作品データ
あらすじ
魏・呉・蜀の三国が覇権をめぐって激しく争っていた群雄割拠の時代、人々の平穏を願って立ち上がったのは劉備。
義兄弟の盃を交わした関羽と張飛とともに激動の乱世の中で力をつけると、稀代の天才軍師である孔明を迎え入れて蜀に入国する。
しかし、敵対する曹操は圧倒的な統率力で大国の魏を築き、そこで劉備は呉の若き武将の周瑜と手を組み、連合軍で対抗しようとするのだった。
登場人物&出演者
【蜀】
・劉備(演:大泉洋)
近年の出演作に『騙し絵の牙』、『フード・ラック!食運』などがあります。
主人公。蜀の将軍。誰よりも戦が嫌いでやる気もない。酒に酔っている時は勇ましい発言をする。
やる気がない状態で関羽と張飛に担ぎ出され、将軍になっても自覚がなくワガママし放題。
国がなくなって民とさまよっていると、曹操に討伐されると分かって呉と同盟を結んだ。
赤壁で疫病が流行っていまうと、それがイヤになって戦線から離脱して帰ろうとしていた。
最後は酒に酔った勢いで逃げる事を止めて、曹操を倒そうと引き返して勝利をもたらした。
・関羽(演:橋本さとし)
近年の出演作に『極道の妻たち』、『七つの会議』などがあります。
劉備の義兄弟。立派なアゴヒゲを持ち、義兄弟の中で一番マジメで冷静。ツッコミ役も担っている。
桃園の誓いをマジメにやろうとして劉備を連れ出し、なんとか義兄弟の契りを交わした。
劉備がワガママだと分かって間違った事を正すツッコミを入れるが、最終的に従っていた。
孔明を迎え入れる際には、学者の出という事から試されていると推測するも外れてしまう。
最後は赤壁から逃げる劉備が酔った勢いで曹操を討ちに行くと、それに賛同して戦った。
・張飛(演:高橋努)
代表作に『クローズ』シリーズ、『新聞記者』があります。
劉備の義兄弟。顔の毛量が異常に多い。義兄弟の中で短気であり、挑発されるとすぐにブチ切れる。
桃園の誓いで劉備が同日に死ぬ事を拒否すると、何度も言い直させてなんとか成立させた。
関羽と同じく劉備のワガママに付き合っているが、決して違うと他人や自分に言い聞かす。
孔明のやり方が明らかに怪しいと関羽に言われるが、人として面白いとちゃんと認めた。
最後は赤壁から逃げる劉備が酔った勢いに乗じて、曹操を討つ為に楽しみながら戦った。
・趙雲(演:岩田剛典)
代表作に『ROAD TO HiGH&LOW』シリーズ、『AI崩壊』などがあります。
蜀のイケメン将軍。戦国で最もイケメンだと言われており、独特の長い間と後光で毎回しゃべっている。
董卓を倒す為に呂布と仲違いさせるべく、劉備軍の中から絶世の美女を見つける役を担う。
連れて来た貂蝉が時代劇的考証に基づいた絶世の美女として、自信を持って話していた。
長坂坡の戦いで劉備の夫人と息子が逃げ遅れると、単騎で戻って息子だけを助け出した。
最後は劉備が赤壁から逃げると孔明に言われ、宴で酔わせた勢いで戦いに参加をさせた。
・孔明(演:ムロツヨシ)
近年の出演作に『マイ・ダディ』、『川っぺりムコリッタ』などがあります。
伏龍。天才的な軍師として知られる。劣勢に立たされる劉備から軍師として雇われる事になる。
噂される賢者とは程遠い調子のいい男で、なんでも安請け合いをして後悔してしまう。
それでも奇策を用いて劣勢をはねのけていたが、実際は黄夫人による策に従っていただけ。
赤壁まで迫ってきた曹操の大軍に対し、黄夫人の言う通りに周瑜を戦わせる気にした。
最後は劉備の動きを予測し、酔った勢いで曹操を討とうとする行動を読んで勝利に導いた。
・黄夫人(演:橋本環奈)
近年の出演作に『劇場版 ルパンの娘』、『かぐや様は告らせたい/天才たちの恋愛頭脳戦ファイナル』などがあります。
孔明の妻。決して表に出ない。孔明が尻に敷かれるほどの強い性格を持っている。
その正体はいくつもの奇策を提案してきた孔明の知恵袋で、あらゆる学問に通じている。
すべての功績を孔明のモノにされてもなんとも思わず、ピンチになると奇策を与えていた。
赤壁の戦いで明らかに勝機がない状況でも、すぐに勝てる策を思いついて孔明に託した。
最後はカギとなる追い風が必ず吹くと分かっていて、孔明に奇策を託しノンビリと過ごす。
【呉】
・周瑜(演:賀来賢人)
近年の出演作に『今日から俺は!!劇場版』、『ヲタクに恋は難しい』などがあります。
呉の最高司令官。曹操の大軍が迫ってくる中、孔明が孫権を戦いの場に出そうとして止める為にやって来る。
勝ち目のない戦に出るつもりはなかったが、女好きの曹操が妻を狙っていると知って逆上。
黄蓋から孔明のウソだと言われるが、その度に証拠を出されて納得するとブチ切れていた。
孔明をペテン師扱いして斬首を企んでいたが、ことごとく奇策を成功されて機会を逃した。
最後は疫病が流行する曹操軍にトドメの火計をもたらした孔明の凄さにただ驚いていた。
・孫権(演:岡田健史)
代表作に『望み』、『ドクター・デスの遺産/BLACK FILE』などがあります。
呉を治める王。まだ若いせいか臣下の言う事を素直に受け止め、まったく主体性のないバカである。
孔明から曹操を倒す為に劉備と同盟を結ぶべきと遠回しで言われるが、すぐに理解できず。
周瑜の助言で戦うの無謀と言われて納得するが、魯粛の言葉を聞いて戦う決断をした。
劉備と同盟を結んで宴を開いていたが、同席する孔明を誰よりも気に入っていたという。
最後は孔明のウソにガッカリしたと話すが、結果的に勝利へ導いた事で彼をまた認めた。
【魏】
・夏侯惇(演:阿部進之介)
代表作に『テケテケ』シリーズ、『キングダム』があります。
魏の将軍。片目がなく眼帯している。いつも遊んでいる曹操を注意する貴重な人物。
董卓を討伐する連合軍に加わっていたが、将軍ながら欠席する劉備に呆れていた。
劉備のおかげで董卓が倒され、曹操が丞相になって遊んでいたところを厳しく注意した。
蜀と呉の連合軍を倒す為に大軍とともにやって来るが、疫病によって劣勢となる。
最後は船を連結したせいで火計でやられ、酔った劉備の追撃からなんとか脱出した。
・曹操(演:小栗旬)
近年の出演作に『キャラクター』、『ゴジラ vs コング』などがあります。
魏の将軍。当初は董卓を倒す連合軍に参加するが、逃げられたせいで地元に帰ってしまう。
劉備たちの貂蝉を使った策略で董卓が呂布に倒されるが、北の大地を大きく支配していく。
帝を迎えて丞相の地位で漢のナンバー2になると、遊びまくっていて夏侯惇に注意される。
荀彧の助言で蜀と呉を倒すべくだと言われ、勅令を受けて逆賊を倒す為に大軍を率いる。
最後は疫病が広がって劣勢になると、孔明の策略で火計を食らって命からがら逃げた。
【その他】
・貂蝉(演:渡辺直美)
代表作に『R100』、『五つ星ツーリスト/THE MOVIE 究極の京都旅、ご案内します!!』などがあります。
蜀の劉備軍にいた絶世の美女。歌と踊りが得意で、時代劇的考証により趙雲に選び出されている。
当初は劉備たちが疑問視していたが、イケメンの趙雲が惚れるほどだと言われて納得する。
董卓の元へやって来ると、一瞬で虜にしてしまい、更に部下である呂布まで虜にしていた。
最後は劉備から託された策略で呂布に董卓を暗殺させるが、正体を暴いたしで斬殺された。
・呂布(演:城田優)
代表作に『亜人』、『羊と鋼の森』などがあります。
董卓の側近。最強の武将として名を轟かせる。赤い馬の赤兎馬に乗って方天画戟を振るう。
虎牢関の戦いで挑んできた張飛と関羽のコンビを赤子のように扱う圧倒的な力をみせた。
劉備の策略として絶世の美女である貂蝉を送り出されて、それによって惑わされていた。
最後は董卓を暗殺してしまい、貂蝉の正体がブスだと分かって斬り殺して逃げ出した。
・董卓(演:佐藤二朗)
近年の出演作に『ザ・ファブル/殺さない殺し屋』、『今日から俺は!!劇場版』などがあります。
後漢時代の暴君。漢王朝が滅びそうになる中、幼い帝を保護して実質的に実験を握っていた。
やりたい放題の政治をしていた事で各地の武将が立ち上がり、連合軍に攻められてしまう。
都を捨てて火を解き放ち、劉備から絶世の美女である貂蝉を献上されて完全に惚れていた。
最後は貂蝉と二人っきりになりたい呂布と口論を繰り広げた末、簡単に暗殺されてしまう。
感想
[個人的な評価]
本作は日本で高い人気を持つ『三國志』を監督と脚本を務める福田雄一が独自の解釈で製作した作品となります。
従来の『三國志』と大きく違った内容になっていて、時代考証を完全に無視したパロディ映画のような内容になっています。
まさに福田雄一監督のコミカルな演出が最初から最後まで冴え渡っていて、『三國志』をここまでアレンジするのは賛否両論が生まれる。
いつも通りの登場人物が軽いノリでやり取りしていくが、あの『三國志』がテーマながら別物になってしまっている。
全員が演技をする前に軽く酒を飲んで撮影に臨んでいるのではないかと思うほど、ずっとふざけたような雰囲気になっています。
脚本をちゃんと用意されているだろうが、現場で相当のアドリブが飛び交っているような自然な演技が多くみられました。
これは好き嫌いがハッキリと別れてしまい、マジメに『三國志』をみたい人にはまったく向いていない作品である。
固定化しているイメージとは程遠い登場人物たちになっていて、これが気に食わないと本作があっという間にクソ映画となるだろう。
これは完全に好みの問題になっていて、本作を大人たちがマジメにふざけていると捉える事ができれば楽しめます。
個人的にずっと楽しめた作品であり、堅物な時代劇もいいけど、たまにはこういう力の抜けた作品があってもいいと思います。
時代考証がかなり適当になっていますが、それでも前半で最も盛り上がる「赤壁の戦い」を簡略したところも悪くないと感じました。
このまま後半戦を作って欲しいところだが、どうやら世間の評価が今ひとつなので、続編はなさそうなので少し残念です。
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