作品データ
あらすじ
1980年代、俳優のリチャード・ソーンクロフトはテレビドラマ『マインドホーン』で最新鋭の義眼を装着したブルース・マインドホーン刑事を演じて一世を風靡した。
しかし、リチャードはそれ以外の役に恵まれず、オーディションを受けても現実を受け入れないせいで採用される事がほとんどなかった。
マン島ではマインドホーン刑事の実在を信じる脱獄囚のポール・メリーを逮捕するべく、復活のチャンスと目論んだリチャードは警察に協力を申し出るのだった。
登場人物&出演者
・リチャード・ソーンクロフト(演:ジュリアン・バラット)
代表作に『ラッキー・ブレイク』、『ABC・オブ・デス2』などがあります。
主人公。「マインドホーン」で主人公を演じて一躍有名となる。ハリウッドへの挑戦に失敗して過去の人となる。
過去の栄光にすがって大物俳優として立ち振る舞うが、周囲の人間から見放されている状態。
ポールを捕まえるべくマン島へマインドホーンを演じて逮捕するが、醜態で追い出される。
ビデオから市長が犯人だと分かり、ポールの無実を晴らすとともに復活を目論んで動いた。
最後はバインズ刑事と市長が殺人事件の真犯人と暴き、パトリシアと再婚して復活を果たす。
・パトリシア・デヴィール(演:エッシー・デイヴィス)
代表作に『ババドック/暗闇の魔物』、『アサシン・クリード』などがあります。
ヒロイン。「マインドホーン」でヒロイン役を演じていた。現在はマン島のテレビ局でジャーナリストとして働く。
リチャードがハリウッドに挑戦する時に捨てられ、ピーターの子供を生み、クライブと結婚。
ポールを捕まえる為にリチャードが来ると、殺人事件の独占取材として連絡を取り合った。
バインズ刑事からリチャードが狂ったと聞かされるが、ウソだと分かって彼を信頼していく。
最後はバインズ刑事から自供を得る為に演技をして、リチャードと再婚を果たす事になる。
・ピーター・イーストマン(演:スティーヴ・クーガン)
代表作に『80デイズ』、『ナイト・ミュージアム』シリーズなどがあります。
「マインドホーン」で悪役のウィンドジャマーとして出演した。リチャードから大根役者だと言いふらされる。
マン島に残ってスピンオフシリーズの「ウィンドジャマー」に主演して大ヒットを果たした。
落ちぶれたリチャードの状況を知っていて、話題作りをする彼からのDVD計画を聞いていた。
実はリチャードに捨てられたパトリシアと付き合い、娘が生まれてマン島では有名な話しに。
最後はリチャードが事件を解決した事で彼と和解して、DVDの売上が好調で笑みを浮かべた。
・ジェフリー・モンクリーフ(演:リチャード・マッケイブ)
代表作に『ノッティングヒルの恋人』、『1917/命をかけた伝令』などがあります。
「マインドホーン」で広報を担当していた。リチャードを人気者した敏腕のプロデューサーとして忙しくしていた。
リチャードがハリウッドへの挑戦で捨てられてしまい、広告代理店として独立していた。
警察に協力する為にマン島へ戻ってきたリチャードと再会し、金儲けができるとして期待。
リチャードがヤケになって一緒にドラッグパーティすると、彼の醜態をビデオに撮影した。
最後はポールの証拠ビデオで市長を脅迫するが、バインズ刑事にあっさりと処分されていた。
・クライブ・パーネヴィク(演:サイモン・ファーナビー)
代表作に『ロード・オブ・クエスト/ドラゴンとゆにこーんの剣』、『パディントン2』などがあります。
「マインドホーン」でリチャードのスタントを担当していた。常にリチャードから単なるスタンドとしてバカにされる。
スタントマンとして大成功を果たし、リチャードに捨てられたパトリシアと結婚を果たした。
リチャードとパトリシアが暮らしていた家にいて、撮影で使った車を買い取って乗り回す。
家まで来たリチャードに会うと、彼を小バカにしてポールからのファンレターを渡していた。
最後はバインズ刑事の流れ弾でケガし、パトリシアから離婚されるも楽しく過ごしていた。
・エレーナ・バインズ刑事(演:アンドレア・ライズボロー)
近年の出演作に『アムステルダム』、『ルイス・ウェイン/生涯愛した妻とネコ』などがあります。
マン島の女性警察官。殺人事件を起こしたポールを容疑者として捜索し、署長の指示でリチャードを呼びつける。
警察署にやって来たリチャードを迎えると、署長に引き合わせるも失礼な態度に呆れる。
ポールとの電話を引き伸ばすように指示したが、リチャードが勝手に進んだせいで失敗する。
その正体は市長の姪であり、マン島を一族が永遠に支配する為に邪魔者を始末していた。
最後はすべての罪をレコードに記録され、そのせいで叔父とともに逮捕されて刑務所に行く。
・ニューサム署長(演:デヴィッド・スコフィールド)
近年の出演作に『シックス・ミニッツ・トゥ・ミッドナイト』、『パニック・トレイン』などがあります。
マン島警察署の署長。殺人事件の容疑者であるポールがマインドホーン刑事としか話さない事から頭を抱える。
仕方なくリチャードを呼びマインドホーン刑事で電話をさせるべく、彼の事務所に連絡した。
マインドホーン刑事のドラマを毛嫌いしており、リチャードがマン島を侮辱する発言に怒る。
リチャードが酔った勢いでヒドイ落書きをしてブチ切れ、そのまま彼をマン島から追い出す。
最後はリチャードたちがバインズ家の悪事を暴くと、彼に対して謝罪をして握手を求めた。
・ジョージ・バインズ市長(演:ニコラス・ファレル)
代表作に『グレース・オブ・モナコ/公妃の切り札』、『キューブ:ホワイト』などがあります。
マン島の市長。長年に渡ってマン島で支持を得ていて、近くで開催されるイベントについて計画を進めていた。
ポールが殺人事件を起こした事について一切触れず、あくまで自分のイベントに集中する。
その正体は殺人事件の真犯人であり、現場を映したビデオをジェフリーから脅迫を受けた。
姪のバインズ刑事がジェフリーを始末すると、それを知るパトリシアを始末しようと企んだ。
最後はリチャードたちの演技でバインズ刑事の自供がバレて、姪とともに刑務所行きとなる。
・ポール・メリー(演:ラッセル・トーヴィー)
代表作に『帽子を脱いだナポレオン』、『パレードへようこそ』などがあります。
マン島で殺人事件を起こした容疑者として追われる。自分を“ハヤブサ”と名乗りマインドホーンを信奉する。
心の病気で精神年齢が9歳に留まっていて、純粋にマインドホーン刑事の存在を信じていた。
実際にリチャードがマインドホーン刑事に扮して、カメラマンとして会うも逮捕されていた。
病院に運ばれるも目覚めて脱走し、自殺すると脅してリチャードに証拠のテープを送った。
最後はバインズ刑事から逃げる際に銃弾を食らうが、死んでおらず実は生きて回復していた。
感想
[個人的な評価]
本作は『ロンドン映画祭』にてプレミア上映された作品となります。
この作品は俳優やコメディアンとして活躍するショーン・フォーリーが監督と共同脚本を務めています。
昔のテレビドラマが大ヒットして有名になった俳優が、数十年後、役者として終わっているのに過去の栄光にすがる悲しい物語でした。
多分、こういう役者は少なからず存在していて、当時は引っ張りだこでも現在は落ちぶれて誰にも無向きのされないような存在となっている。
これは決して創作ではなく、そのような役者がいるからこそ本作の主人公が見せる強がりというのはより悲哀さを引き出してる。
とにかく、主人公のリチャード・ソーンクロフトは自分が大物俳優として立ち回るが、もう周囲から失笑されるような扱いを受けている。
もう自分では現実を受け入れられないからこそ、過去の自分をイメージして対応する姿は本当に悲しくて逆に笑えてしまう。
そういう意味では本作はコメディとして成り立っており、そもそも主人公がたまたまハマり役に巡り合っただけで実力ではなかったと分かる。
理想と現実の狭間に立たされているからこそ、なんとか這い上がろうとする姿が鼻につくところがあるけど、その背景を考えると嫌味が消える。
もちろん、終盤では主人公が自分の置かれている状況を認めて、そこから純粋に悪を倒そうとする姿も悪くなかったと思います。
残念ながら主人公を演じているジュリアン・バラットはほぼ知らないが、共演するアンドレア・ライズボロー、スティーヴ・クーガン、デヴィッド・スコフィールドは知っていた。
アクションは鈍くさい主人公に説得力がないけど、それでも事件を解決する為に彼らが使った演技という武器は物語として正しかった。
さすがにシリーズ化ができるような作品ではないが、コメディ映画として悪くない内容だったと思います。
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