作品データ
あらすじ
グレッグ・ハーパー刑事は10歳の男児が誘拐された事件の捜査で、現場で見つけた証拠が過去に発生した一連の誘拐事件との関係性を見出す。
捜査が混迷を極める中、グレッグは妻ジャッキーとの不倫問題に頭を抱えており、息子のコナーが問題を複雑にしていた。
しばらくして、グレッグの自宅で不可解な現象が発生するようになっていき、ジャッキーの不倫相手が謎の死を遂げてしまうのだった。
登場人物&出演者
・グレッグ・ハーパー刑事(演:ジョン・テニー)
代表作に『ビバリーヒルズ・コップ3』、『グリーン・ランタン』などがあります。
主人公。ジャッキーとコナーたちと暮らしている。ジャッキーが不倫していたせいで夫婦仲は終わった。
誘拐事件を担当していると、妻の不倫相手が死体で発見すると息子だと勘違いして遺棄する。
家に帰ってくると、コナーが何者かに拘束されていると知って、犯人を一人で探していた。
実は誘拐事件の真犯人であり、ミンディに子供たちの隠し場所を知られて彼女を気絶させた。
最後は復讐に駆られたアレックと対決し、誘拐犯にしようとするも油断して射殺された。
・ジャッキー・ハーパー(演:ヘレン・ハント)
近年の出演作に『ナイト・ウォッチャー』、『セッションズ』などがあります。
グレッグの妻。心理カウンセラーをしている。不倫をしていたせいで夫や息子からブチ切れられる。
何事もなかったように振る舞っているせい二人から嫌われ、マトモに会話もできていない。
不倫相手が家に来て頭をケガすると、隠そうとして死体で見つかり、夫に伝えて遺棄をする。
コナーが何者か拘束され、泡を吹いていると、夫に言われて急いで病院へ連れて行った。
最後は病院から帰ってくると、夫が誘拐犯だとスピッツ刑事から聞いて呆然としていた。
・コナー・ハーパー(演:ジュダ・ルイス)
近年の出演作に『クリスマス・キャロルPART2』、『ザ・ベビーシッター/キラークイーン』
グレッグとジャッキーの一人息子。母親が不倫した事で家族が崩壊し、裏切られたせいでブチ切れている。
何事もなかったような振る舞いをする母親にキレていて、弁解の余地すら与えていない。
家の中で何かの異変に気づくと、屋根裏にある客室を確認するが何も見つからず学校へ行く。
再び物音を聞いて屋根裏に行くと、復讐の為に行動するアレックに捕まって気絶させられる。
最後は病院から帰ってくると、父親の真相について説明されて、母親と呆然としていた。
・スピッツ刑事(演:グレゴリー・アラン・ウィリアムズ)
代表作に『刑事ニコ/法の死角』、『ブライトバーン/恐怖の拡散者』などがあります。
グレッグと組んでいる黒人の刑事。過去に子供の誘拐殺人事件を担当して犯人を捕まえた実績を持つ。
今回も同じく子供が行方不明となっていて、残されたナイフから模倣犯の可能性を考える。
誘拐犯について遅くまで資料を調べていたが、なかなか決め打ちがなくて頭を抱えていた。
犯人を目撃した通報を受けると、上司から連絡を受けてグレッグを家まで迎えに行った。
最後は死んだグレッグを見つけて、アレックを撃ったが、真相を知ってジャッキーに話した。
・ミンディ(演:リーベ・バラール)
代表作に『ユース・アンド・ヤング・マンフッド』、『Slapface』などがあります。
他人の家に勝手に入り込んで間借りする「フロッキング」を楽しむ少女。友人のアレックを連れてきた。
アレックが選んでくれたハーパー家にやって来ると、フロッキングのルールを説明していた。
あくまで家主に気づかれず達成するルールを守っていくが、アレックの暴走に疑問を持つ。
アレックの暴走について行けず、出ようとすると帰ってきたグレッグに捕まってしまう。
最後は気絶した状態でグレッグに連れ帰られると、誘拐の犯人にされる為に射殺された。
・アレック(演:オーウェン・ティーグ)
代表作に『セル』、『IT/イット“それ”が見えたら、終わり。』などがあります。
「フロッキング」をやっているミンディに付いてきた青年。ハーパー家の屋敷に目をつけてきた。
ハーパー家にやって来ると、撮影としてミンディのフロッキングの説明を聞いていた。
隠れているだけで退屈になってくると、イタズラで楽しもうとして暴走を始めてしまう。
実は過去に誘拐犯だったグレッグから逃げていて、人生を潰された復讐の為に計画していた。
最後はグレッグと戦って射殺し、スピッツ刑事に撃たれるが、真相を暴いて病院へ運ばれた。
感想
[個人的な評価]
本作は『未体験ゾーンの映画たち2021』にて上映された作品となります。
タイトルである『フロッグ』の意味として、本作では家主に知られる事なく間借りをするゲームだという。
前半では家に起きているのは怪奇現象だと思わせて、主人公たちに不気味な状況を体験させていきます。
当然のように序盤では仕掛けが分からないので、怪奇現象の原因が今ひとつ分からないような状況で進んでいきます。
その不安感を与える意味として、主人公の家族がすでに破綻していて、不安定な状況の中で観ている側も混乱させていく。
ようやく主人公たちの裏で動いていた者たちの存在が出てくると、これもまた巧みに物語の本質をかき乱す。
予想していた展開と違うモノになっていき、悪さをしている人は本当に悪いのかという疑いを与えてくれています。
素直に鑑賞していくと普通のサスペンスやホラーに感じられるが、実はまったく別の仕掛けがある驚きが用意されていました。
非常に上手くミスリードを誘っていて、それまであった不可解な点が回収されていき、複雑に入り組んだ構成が見えてくる。
正直言って、前半は家族の問題という最悪の雰囲気があるので面白さはあまりなかったが、これが後半の仕掛けにすべて生きてくる。
冷静にみてしまうと、そこまで複雑な事をしていないが、上手く先入観によるミスリードが効果的になっていました。
全体的に物語は地味であるけど、一つひとつの伏線をちゃんと回収していて、不可解な点もしっかりと判明しているから面白い。
ただ、ラストは欲張ったような感じで、ハッキリと描かれず鑑賞している側に委ねる終わり方は個人的に好きじゃない。
やはり、ハッキリとどのようになったのか描写して欲しいし、それぞれの結末や心理も描いて欲しかったです。
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