作品データ
あらすじ
謎のウイルスの蔓延により荒廃したオーストラリアでは、アンディは愛する妻ケイと幼い娘ロージーと船で暮らしていた。
ある日、難破したヨットから食料を手に入れたアンディだったが、ケイが感染者に噛まれて感染してしまう。
ケイの感染が完了するまで48時間のタイムリミットがあり、アンディたちは治療できる病院を探すべくロージーを連れて旅に出るのだった。
登場人物&出演者
・アンディ(演:マーティン・フリーマン)
近年の出演作に『オペラティブ』、『世界一不幸せなボクの初恋』などがあります。
主人公。妻のケイと娘のロージーと川を伝ってボロい船で軍事基地を目指していた。
座礁した船から食料を手に入れ、その後に行ったケイが噛まれ船を降り病院を目指す。
ゾンビを避けた際に車が木に衝突し、完全に変異したケイに腕を噛まれて感染する。
道中でヴィクに助けられるが、危険人物と知ってエサにされたトゥミを助けて脱出する。
最後は完全に変異してもトゥミとロージーを抱え、安全な村にたどり着いて埋葬された。
・トゥミ(演:シモーヌ・ランダース)
代表作に『The Flood』などがあります。
ヒロイン。先住民の少女。完全に変異した父親を洞窟に匿って動物の死骸を与えていた。
父親が抜け出して追いかけると、アンディたちの車が大破するも血を使って戻っていく。
ヴィクに捕まって檻に入れられ、ゾンビたちを引き寄せる生きたエサにされてしまう。
アンディたちとヴィクから逃げ出し、父親を探しに行くがすでに仲間が埋葬していた。
最後はゾンビ化したアンディの願いでロージーを村に連れて行き、母親たちと再会した。
・ケイ(演:スージー・ポーター)
代表作に『ウープ・ウープ』、『しあわせの百貨店へようこそ』などがあります。
アンディの妻。食料が底を尽きそうになって、陸地に上がるべきとアンディと話し合う。
アンディが食料を見つけた船が安全だと聞かされ乗り込み、夫の為にカミソリを探した。
ゾンビの気配に気付いて逃げようとするが、太ももを噛まれて自分の船に戻ってきた。
その時が来たら自分で決めると主張し、病院を目指そうとする夫の説得で一緒に行く。
最後は乗っていた車が木に衝突し、完全に変異して夫の腕を噛んで始末されてしまう。
・エッタ(演:クリス・マッケイド)
代表作に『ルイーズとケリー』、『ケリー・ザ・ギャング』などがあります。
村の小さな診療所にいた初老の女性。元々は教師で診療所に残って訪れる人を出迎える。
アンディが感染していると知りながら、傷の手当てをして諦めない事を彼に伝えた。
発作でアンディが倒れても、彼を運んで何事もなかったようにしてロージーをあやした。
最後は先住民が頼れると話し、トゥミたちに会えばロージーを引き取ると写真を渡した。
・レイニー(演:カレン・ピストリアス)
代表作に『スロウ・ウェスト』、『移動都市/モータル・エンジン』などがあります。
ヴィクの妻。安全な場所で暮らしながら、世界が元に戻ると信じるヴィクに従っている。
アンディたちがやって来ると、出かけるヴィクたちを見送ってロージーの面倒をみる。
アンディが感染していると知り、ヴィクが危険人物だと話して助けて欲しいと話した。
最後はアンディたちと逃げるが、ヴィクが撃ってきたところで彼らをかばって死亡した。
・ヴィク(演:アンソニー・ヘイズ)
代表作に『アニマル・キングダム』、『奪還者』があります。
ガス工場の元従業員。妻であるレイニーと暮らしながら、世界が元に戻ると信じている。
ガスボンベに足を挟まれた状態でアンディが遭遇し、信頼して助けてもらい家へ帰る。
レイニーにロージーの面倒を見させて、アンディを連れて金目の物を感染者から回収。
従業員を皆殺しにしたと発覚し、逃げようとしたレイニーを誤射で射殺してしまう。
最後は噛まれて感染し村に行くトンネルで待ち受け、アンディの説得で彼らを通した。
感想
[個人的な評価]
本作はNetflixが独占で配信された作品となります。
ゾンビ映画であるけど、タイプとしてはすでにパンデミックが起きて、安全な場所を目指す物語となります。
当初は慎重に行動していた主人公とその妻だが、ちょっとした油断で感染してしまい、幼い娘の為に誰かに託そうと探していく。
ゾンビ映画の王道はパンデミックが始まる作品がほとんどだが、たまに本作のようなパニックではなく、ドラマ性の高い作品もあります。
最初に母親が感染して、本来なら危険だから離れるべきだが、主人公はそれができずに執着した結果、自分も噛まれて感染する。
人間的な情で最悪な状況になってしまい、そのままでは幼い娘が餓死するか、父親に食わられるかという最悪の選択になってしまう。しかし、父親は絶対にそんな選択をさせずにギリギリまで娘を安全な場所に託す意志の力は凄まじかったです。
ありそうで以外になかったオーストラリアで先住民たちがハンターとして倒していくシーンは新鮮でした。
大抵の場合は銃がメインとなるけど、昔ながらの槍や棍棒を使ってゾンビを一方的に倒していくのは地味だが力強いと思わせる。
もちろん、あるあるの一つである人間が一番怖いパターンが出たけど、そこまで物語を引っ掻き回すエピソードにならなかったの良い。
あくまで幼い娘の為に変異するギリギリまで動く主人公の意志力に比重を置いていた。
道中では先住民で父親を慕っていたトゥミの存在も良く、主人公と最初は意見が合わなくなるも次第に気持ちを許す過程も良かった。
ゾンビの種類についてクラシック型のノロノロであるが、目や傷口から粘液が出て暗闇では冬眠するオリジナルの設定もまた不気味で個性的だったと思います。
そして、ラストでゾンビ化しても幼い娘を抱えて歩く主人公にトゥミが敬意を表して、トドメをさせられる前に妻の香水を嗅がせて人間らしさを少し取り戻させたのは感動的でした。
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