行されるのだった。
登場人物&出演者
・マトヴェイ(演:アレクサンドル・クズネツォフ)
代表作に『カリーナ、恋人の妹』、『LETO/レト』などがあります。
主人公。恋人であるオーリャから頼まれて、過去にレイプした父親の殺害を引き受ける。
ハンマーで殴り殺そうとしたが、隣人が来たせいで部屋に入って警戒されてしまう。
アンドレイと死闘を繰り広げて気絶すると、オーリャから知らない人だと切り捨てられる。
エヴゲーニチを仲違いさせるも失敗し、オーリャにも裏切られ、犯人に仕立てられる。
最後はアンドレイやオーリャが倒れると、しつこく生きていて金を独り占めして逃げた。
・オーリャ(演:イェフゲニア・クレグジュデ)
代表作に『Na Verkhney Maslovke』、『Korporatsiya Ad Libitum』などがあります。
アンドレイの一人娘。マトヴェイと付き合っている。役者をしながらバイトするもクビになる。
マトヴェイに父親が過去にレイプしたと言って、代わりに殺害して欲しいとお願いした。
父親に事実確認を電話で言われるが、マトヴェイは知らない人だとして彼を切ってしまう。
実家にやって来ると、母親が首吊り自殺して、マトヴェイを裏切って、父親も銃撃した。
最後は金を独り占めしようとしたが、瀕死の父親に首を撃たれて、そのまま静かに死んだ。
・ナターシャ(演:イエレナ・シェフチェンコ)
代表作に『Armavir』、『Krasotka!』などがあります。
アンドレイの妻でオーリャの母親。田舎へ帰ろうとしたところでマトヴェイが来て出迎えた。
マトヴェイを怪しんだアンドレイの指示で寝室に逃げ込み、状況が落ち着くまで待機した。
アンドレイがマトヴェイを気絶させると、散らばった金をゴミ箱に回収するも注意していた。
エヴゲーニチがアンドレイと撃ち合いで死んで、オーリャがやって来ると家族が揃った。
最後は血で汚れた服を変えると隣の部屋に行くが、首吊り自殺を図って頭を打って死亡した。
・アンドレイ(演:ヴィタリ・カエフ)
代表作に『アイスブレイカー/超巨大氷山崩落』、『サリュート7』などがあります。
オーリャの父親。刑事。職業病だと自覚していて、娘の友達について厳しく詮索するクセがある。
マトヴェイがやって来ると、部屋の中に入れるもハンマーを持っていた事から警戒する。
刑事として狙われたと思ったら、娘のレイプだとマトヴェイに言われて困惑してしまう。
エヴゲーニチに処理してもらうとしたが、金の在り処がバレて仕方なく彼を殺す事になる。
最後はオーリャにも裏切られるが、エヴゲーニチの銃で娘を銃撃して、そのまま死亡した。
・エヴゲーニチ(演:ミハイル・ゴレヴォイ)
代表作に『007/ダイ・アナザー・デイ』、『ヒットマンズ・ボディガード』などがあります。
アンドレイの同僚の刑事。妻が難病を患っていて、手術には大金が必要として困っていた。
お金持ちが猟奇殺人を犯すと、その金をもらおうとアンドレイと話しをして現場を操作する。
仲間に賄賂を渡して金を手にしようとしたが、アンドレイの裏切りで結局は妻が亡くなる。
アンドレイに呼ばれてマトヴェイを一緒に片付けようと言われるが、金の在り処を知る。
最後は裏切ったアンドレイを撃つが、ショットガンで腹を撃たれ、妻を思いながら死んだ。
感想
[個人的な評価]
本作は『シッチェス映画祭ファンタスティックセレクション2020』にて上映された作品となります。
ロシア映画であるけど、最近はSFのジャンルに力を入れている印象があって、本作のようなバイオレンスなアクションは久しぶりな印象でした。
まさにロシアらしい生々しい肉弾戦を繰り広げ、痛そうな描写はしっかりと表現して観ている側にも伝わってきます。
冒頭からエンジン全開で主人公と恋人の父親が殺し合いをしていくが、リアルな死闘という感じがして目が離せなかった。
どっちが勝つのか分からない冒頭からのクライマックスだが、それでも序盤の30分で残りの1時間はどのようにやっていくか気になりました。
やはり、現状じゃなく、回想という形で物語が展開されているが、すべての要素がちゃんと絡み合っているのは良かったです。
ムダなエピソードを入れる事なく、非常に分かりやすい構成になっていて、なぜそのような状況になるのか理解できます。
いくら恋人に頼まれたとしても殺人を引き受ける主人公は普通じゃないだろうし、その恋人や父親だってマトモな人間じゃない。
そこに巻き込まれる父親の親友や別居状態の母親もいて、揃う事のなかった家族が揃った瞬間はとても変な雰囲気でした。
何よりインパクトのある邦題は誰に向けたモノなのか気になったが、これは完全に主人公のしつこさを表現しています。
あれだけ父親に拷問を受けて、痛めつけられても生きている主人公の生命力は半端じゃなく、思わず「とっととくたばれ」と言いたくなるだろう。
本作はロシアン・アクションという昔ながらのストロングスタイルで、SFに力を入れている今だからこそ逆に目立つ良作となりました。
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