作品データ
公開年月 | 2020/07/03 |
---|---|
ジャンル | サスペンス |
原作 | なし |
監督 | ジェラルド・カーグル |
脚本 | ジェラルド・カーグル、ズビグニェフ・リプチンスキ |
製作 | ジェラルド・カーグル、ヨーゼフ・ライティンガー=ラスカ |
製作国 | オーストリア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
青年のKは老婆が住む家を訪れると、出てきた彼女を拳銃で射殺してすぐに逮捕された。
Kは自身の精神異常を訴えるも裁判では認められず、長い服役生活を送っていた。
ついにKは仮出所を許されると、外界へ出た彼は殺人衝動に駆られ獲物を探していると、一軒の大きな屋敷にたどり着くのだった。
登場人物&出演者
感想
[個人的な評価]
本作は1980年にオーストリアで実際に起きた一家惨殺事件を基に作られています。
公開当時はヨーロッパ諸国で物議を醸し、日本では『鮮血と絶叫のメロディ/引き裂かれた夜』という邦題でビデオ化されています。
そこから世界的に評価を受けて、2020年7月に初の劇場公開が実現した作品となっています。
独特のセンスで展開されている世界観で、ソシオパスが殺人衝動に駆られる様子と心理的な状況を丁寧に描いています。
いわゆるカルト的な作品という位置づけであり、実際に起きた事件をベースにしているのでエンターテイメント性は皆無です。
主人公のKは計画的だと考えていても、場当たり的な犯行を起こしながら、その異常性を垣間見る事ができました。
劣悪な環境で育った主人公が抱いていたトラウマに対する怒り、捻じ曲げられた性癖などを短い時間で魅せてくれています。
かなり期待していた作品でしたが、ギリギリのところでシリアスさを保っているが、もう少しでギャグのような描写になりそうでした。
これがヨーロッパ諸国で物議を醸し出すほどのモノかと首を傾げてしまうし、もっと主人公の危険な性癖を出して欲しかったです。
そういう不満を持っていたが、実際の事件を起こしたヴェルナー・クニーセクがやった事を知ってしまうと、本作は相当マイルドな描写になっていました。
ヴェルナー・クニーセクが実際にやった事を映画で表現したら、上映禁止になってもおかしくないぐらい相当な内容でした。
もし、ヴェルナー・クニーセクが本当に行った数々の非道な事実を映画化すると、カルト映画以上のモノになっていただろうと思います。
しかしながら、そんな主人公を演じたアーウィン・レダーの演技は素晴らしく、彼が本当に危険な人物に見えてしまうほどです。
殺害された一家もまた個性的なキャラクターで決して大声の悲鳴を出さないところも、リアリティがあって効果的に雰囲気を盛り上げていたと思います。
ただ、ヴェルナー・クニーセクがやった事を知ってしまうと、本作はかなり端折っていると分かって物足りないと感じてしまうのは仕方ない。
コメント