【アングスト/不安】RE-3421

スポンサーリンク
あ行

作品データ

公開年月 2020/07/03
ジャンル サスペンス
原作 なし
監督 ジェラルド・カーグル
脚本 ジェラルド・カーグル、ズビグニェフ・リプチンスキ
製作 ジェラルド・カーグル、ヨーゼフ・ライティンガー=ラスカ
製作国 オーストリア
鑑賞方法 レンタルDVD

あらすじ

青年のKは老婆が住む家を訪れると、出てきた彼女を拳銃で射殺してすぐに逮捕された。
Kは自身の精神異常を訴えるも裁判では認められず、長い服役生活を送っていた。
ついにKは仮出所を許されると、外界へ出た彼は殺人衝動に駆られ獲物を探していると、一軒の大きな屋敷にたどり着くのだった。

登場人物&出演者

(演:アーウィン・レダー)

代表作に『U・ボート』、『アンダーワールド』があります。

主人公。1950年生まれで祖母に育てられ、修道院に送られるが動物虐待で追い出されている。

母親の元に身を寄せるも口論した末にナイフで刺して、パリに逃亡するも強制送還される。
サディズム的性癖だと自覚し、老婆を殺害した動機がないと語るも10年も服役していた。
出所した前日から完璧な殺しの計画を立て、ダイナーやタクシーの運転手と見逃した。
森を抜けた豪邸に足の不自由な息子、年老いた母親、若い妹を殺害して車に積んで走った。
最後はダイナーを再び訪れるが、立ち寄った警察に怪しまれてトランクを死体が見つかった。

息子(演:ルドルフ・ゲッツ)

本作が長編映画デビュー作となります。

森を抜けた一軒家の豪邸に住んでいる一家の長男。足が不自由で重度の知能障害を患っている。

勝手に家へ侵入してきたKに遭遇するが、父親が帰ってきたと思って声をかけていた。
母親と妹が買い出しから帰ってくると、父親がいると話すもまったく信じてもらえなかった。
窓ガラスが割れていると母親が気付いてKが現れると、車椅子から投げ出されて二階に向かう。
最後はバスタブに溜まった水で溺死させられ、母親と妹たちと車のトランクに入れられた。

母親(演:エディット・ロゼット)

本作が長編映画デビュー作となります。

森を抜けた一軒家の豪邸に住んでいる一家の母親。娘と一緒に行った買い出しから帰ってきた。

留守番していた息子から父親が帰ってきたと言われるが、もういないと呆れながら答えていた。
窓ガラスが割れていると発見して娘を呼び出すと、突如現れたKを呆然と見ていただけ。
娘が縛られ身動きできなくなると、Kに襲われて抵抗するも衣類で口を塞がれて手足を縛られた。
最後は病気の発作を起こして死亡し、Kが蘇生処置するも生き返らず車のトランクに入れられた。

シルヴィア(演:シルヴィア・ラーベンライター)

本作が長編映画デビュー作となります。

森を抜けた一軒家の豪邸に住んでいる一家の妹。母親と車で買い出しから帰ってきた。

車をガレージに入れて買い物した食材を置いてから、二階のバスタブにお湯を溜めていた。
窓ガラスが割れていると母親に言われて降りてくると、現れたKに突き飛ばされて倒れた。
何もできないままテープで片足をドアノブに巻かれ、両手首も巻かれて動けなくなる。
最後は逃げようとしてKにナイフで何度も刺されて死亡し、そのままトランクに入れられた。

感想

[個人的な評価]

評価 :3/5。

本作は1980年にオーストリアで実際に起きた一家惨殺事件を基に作られています。
公開当時はヨーロッパ諸国で物議を醸し、日本では『鮮血と絶叫のメロディ/引き裂かれた夜』という邦題でビデオ化されています。
そこから世界的に評価を受けて、2020年7月に初の劇場公開が実現した作品となっています。
独特のセンスで展開されている世界観で、ソシオパスが殺人衝動に駆られる様子と心理的な状況を丁寧に描いています。
いわゆるカルト的な作品という位置づけであり、実際に起きた事件をベースにしているのでエンターテイメント性は皆無です。
主人公のKは計画的だと考えていても、場当たり的な犯行を起こしながら、その異常性を垣間見る事ができました。
劣悪な環境で育った主人公が抱いていたトラウマに対する怒り、捻じ曲げられた性癖などを短い時間で魅せてくれています。
かなり期待していた作品でしたが、ギリギリのところでシリアスさを保っているが、もう少しでギャグのような描写になりそうでした。
これがヨーロッパ諸国で物議を醸し出すほどのモノかと首を傾げてしまうし、もっと主人公の危険な性癖を出して欲しかったです。
そういう不満を持っていたが、実際の事件を起こしたヴェルナー・クニーセクがやった事を知ってしまうと、本作は相当マイルドな描写になっていました。
ヴェルナー・クニーセクが実際にやった事を映画で表現したら、上映禁止になってもおかしくないぐらい相当な内容でした。
もし、ヴェルナー・クニーセクが本当に行った数々の非道な事実を映画化すると、カルト映画以上のモノになっていただろうと思います。
しかしながら、そんな主人公を演じたアーウィン・レダーの演技は素晴らしく、彼が本当に危険な人物に見えてしまうほどです。
殺害された一家もまた個性的なキャラクターで決して大声の悲鳴を出さないところも、リアリティがあって効果的に雰囲気を盛り上げていたと思います。
ただ、ヴェルナー・クニーセクがやった事を知ってしまうと、本作はかなり端折っていると分かって物足りないと感じてしまうのは仕方ない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました